日本が韓国を保護国にした理由、今も目が離せないワケ

 

尹大統領がきのう非常戒厳を宣言して、韓国社会は大混乱に陥(おちい)った。
他国から攻め込まれるといった非常事態が起きたとき、韓国では社会の秩序を守るために、大統領が戒厳を宣言することが憲法で認められている。
大統領の名のもとにこれが出されると、政治家が国会で政治活動をすることや国民が集会やデモをすることが禁止され、メディアも統制を受けることになる。違反する人がいれば、令状なしに逮捕することも可能。
韓国で前回、非常戒厳が宣言されたのは、1979年に朴大統領が暗殺されたときで、87年に民主化宣言が出されてからは初めてだ。
ただ、尹大統領は6時間後にそれを高速撤回した。

 

きのう隣国でこんな驚天動地の出来事が起きたから、きょう(12月5日)も日本のツイッター(X)トレンドには「尹大統領」「民主主義」のワードが上がっていて、「韓国には民主主義が根付いていない」と書き込む人もいれば、「いや、日本の方が危ない」と反論する人もいる。日本の大手メディアの反応を見ると、国家権力者が市民の自由や権利を制限する非常戒厳を「民主主義の否定」ととらえ、ボクが見た限りでは、すべての新聞が尹大統領を非難している。

尹氏は戒厳令を出した理由について、「北朝鮮の共産勢力の脅威から韓国を守る」と述べた。しかし、韓国の政治がカオス状態になった現状は、そんな「北朝鮮に従う反国家勢力」にとって絶好のチャンスになるだろうし、彼らは自分の利益のために韓国社会の混乱を利用するはず。
今の日本の立場を代弁しているのは、今朝の読売新聞の社説だ。(2024/12/05)

韓国の内政が大混乱に陥れば、日韓関係はじめ東アジアの安全保障環境に悪影響を及ぼすのは必至だ。事態を憂慮する。

韓国「戒厳令」 強権が招いた混乱を憂慮する

 

北朝鮮は以前から核・ミサイル開発を進めていて、最近はウクライナ戦争でロシア側について軍を派遣した。北朝鮮がロシアとの関係を強固にして軍事的な支援を受けることや、北朝鮮軍が実践経験を積むことは、韓国にとって大きな脅威となる。
それは日本も同じだ。今こそ日米韓の同盟関係を強化しなければならない。そのはずなのに、韓国が大混乱に陥ったため、日本は自国の安全保障のためにも深く憂慮している。
不測の事態が起こりかねないため、政府や自衛隊に「警戒を怠るな」と呼びかけるメディアもあった。韓国で非常事態が起きれば、日本は警戒態勢を強化することになる。

 

日本にとって隣人である韓国の動きには昔から目が離せない。
現在の韓国では、日本が韓国を保護国にした1905年の第二次日韓協約を「亡国」とする見方がある。この動きを後押ししたのは、日本とアメリカが結んだ「桂・タフト協定」だ。
この協定を締結した外務大臣の桂太郎はこう主張している。

「もし大韓帝国政府が単独で放置されるような事態になれば、再び同じように他国と条約を結んで日本を戦争に巻き込むだろう。従って日本は、大韓帝国政府が再度別の外国との戦争を日本に強制する条約を締結することを防がなければならない」

当時の日本側からの意見だが、韓国政府が自分たちの利益を優先し、その時々の強国と関係を深めてその勢力を引き込んだから、日本は日清・日露戦争に巻き込まれてしまった。だから、もう韓国に好き勝手なことをさせないように、日本が外交権を奪って保護国にした。
もちろん、現在の韓国民はこの見方を全否定して、「日本が侵略戦争を起こしたんだろ!」と怒るはずだ。
第二次日韓協約によって、日本の韓国支配が確立した。それに賛同した李完用など五人の閣僚は、現在の韓国で「乙巳五賊(いっしごぞく)」と呼ばれ、親日派(=売国奴)の象徴として忌み嫌われている。

 

日韓はあまりにも近いから、韓国での動きは日本にも大きな影響を与える。
第二次日韓協約の後、初代韓国統監となった伊藤博文はこう話した。

「近年の日韓両国関係は、ほとんど極東の天地を震動させるほどでした。日本は韓国と、地理上および政治上に特別な関係を有し、ひいては列国からの干渉を惹起して、そのためわずか十年の間に二度の戦争を経験し、その戦争のために大変な損害を蒙って、ようやく今日に至って韓国問題を形式的に解決することが出来た」

「日本の側から見れば、日本は韓国に関して非常に苦しい経験をしたと言えるでしょう」

「日本による保護は、韓国の独立に危害を与えるものでないことを覚らせ、日本は日本の独立を保全するために、やむを得ず韓国を保護するのであって、決して害意はない」

 

現代の韓国民にとっては大変失礼ながら、当時の日本にとって韓国は日本を悩ます「問題児」だった。だから、日本が外交権を奪って管理下に置くことで、韓国問題を形式的に解決することができたと伊藤博文は考えた。
その一方で、彼は独立を奪われた韓国の人たちの気持ちを考え、「日本に喜んで従うわけがないでしょう」と述べ、韓国にいる日本人には「彼らを侮辱し、騙すことは、決して我が陛下の大御心ではありません」と韓国人の心情や立場を尊重するよう訴えている。

 

伊藤博文は朝鮮半島で政治や社会の混乱が発生することは、「日本が生存していく上で容易な問題ではない」と言った。この事情は今も同じで、「戒厳ショック」にある韓国を対岸の火事として見ているわけにはいかない。かといって、また韓国を保護国にするという選択肢は絶対にありえないから、今の日本に何ができるかは分からない。
日本の安全保障のためにも、韓国が政治的に落ち着き、早く強固な日米韓の連携体制を築いていくことを期待するしかない。
しかし、次に韓国大統領になりそうな李在明(イ・ジェミョン)氏は、過去に「日本が分断されるべきだった」と言ったり、米軍を「占領軍」と呼んだりして、“反日・反米”的な人物とされている。
日本は今も昔も自国の生存、安全保障のために韓国の動きから目を離すことができない。

 

 

韓国 「目次」 ②

韓国 「目次」 ③

【韓国の渋沢栄一】130年の日本人が感じた朝鮮経済の停滞

優秀な遺伝子?韓国人で好き嫌いが分かれる「クッポン」

【鬼神信仰】19世紀の韓国で、英国人と日本人が感じたこと

日本人から見た韓国人 130年前からある「誇張表現」

 

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コメント

コメント一覧 (3件)

  • もし、日本が共産化されれば、韓国は中国-ロシア-日本に囲まれ、孤立無援状態になるでしょう。 ひどいです。韓国は日本が自由民主主義国家なので、巨大な中国共産党、そしてほとんどの傾向は同じようなロシアが隣にいても大きな脅威を感じません。韓美日の連携は、だからこそ重要なのです。過去に日本が感じたはずの朝鮮の問題を十分に理解しています。

  • まったく、尹大統領も最悪の時期に最悪の選択をしてくれたものです。
    というのも、米国では「アメリカ第一主義」を唱えるトランプ大統領が、年明けに就任することが決定しているからです。李大統領とトランプ大統領との組合せなんて、もう悪い予感しかしません。
    今後、一番恐れるべきなのは、
    「トランプ:もっと金を出さないと在韓米軍を引上げるぞ!」⇒「李:どうぞお好きなように、韓国は自主防衛の道を進みます」⇒「韓国民:在韓米軍は引き上げろ!韓国も核保有だ!」⇒「トランプ:分った、そうさせてもらう、核兵器が欲しけりゃ自分で開発しろ」
    となってしまうことです。
    もしも本当に在韓米軍が引上げたりしたら、日本に対する米国からの在日米軍駐留経費と防衛費の大幅増額要求は避けられません。それだけで済めばともかく、防衛力が皆無の状態で韓国が放置されれば、北朝鮮が南進の誘惑を抑えきれず、そうなれば背後の中国・ロシアも見て見ぬフリをするでしょう。下手すればその時の混乱に乗じて、中国共産党が台湾への進行を始めるかもしれません。そうなれば東アジアは、もはや中東やウクライナ国境にも近い戦乱状態が目前です。また仮に韓国が本当に核兵器を持ったりしたら、それをどちらに向けて使おうとする(と言って脅しにかかる)ことやら・・・。それで万一韓国が占領されたりしたら、その核兵器はどこの国に渡ることになるのか?(おそらく米国も中国もロシアも黙ってはいない。)

    そんな最悪の事態を招かないよう祈るばかりです。日本は、米国側からの要求があろうがなかろうが、今から防衛力増強の方向へ舵を切るべきだと思います。(日本にとって)最悪の事態を避けるために。

  • そうです。
    日韓は安全保障の利益が一致しています。だから、これからの韓国が不安になります。

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