先日、イギリスの公共放送BBCが世界に影響を与えた「今年の女性100人」を発表し、日本からは渡辺直美さんと鈴木由美さんが選ばれた。
タレントの渡辺直美さんは女性コメディアンとして、男性中心だった日本のお笑い界の壁を破壊したことが評価され、鈴木由美さんは不妊手術を強制された人々の先頭に立って、正義のための戦いを行ってきたことが選ばれた理由となっている。
さて、友人のイギリス人女性は千葉と静岡に住んでいたことがあって、今は母国に戻ってケンブリッジ市にいる。そんな彼女から東京とロンドンについて話を聞いたので、これからその内容を紹介しよう。
ーーこの前、「世界で最も魅力的な都市」で東京がナンバーワンに選ばれた(ちなみに昨年は3位)。
東京の魅力ってどんなところだと思う?
私にとって東京の魅力は行くところがたくさんあって、まったく飽きなかったこと。千葉では東京のすぐ近くに住んでいたから、週末になるとよく買い物や遊びに出かけていた。
銀座、新宿、渋谷、浅草などが独自の特徴を持っていて、それぞれの魅力も違う。東京ではすぐに新しいものが生まれるし、娯楽もグッズも何でもあって、刺激的なところが好きだった。
ーーなるほど。
ロンドンもそんな感じだと思うけど、どんなところが違うと思う?
私がロンドンに住んでいた経験から言うと、全体的に東京よりも汚いし、治安も悪い。でも、緑はロンドンの方が多いと感じた。
それと、国際色ならロンドンの方がずっと上ね。
ーー東京は日本一の国際都市だけど、ロンドンには遠く及ばないと。
だって、背景や歴史が違うでしょ。
大英帝国の時代、イギリスは世界中に進出して植民地をつくったから、そうしたところを中心に、世界中から移民がやってくるようになった。現在のロンドンに住んでいるのは、白人よりもアジア、アフリカ、カリブ諸国など外国にルーツを持つ人たちの方が多い。
ーー確かに歴史的には、大英帝国と日本じゃ正反対だ。
大英帝国は黄金期には全世界の陸地に支配地があって、人類の4分の1を支配下に置いた。帝国領内ではいつもどこかは昼間だったから、「太陽の沈まない国」なんて通り名もある。
モンゴル帝国を上回り、世界史上最大の面積を持っていた大英帝国と、“鎖国”をしていた日本とはまったく違う。
世界各地からやってきた人たちは、ロンドンに均等に分かれているのではなくて、特定の地区に集中的に住んでいる。だから、食事はその国の本場のものを食べることができるわけよ。それがロンドンの大きな魅力。
ーー東京の場合、銀座、新宿、渋谷、浅草と特徴が違っても、いちばん多い住民は日本人で、日本人が中心になってその地区をデザインしている。ロンドンほどの多様性はないね。
今のロンドン市長はパキスタン系のサディク・カーンさんだけど、日本でイスラム教徒の都知事が誕生するとは思えない。
でも、ロンドンの食事は、値段が高い割には質がイマイチのものが多い。食事なら、平均的には東京の方がロンドンよりも満足度は高かったな。
以下、ロンドンについて調べてみた。
まず、国会議事堂や首相官邸のあるウェストミンスターは政治の中心地で、東京なら千代田区に相当する。
ロンドン南部のブリクストン地区には黒人が多く住んでいて、「ロンドンの黒人文化の中心地」、「ブラックブリテンの故郷」とも呼ばれている。
ほかにも、イタリア人移民が多い地区、ナイジェリア人やインド人などが多い地区、トルコ人やギリシャ人が多い地区などがある。
面白いと思ったのは、日本人(Japanese)とユダヤ系(Jewish)の人が多く住む「JJエリア」だ。
ここには、もともとユダヤ人が多く住んでいた。
日本人とユダヤ人の“コラボ”が生まれた理由としては、「日本人は部屋を汚さないし、お金も遅れることなくしっかり払ってくれる」という評判が広まり、ユダヤ系のオーナーが日本人を歓迎し、積極的に部屋を貸したことにあるらしい。
現地情報によると、今でもJJエリアには日本人の住民が多いから、日本料理店が多く、日本の食材も手に入れやすい。
本日のまとめ
同じ島国でも、大英帝国の時代に積極的に海洋進出をしていたイギリスと、「西洋の船が近づいてきたら、砲撃をして追っ払え!」と幕府が異国船打払令を出した日本とでは、まったく別の歴史を持っている。だから、現在では多様性において大きな違いが生まれた。
ロンドンの場合、黒人文化を体験したかったら、ブリクストン地区へ行けばいい。同じように、イタリア文化、インド文化、トルコ文化などに触れられる地区がある。
新大久保は「韓国文化の聖地」だけど、銀座、新宿、渋谷、浅草などに特定の人種や民族の特徴は見られない。
東京とロンドンでは、地区ごとの個性の中身が大きく異なっている。
イギリスと言うかロンドンの特徴として印象に残っていることは、うーん申し訳ないが、食い物がマズイことですね。どこへ行ってもキャベツの漬物(ザワークラウト)とジャガイモを手変え品変え食べさせられることに閉口しました。でもまあ、ビールはそこそこか(それでも日本の方が旨い)。原料に米を使っているから日本のビールはニセモノだ!なんて意見もあるが、旨いものは旨いのだからしょうがない。因みにこれ、知人のアメリカ人も同意の意見です。
スコットランドのスコッチは流石に本場だけあって美味かったです。それと、アイルランドのアイリッシュ・ウィスキーも美味かった。スコッチに似ているのですが、微妙に違う。
酒ばっかりだな。