知人のアメリカ人(30代の女性)は、以前、静岡県の小中学校で3年間ほど英語を教えていて、今は母国に戻ってジョージア州で生活している。
ちなみに、彼女が日本に興味を持ったきっかけは「キャラ弁」。
その超絶かわいいビジュアルを見て衝撃を受け、「この国についてもっと知りたい」と思ったらしい。
今回はそんなアメリカ人から聞いた話を紹介しよう。
ーーきょう7月7日、日本列島は沸騰して、静岡では40℃を超えたところもあります。
でも、SNSには「リニアの呪い」とか書かれているから、不快指数はもっと上がるんですけどね。
で、今そっちはどんな感じです?
40℃って…。
今日の最高気温は35℃でかなり暑いけど、その話を聞いて「がんばらなきゃ」って思えてきた。
ジョージア州はアメリカの中でも湿度が高い地域と言われているけど、日本の夏の“蒸し蒸し攻撃”に比べたら、まだマシだってことを思い出した。その話を聞けて良かった。
なんかありがとう。
ーーその感謝はうれしくないです。
でも、日本の夏はわりと地獄みたいですね。
最近、東京に住んでいるインド人もSNSに、「体が焼ける…」と書いていました。
ところで、「蚊」はどうです?
日本に住んでいたことがあって、今はイギリスにいるフランス人が「日本の蚊はアグレッシブで嫌だ」なんて言ってたんですよ。
あなたもそう感じました?
日本の蚊は、刺されるととすぐにかゆくなるのが特徴的だったから、彼はそのことを言ったのかもね。
こっちの蚊にはもう少し「時差」があって、刺されてしばらくしてからかゆみを感じる。
それに、日本の蚊はずうずうしい。
アメリカの蚊は、違和感を感じた時には、すでに肌から離れている場合が多いけど、日本の蚊はしぶとくて、腕や足で血を吸っている様子をよく見た。
だから、それを「最後の晩餐」にしてあげた。
ーーなるほど。
15年くらい前にスリランカへ行った時、あっちでは一般的に仏教が深く信仰されているから、蚊が血を吸っていても殺さないで、フッと息を吹きかける人が多いと聞きました。
日本人も一応は仏教徒ですけど、蚊を見たら瞬殺しますね。
私もやさしいから、蚊に痛みを感じさせない。
日本に比べると、アメリカでは虫が嫌われていて、虫を見つけたらすぐにあの世に送る人が多い気がする。
日本の蚊が攻撃的と言っても、かゆいだけでマラリアやデング熱はないでしょ?
いまアメリカの南部、アリゾナ、フロリダ、テキサス州ではデング熱が流行して大きな問題になっているのよ。
*デング熱にかかると、発熱、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔吐などの症状がでる。
通常は7日ほどで症状は収まるけど、まれに重症化するケースもあって、早期に適切な治療をうけないと死に至ることもある。
2019年に、日本国内でデング熱に感染したことが確認された。(デング熱について)
ーー日本の蚊は「うるさい&かゆい」ぐらいの雑魚キャラで、人に深刻な病気をもたらすことはないはないですね。
なんで今、アメリカではそんなことになっているんです?
地球温暖化の影響みたい。
デング熱の流行が北上してきて、そのうちジョージア州まで圏内に入りそうで不安なのよ。
ーー日本の夏は蒸し暑くて不快で、時には命にかかわるほど危険だけど、マラリアやデング熱の心配はないです。
たしかに。
それぞれ良いとこ・悪いところがあるから、どっちが住みやすいかは簡単には言えないよねー。
*後で調べてみたら、じつは日本もヤバいらしい。
毎日新聞の記事(2023/9/29)
温暖化で広がる「デング熱」リスク 新たな媒介生物侵入の恐れも
デングウイルスをもつ蚊(ヒトスジシマカ)は、温暖化とともに日本国内でも分布域が広がっていて、すでに青森県までがその圏内に入っている。
だから、専門家はこれから国内で、デング熱の流行が発生する恐れがあると危機感を募らせるという。
この「恐怖」についてはジョージアにいる知人と同じだ。
5年くらい前でしたっけ。東京の代々木公園で蚊に刺されてデング熱を発症した患者が何人も出たので、大騒ぎになって、蚊の生息状況に関する徹底調査や、東京都内各公園での大規模駆除作業などが行われましたよね。
あれ以来、「デング熱」という病名が日本国内でもよく知られるようになりました。
ことしは世界的にデング熱が流行しているようです。
日本でもそのうちニュースになりそう。