アジア人や欧米人、アフリカ人など、日本へ来た外国人がよく感心するのが日本人のマナーの良さだ。
路上にゴミが落ちていないから街はキレイだし、駅では乗客がきちんと列に並んでいるから、混雑していてもスムーズに乗り降りができる。
しかし、日本には聖人しかいないわけではない。
治安の良い日本でも盗難や殺人事件が起こるように、常識や良識を持ち合わせていない人もいる。
そんなマナーの良さを分ける基準のひとつに「カネ」がある。
新型コロナの流行で大ダメージを負った観光業界を支援するために、政府が「Go To トラベル」キャンペーンを打ち出した。
国内旅行が最大で半額になったから、この大ききな波に乗って旅行に出かけた人は本当に多かった。
コロナ禍の地獄を生き抜いた旅館やホテルにとっては、こうしたキャンペーンや客が「干天の慈雨」になったことは間違いないが、それが終わり、今になって振り返ると問題や課題が出てきた。
現実的な話、料金と客の「質」は比例している。
ファーストフード店では、子どもが叫びながら走り回ることも珍しくないが、コーヒー1杯で800円以上する店なら、静かで落ち着いた雰囲気を楽しむことができる。もちろん、これは確率の話。
「GoToトラベル」で宿泊代が最大で半額になったから、せっかくの機会に、あこがれだった高級ホテルや旅館に泊まった人も多かった。
その結果、ホテル側からすると、客層が明らかに変化したと感じたという。
あるメディアがそれを取り上げ、辛辣(しんらつ)に批判する記事を載せていた。
それによると、「GoTo」の客層は全体的にマナーが悪く、備品のドライヤーやバスローブなどを盗む、大声で騒ぐ、子どもが走り回る、部屋を汚すといった困った事態が多発した。それで観光業界では、インバウンドでやって来た外国人客のほうが「質」は良かったとささやかれているという。
「高級」の条件は書いていなかったが、ネットを参考にすると、一泊3万円以上のホテルや旅館だと思う。ただ、この記事ではホテルの被害をかなり強調していて、「盛ってる感」はああった。
しかし、結果的に、「GoToトラブル」になった事例があったことは間違いない。
これにネット民の感想は?
・安いからと言って泊まりに行くとDQN客とかいるから
そういう時期には行きたくない
・強盗トラベルキャンペーンwww
・それプラス地域クーポンで晩飯タダに無料朝食付きだったから、賃貸に住むよりホテル暮らしの方が安かった。
・巨額の血税つぎ込まれておきながらこのいいぐさ
・gotoのおかげで客数を増やすより金持ちを増やした方がいい、金がない貧困層は出入りおことわりって、今のビジネススタイルに落ち着いちゃった感ある。
「GoTo」で、かつてない最高級のホテルに泊まった客は、そこがとても気に入ったとしても、夢から覚めたら(通常料金になったら)、きっと泊まることはない。
「これが最初で最後だ!」という気持ちになって、一線を越えた人もいたと思われる。とはいえ、トラブルがあったとしても、ホテル側は全体的には利益を得ただろうし、今回のキャンペーンで進むべき方向性(客層)も見えたはずだ。
以上の話を(ボクなりに)総合すると、日本の庶民のマナーの良さは、日本旅行で高級ホテルに泊まる洗練された外国人よりも低い。しかし、国民全体を見れば、やっぱり世界でもトップクラスだ。海外で同じキャンペーンをしたら、こんな程度の事態では済まない自信がある。
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