いつものようにアマゾンで買い物をしようと思って、検索エンジンに入力してこんな画面が出てきたから、上をクリックすると「ウイルスに感染しました!」というアラート画面になってビビった。
なんで詐欺サイトが本物より上位に表示されるかな。
詐欺集団は相手にクリックをさせるため、いろんなトラップを仕掛けることは知っていたけど、これにはやられた。
ルーティンでクリックする習慣は改めなきゃ。
みなさんもお気をつけあれ。
さて、今回の内容は30代のドイツ人男性から聞いた話。
彼は数年前まで日本の大学に留学していたから、日本の事情にくわしいし、日本語も理解できる。
そんな親日ドイツ人は日本の教育に興味を持ったようだ。
ーーこのまえメールで、日本の教育について聞きたいとあったけど、何かあった?
最近、留学時代に知り合った日本人女性の友だちと話をしていて、ビックリしたんだ。
彼女の高校の弓道部では、男性の先生が女子生徒の体に触れて、弓の打ち方を教えていたんだって。
ドイツの高校なら、異性の生徒の体に触れるなんて絶対NG。日本の学校ではそれがOKなの?
ーー高校を卒業してもうウン十年が過ぎたから、今の状況はわからないし、フレッシュな情報も知らない。それは基本的にダメだろうけど、「体に触れる」の内容と状況によって、OK/NGの判断も変わってくるんじゃないかな。
自信をもって言えるのは、別の人に聞いたほうがいいってことだね。
*最近、男性の学校医が中学3年生の女子生徒に、下着を脱がせて検診をおこなって問題になった。「検査の精度を上げるため」という言い訳は通用する気がしない。
日本の学校で体罰はどう?
ーーもちろんダメ。
でも、実際には学校や部活で体罰があって、その動画が流出してニュースになることもある。
ドイツはどんな感じ?
教師による体罰は厳禁されているから、一回でもしたらクビになるだろうね。
でも、それは最近の話で、私の両親の世代(おそらく40年くらい前)では、教師が生徒をたたくことはよくあった。
ーー昔は体罰が当たり前だったというのは日本も同じだ。
だから、ネットで「体罰も必要だ!」というコメントがあると、「だまれ昭和脳!」とリアクションが返ってくる。
東洋と西洋では、教育に対する根本的な考え方が違うかも。
「教」という漢字を分解すると、「大人が子どもにつえや棒でたたいて教える」の意味になるという説があるんだ。
それに対して、英語の「education」の語源はラテン語の「育てる」と「生み出す」の合成語で、子どもの才能を引き出して伸ばすという意味になるらしい。
*日本のサイトには、エデュケーションの語源は「引き出す」ではないと解説するものもある。英語のことは英語版ウィキペディアの説明が信頼できるので、くわしいことは「Education」で確認してくれ。
ーー遅刻の指導はどう?
日本では時間厳守で、ボクが中学・高校生のころは先生が校門に立っていて、カウントダウンをして時刻になったら容赦なく閉められた。
日本は遅刻に超厳しいから、1990年に神戸の高校でとんでもない悲劇がおきたこともある。
朝、遅刻ギリギリの女子生徒が走って校門をすり抜けようとしたら、先生が閉めた重さ約 230kgの鉄製の門に頭をはさまれて、頭蓋骨を粉砕骨折して死亡した。
はっ? なにそれ! そんなことが本当にあったの?
すごいショックだ。なんで学校でそんなことが起こるのか、まったく理解できない…。
ーーこんなことは例外中の例外で、後にも先にもこの一回しかない。
日本中が衝撃を受けて、校門指導や管理教育、校則など学校教育が全体的に見直されるきっかけになったんだ。
そうか。
でも、日本の電車が1分単位で正確に走る理由がわかった気がする。
電車が予定時刻より数十秒早く出発したら、あとで鉄道会社が公式に謝罪したというのは日本らしくて面白かったけど、その話はまったく笑えない。
ドイツでは、私の経験だと、まず中学校や高校に校門なんてなかったから、校門指導もなかった。
先生が教室にいて、遅刻した生徒は注意を受けたり、反省文を書かされたりする。
5分以内ならギリセーフで、それ以上ならアウトだったと思うけど、このへんの基準は先生によって違う。
注意をされて遅刻もくり返すと、校長と生徒&保護者で三者面談をする。
これはマズい状況だ。
最悪のケースとして、退学もありえる。
ーー中学校で退学があるんだ。
遅刻の指導は学校によって違うだろうけど、中学生でも追い出される可能性があるのはきっと全ドイツで共通している。
日本は違うの?
ーー日本では義務教育で退学はない。その点ではドイツの方が厳しいかな。
でも、実際のところ、教育的指導ですべての生徒を改善するのはむずかしいから、退学という「最終兵器」に魅力を感じる日本の先生もいると思う。
体罰を禁止されて退学という選択肢もないから、日本の先生は大変だ。
それでも、最近では「子どもの権利をもっと尊重しろ!」という声が増えている。
そういう傾向が強まると、子どもに何かあったらすぐに問題になるから、やる気をなくす教師が増えているらしい。
生徒が遅刻を何もしないし、授業中は、しゃべっている生徒に注意をしないで、終了時間がくるまでしゃべっているだけ。
そんなふうに先生があきらめモードになると、教師への敬意がなくなるから悪循環だ。
ーーこのところ、日本ではイスラム教徒の子どもたちが増えている。
ムスリムはアルコールや豚肉がダメで、しょう油やみりんなどの調味料にアルコールが含まれていたら、それが使われた料理も食べることはできない。
それで学校給食が問題になることがあるけど、ドイツではどう?
私の中学・高校では、生徒が弁当を持ってきたり、学校で食事を買ったりしていて、全員が同じメニューじゃなかったから、そういう問題は起きないと思う。
ーー子どもや親が食事を決めるなら、日本のような「給食問題」はないだろうね。
ドイツには移民が多いし、多文化共生が進んでいる。
だからといって、問題がないってこともない。
イスラム教徒の子どもたちは、先生が女性だと軽く考え、名前を呼ばれても無視することがあるということをメディアの記事で読んで考えさせられたんだ。
こういう価値観の違いに起因する問題は解決がむずかしい。
ーー「進んでいる」というのは、問題が無くなるということではなくて、別の問題を抱えているということか。
だからといって、問題がないってこともないんだ。
イスラム教徒の子どもたちは、先生が女性だと軽く見て、名前を呼ばれても無視することがあるという話を聞いた。
宗教的な価値観の違いを原因とする問題は、解決がとてもむずかしい。
ーースイスでイスラム教徒の男子中学生が宗教上の理由から、女性教師との握手を拒否して問題になったことを思い出した。
「進んでいる」というのは問題が変わるということで、問題が無くなるということではないのか。
これは悩ましい。
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