【夏長すぎ】日本とバングラデシュの季節、同じ変化と不安

 

最近、プチ不幸が起きた。
10月下旬のある日、『ガリガリ君』を買って、車のダッシュボードに置いて家に着いた後、それを冷蔵庫に入れ忘れてしまったことを、次の日の朝、『ガリガリ君』が『ビシャビャ君』になっているのを見て気がついた。
こうなった原因の一つに、地球温暖化の影響がある。

日本人は季節によってアイスの好みが違う。
バニラは一年を通じて安定した人気があり、夏はさわやかなソーダ、冬には濃厚なチョコレートやクッキー&クリームの味が人気だ。食感も重要な要素で、夏はシャリシャリのかき氷系、冬はなめらかなアイスクリーム系のものが売れる。
この傾向は以前からあったけれど、2023年の夏に“異変”が発生。
前年の同じ月に比べ、かき氷の売り上げが7月に347%、8月には329%と2カ月連続で3倍を超えて爆発的に売れた。理由はもちろん、夏が暑く長くなったせいだ。
地球温暖化がなかったら、きっとあの時ボクは値段が高くて容量の大きいカップアイスを買っていたから、車に置き忘れることはなかった(たぶん)。

 

木の棒と液体となった『ガリガリ君』
R.I.P

 

最近、バングラデシュ人とコスモスを見に行って、いろいろな話をしたので、これからその内容を書いていこう。

ーーコスモスは漢字で「秋桜」と書いて、日本では秋を象徴する花になっている。でも、バングラデシュでは冬の花なのか。季節がひとつズレている。

バングラデシュは全体的に日本より暑いですから。それに季節が6つあるんです。

ーー知ってる! 日本人の感覚だと、四季以外の2つの季節が想像できなくて、最初に聞いたときは驚いた。

ですよね。外国人のそういう反応が楽しみなんですww
バングラデシュ人も日常生活では西暦を使いますが、伝統行事はベンガル暦というカレンダーにしたがって行います。ベンガル暦では、夏、雨期、秋、晩秋、冬、春の2カ月ごとに6つの季節があります。

ーーなるほど。日本でも昔は、1年を24の季節に分けた「二十四節気」や、72に分割した「七十二候」という暦を使っていた。

えっ! 1年が72の季節に分けられるのですか!

ーーイグザクトリー。リトアニア人も七十二候を知って、「それは本当に“季節”なのか? ヨーロッパとは概念が違う」と驚いていた。
外国人のそういう反応が楽しみなんですww

 

 

ーーバングラデシュでコスモスが冬の花になっているのなら、バングラデシュの冬は日本では秋に相当する。それなら、バングラデシュに住む日本人にとっては、きっと冬が一番過ごしやすい。
ボクの感覚からすると、雨期は分かるとして、秋と晩秋の違いが分かりにくいのだけど、秋(autumn)と晩秋(late autumn)にはどんな違いがあるの?

秋は8月の中旬から始まるからまだ暑いんです。晩秋になると涼しくなるから、「冬が近いな」と感じますね。熱くも寒くもないから、どこかへ出かけるにはちょうどいい季節です。
目に見える変化としては、晩秋にお米を収穫します。

 

*「そういえば、日本で秋と晩秋は何が違うんだ?」と思って調べてみた。
二十四節気によると、秋は初秋(8月8日ごろ~9月7日ごろ)、仲秋(9月8日ごろ~10月7日ごろ)、そして晩秋(10月8日ごろ~11月6日ごろ)の3つの段階に分けられる。
8月から秋が始まるのはベンガル暦と同じだ。
3つの秋の気温を漢字一文字で表すと、初秋は「涼」、仲秋は「冷」、晩秋は「寒」になるらしい。

 

バングラデシュでは最近、地球温暖化の影響で夏が長くなったせいで、晩秋と春が削られて季節は4つになったと言われているんです。

ーーそれは日本も同じだ。
温暖化のせいで季節は夏の「一強状態」になって、秋と春が侵略されて、季節は「二季」になったという声がある。
日本は経済大国としての地位をドンドン失っているけれど、豊かな四季と安全は世界に誇ることができていた。なのに、最近は治安が怪しくなって、四季まであやふやになってきた。このままだと、日本が世界にアピールできるものがなくなってしまう。

季節が減るのはまだいいんです。問題はデング熱ですよ。温暖化のせいでバングラデシュでは、デング熱にかかる人がめちゃくちゃ増えたんです。

*デング熱は蚊が運ぶ病気で、発症すると熱や痛みが出てきて、最悪死亡する。地球温暖化が大きな原因で、2023年にバングラデシュでデング熱が大流行し、10月末までに前年1年間の約5倍の1300人以上が死亡し、「史上最悪」と言われる事態になった。

 

ーー地球温暖化のせいで、日本では夏がさらに暑く長くなると、マラリアはいいとして、デング熱の感染リスクが高まるという話がある。
日本の季節は四季から二季になりつつあって、半袖Tシャツでいられる期間が延びた。経済的には助かるけれど、気候は全体的にバングラデシュや東南アジアの国に近づいている。

バングラデシュなんて未知のゾーンに入っていますよ。

 

ことしの夏、毎日新聞に「デング熱、過去最悪の大流行 日本でも「輸入症例」が2.8倍に」(2024/7/11)という記事があった。海外でこの病気に感染し、それに気づかないで帰国する人が増えている。この恐ろしさは、ガリガリ君の液状化とは比べものにならない。
でも、気温が上がっても、日本でマラリアの心配はしなくてもOK。
環境庁がそんな都市伝説を「マラリアは、温暖化によって 新たに日本に侵入する感染症ではありません!」(地球温暖化と感染症)と否定している。

 

 

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日本にいるムスリムの主張 「犯罪行為は“神の意思”じゃない」

【謎ルール】日本でポニテ、イスラム教で素肌を“禁止する”ワケ

日本に住むイスラム教徒から見て、「絶対ダメ!」なこと

在日イスラム教徒の視点 日本人と韓国人では“ココ”が違う

 

2 件のコメント

  • マラリアやデング熱は、この先、おそらく日本でも一般的な感染症となってしまうでしょうね、残念ながら。日本人だった殺虫剤を撒くことにも(場所を選べば)さほどの抵抗はないでしょう。
    ですが、バングラデシュには、日本の「蚊取り線香」を持って行くことを勧めます。人体には無害、(標準器具を使えば)火災の可能性は皆無、殺虫・除虫効力は抜群で持続効果も高い。
    南アジアの人は、何が何でも蚊取り線香を土産として大量に買い込んでいくべきです。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。