まずは、最近あったコワい話から。
このところ、右耳が聞こえづらいな〜と思っていたら、突発性難聴の話を聞いて震えた。
原因不明のこの病気は時間との勝負で、発症したら10日以内に治療を開始しないと完治は期待できないらしい。すぐに耳鼻科医へ行ったら、「耳垢がたまっているので取りますね」と言われ、右耳にクリアな音が戻ってきた。耳そうじで、綿棒を強く押し当てるとこんなことが起こるらしい。
今回は良かったけど、耳が聞こえづらいと思ったら、すぐに医者に診てもらった方がいいですよ。
さて、ここからは知人のアメリカ人女性から聞いた話。
彼女は日本の学校で英語を教えていて、いまは母国に戻って元気に働いている。このまえそんなアメリカ人と話をしたので、今回はその内容を書いていこう。
ーーきょうは月曜日だけど、仕事は休みなんだ。平日休みがあると、日本ではその特権を利用して、安いランチを楽しんだりするけど、あなたは何か予定がある?
もうすぐハロウィンだから、きょうは義母と銀行でお金を降ろした後、「ホームインプルーブメントストア」へ行って、その飾りを買いに行く予定。
「ホーム インプルーブメント ストア」って日本では何て言うんだっけ?
ーー日本語では「ホームセンター」や「DIYショップ」でOK。でも、アメリカ人にこの表記はNGらしい。
日本に住んでいたアメリカ人が看板の「DIY」の文字を見て、「何かエラそうだな」と言った。すべて大文字だと、「おまえが自分でやれ!」と命令されているみたいに感じるから、客商売で使っていい言葉じゃないと話していた。
まあねえ、ぜんぶ大文字だと怒鳴っている感じがして、相手に対して失礼になるから。でも、それは日本語だから私は気にしなかった。
そんなことよりも、私としてはお金を下ろすことに不満があった。
日本にいたとき、どのコンビニにもATMがあったのは便利だったけど、お金を引き出すと、自分の銀行でも手数料を取られた。あれは何ゆえ?
大した金額じゃないけど、地味にイラッとする。
ーー日本では水と安全はタダだけど、ATMを維持するにはコストがかかるから(それはアメリカも同じでは?)。無料になる時間帯と場所を選ぶか、そういう契約をするしかない。
ーー日米では、ハロウィンの過ごし方が違うと聞いた。日本のハロウィンは主に大人がコスプレを楽しむ日だけど、アメリカでは子どものための日で、近所の家からお菓子をもらうことが主な目的になっていると。
仮装した子どもたちが家のドアをノックして、「トリック・オア・トリート」と言ってお菓子を出すかイタズラされるか、住民に二者択一をせまる。
いや、ハロウィンはもっとかわいい日だから。
アメリカでは、ハロウィンの楽しみ方は人それぞれね。
うちの近所の人はコスプレなんてしないけど、創意工夫をして家の飾り付けを楽しんでいる。ハロウィンの日が待ちきれなくて、9月の終わりごろから、自宅を墓地に見立てて、墓石やガイコツをいくつも飾っている家もある。
義母は60歳を超えているけど、今年のハロウィンは2メートル超えのでっかいガイコツを中心にして、いろんな飾りで家をデコレートするつもりみたい。
いま、ホームセンターへ行くと、そんなアイテムが「これでもかっ」というくらいに並んでる。
ところで、ハロウィンは死者がこの世に戻って来る日だから、これって日本のお盆と同じだよね?
ーーイグザクトリー。でも、そんな考え方に基づいた行事は、中国や台湾では「中元」、メキシコなら「死者の日」とほかの文化圏にもある。
日本ではお盆になると地獄の門が開いて、死者が生きている人の世界へやってくることになっている。
お盆では、死者の魂は精霊馬に乗って現世に来て、メキシコの死者の日では、マリーゴールドが死者に正しい行き先を教えてくれる。
あいみょん好き。
ーーじゃあ、今度は「精霊流し」も聴いてみて。
最近、ポーランド人と話をしていたら、ハロウィンとキリスト教は関係ないから、真面目なキリスト教徒ほどあれは「異教の祭り」で、むしろ反キリスト教的(悪魔的)と怒っていると聞いた。
まあね、聖書にそんなこと書いてないし。
フランスやドイツに比べたら、アメリカはキリスト教の影響が強い国だけど、ポーランドほどじゃない。
ーーポーランドにはクリスチャンの「ガチ勢」が多いと。
死者の魂がどこかの世界に存在していて、特定の日に戻ってくるという考え方は、キリスト教的にはおかしい。それは、キリスト教が伝わる前にヨーロッパにあった信仰の考え方でしょ。
ーーそう、ハロウィンの元ネタはそんなペイガニズムとされている。
はるか昔、イギリスの一部では、地上をさまよう亡者を満足させる(鎮める)ために、食べ物や飲み物を与えることが行われていて、それが現在のトリック・オア・トリートになったという説もある。(Trick-or-treating)
日本のお盆でも、死者を喜ばせるためにお供え物をするから、基本的な考え方は同じだ。
亡くなった人に会いたいという思いは共通していて、その表れ方が国や文化によって違うと。
ーーきっとそういうこと。
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