日本で新型コロナの感染拡大が止まんない。
きのう7月29日には新規感染者の数が全国合計で1000人を突破し、1日としては過去最多となってしまった。
浜松でもクラスターがおきて街がお通夜だし…。
今朝のニュースを見たらアメリカも相当ヤバイらしく、1日の感染者が1600人を超えたという。
そう聞いて「え?」と違和感を持った人は、いまのアメリカのヤバさを知ってる人ですね。
1600人以上というのは感染者ではなくて1日の死亡者数。
アメリカではこれまで、合計15万2320人が新型コロナで命を失っている。
死亡者数と感染者数(約500万人)の両方で世界最多の国となってしまった。
それにしても1日で1600人て。
太平洋戦争での最大の激戦のひとつ、硫黄島の戦いでも1日でそんなにたくさんは死ななかっただろう。
これはもう戦争状態だ。
さて日本のネットを見てみると、アメリカで感染爆発が止まらなわいワケをみんなあれこれ想像していた。
・自由が裏目に出てる
・アメリカは自由と多様性で内部崩壊しそうやな
・この状況でマスク反対!ロックダウン反対!と叫んでる米国人は破滅願望者なのかと疑いたくなるわな
・大統領がマスクしない自由を行使したがる国ですから
・アメリカ人には健康教育という言葉が無いのだろうか
・肥満が多すぎるんだよ
・基礎疾患持ちが山ほどいる。
プラス病院にかかれない人が山ほどいる。
とここまでが日本人の視点で、ここからは外国人(たぶんアメリカ人の)の分析を見てみよう。
外国人に日本旅行の情報を提供するサイト「MAIKOYA」に、なんで日本人はみんなマスクをするのに、(一部の)アメリカ人はしないのか?という記事がある。
Why Do Japanese Wear Masks and Why (Some) Americans Don’t
コロナ対策としてマスクが有効なのはいやま世界の常識。
マスクをしないでスーパーマーケットや銀行に入ると、罰金を科せられる国も珍しくなくなった。
アメリカでも全体としてはマスクを着用する人が多くなってきたけど、それでも断固として拒否する人がいる。
日本人がマスクを付ける理由は、日本人なら言わず最上もが。
だからそれはいいとして、ここでは上の記事を参考に主にアメリカ人がマスクをしない理由について書いていこう。
1、ワガママだから
「In individualistic societies like the US, people in general don’t want to self-sacrifice for others. 」
アメリカのような個人主義の社会では、一般的に人びとは他人のために自分を犠牲にしたくない。
マスクする理由は自分よりもむしろ他人を守るためで、これをすることで自分の出す飛沫を少なくすることができる。
でも日本に比べて、アメリカ人にはこの考え方が通用しにくい。
マスクを付けるのが面倒くさいのか不快なのか、それともお金を使いたくないのか分からないけど、とにかく自分の気持ちが大事でイヤなことはしたくない。
個人主義的なアメリカではそんな考え方が強いから、他人や自分と同じグループの人を保護するためであっても、マスクを拒否する人が多いという。
2、自分の個性やアイデンティティを重視するから
マスクで顔の3分の2が覆われると、そのぶん自分の個性が失われてしまう。
個性が重視される社会で、他人と似ていることは良いことではないという。
「most Americans want to show their individual tastes and preferences with their mask choices while most Japanese still wear the same white-color mask. 」
ほとんどのアメリカ人は自分の価値観や個性に合ったマスクを選ぶけど、ほとんどの日本人は同じ白色のマスクを付けている。
これは初耳だったけど、匿名制のツイッターより、実名を基本とするフェイスブックの方に高い人気のあったのは世界でアメリカだけらしい。
それにアメリカ人は喜怒哀楽の感情を顔で表現することが多いから、マスクをしていると相手の考えや気持ちが分かりにくくなってコミュニケーションに障害がおこる。
アメリカ人に比べれば日本人は感情を顔に出さないから、マスク着用によるコミュニケーション困難の度合いも低い。
3、アメリカは「自由」を大事にするから
「自由の国」として知られるアメリカでは、人びとは自分の権利や自由を制限されることをひどく嫌う。
「Some Americans naturally interpret the mask mandate as an attack on their freedom because it feels like they were being controlled and restricted. 」
一部のアメリカ人はマスクを付けるように言われると、自分の自由が攻撃を受けているように受け止める。
なぜならそれは、自分を統制・制限しているように感じるから。
それに対して日本でマスク着用は協力や連帯のシンボルと好意的に見られていて、「マスクは個人の権利や自由を侵害するか?」といった議論はなかった。
「アメリカ人から見た日本人のイメージ」といえば、感情を表にあらわさないこととルールに従順というのがむかしからの鉄板。
太平洋戦争中かその直前に、アメリカが国内向けに日本人がどんな人間かを伝えた動画でもそれを指摘している。
NHKの番組「映像の世紀」のキャプチャー
こう見てみると、アメリカには自由と多様性があって、いまそれが裏目に出てるという日本人の指摘はけっこう鋭い。
それこそがアメリカ人の強みだけど、疫病に対しては致命的なウィークポイントとなる。
逆に自己主張が苦手で協調性の高いことが日本人の国民性だけど、それも場面によってはプラスにもマイナスにもなる。
出る杭をのばすことにも、打つことにも一長一短がある。
とりあえずは「知る」ってことが大事ですね。
アメリカ人がマスクを嫌がる理由は他にある。
治安が悪くて人種差別行為がよくあり、犯罪者やKKKのような人種差別主義者は顔を隠すことが多いから、マスクをすることには悪いイメージを持つ人がいるとか。
くわしいことは上の記事をご参照あれ。
では最後に、いま知ったニュースを紹介しよう。
あるアメリカ人が、「市民にマスクを「強制」するのは、ナチスがユダヤ人にイエローバッヂ(黄色いダビデの星)を強制的に付けさせたことと同じで恐ろしい話だ」と言ったところ、ネットで大炎上したという。
こんな発想は日本人には出てこない。
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>それにしても1日で1600人て。
>太平洋戦争での最大の激戦のひとつ、硫黄島の戦いでも1日でそんなにたくさんは死ななかっただろう。
硫黄島の戦いでは、日本軍の戦死者が約18,000、米軍の戦死者が約7,000で、合計すると約15,000人。戦いが続いた期間はほぼ1ケ月ですから、これを30日と考えて単純平均すると、500人/日ですけど。それだと、1日で1,600人くらい戦死者が出た日も、ひょっとしたらあったかもしれないですね。
米国人のマスクに対する悪いイメージは、おそらく、KKK団の頭の尖った白い覆面が起原じゃないですかね。たとえば、漫画のチャーリー・ブラウンなんかに出てくる「悪さをする子供」のかぶる覆面と言えば、もう決まってそれです。あとは銀行強盗のかぶる目と口だけ見えているニットのマスクとか。
でもスパイダーマンやバットマンのように覆面のヒーローもたくさんいるんですけどねぇ。子供にはそういうのを真似させたらどうかな?
たかがマスクで「自由を奪われる!」などとそう大げさに考えんでもいいのに。
機関銃や戦車を使った戦闘でそれぐらいですから、もうコロナとの戦争ですね。
アメリカ人がマスクを嫌う理由に、「KKK団の頭の尖った白い覆面」というのがリンク先の記事にありました。
「顔を隠す」ということに何か本能的な抵抗を感じるみたいです。