バングラデシュ人が日本で感じたこと 性格の違いや共通点、驚いたことなど

ベンガル人の詩人で思想家のタゴールは1913年、アジア人として初めてノーベル賞(ノーベル文学賞)を受賞した。タゴールは5回も来日したことがあり、日本人と接して次のように感じた。

「かつてこの国におけるほど、人間らしいものの存在をはっきり感じたことはだだの一度もありませんでした」

ソース:日本バングラデシュ協会のHP「タゴールの日本文明論と世界平和

バングラデシュはインドとミャンマーの間にあって、国名は「ベンガル人の国」を意味する。最近、日本に住んでいる2人のバングラデシュ人と一緒に桜を見に行って、いろいろな話を聞いたので、これから、彼らが日本で感じたことを中心にその内容を書いていこう。

 

日本でくつろくタゴールさん(1916年)

 

ーーバングラデシュでは日本についてどんなイメージがある?

バングラデシュでは日本車の中古車の人気がとても高い。他の国の車に比べて、中古車でも状態が良いから、国民は日本製品や日本人を信頼している。

 

ーー日本で生活していて「いいな」って思うことは?

バングラデシュでは、一部の過激なイスラム教徒がヒンドゥー教徒を攻撃することがある。最近も、そんな集団がヒンドゥー教徒の家を襲撃する動画を見て、本当にウンザリしたんだ。日本は平和で、宗教の違いを原因とする争いが起こる気配がないから、安心している。

*ヒンドゥー教徒がこの話をしているとき、隣のイスラム教徒はノーコメント。

 

ーー逆に日本で「やだな」と思うことは?

物価が非常に高いこと。バングラデシュで生活していたとき、4月ごろなら、トマト1キログラムを10円ほどで買っていたのに…。

 

ーー日本で驚いたことは?

日本人は優れた製品を作ることができ、国民の教育レベルは高いはずなのに、英語を話せる人がほとんどいないことに衝撃を受けた。

 

ーーほかに日本で生活していて感じたことは?

バングラデシュの薬に比べて、日本の薬は効果が低いと感じた。調べてみたら、バングラデシュの薬には、日本の法律で禁止されているような原料が使われていることがわかった。それで強い効果があるのというのは、良いことなのか悪いことなのか、複雑な気持ちになる。

 

メヘンディ
ヘナという植物のペーストで肌に模様を描いたり、肌を染めたりするボディアートで、バングラデシュ人やインド人の女性がよくしている。

 

ーー日本とバングラデシュの共通点は?

バングラデシュの食文化は日本と同じで、お米がベースになっている。日本で行われる収穫を祝う祭り(神嘗祭など)はバングラデシュにもあって、それは「ナバンナ(Nabanna)」と呼ばれている。

 

ーー日本では桜が咲くと「春が来たな」と感じる。バングラデシュでは?

バングラデシュには6つの季節があって、3月〜4月になると暖かくなり、カラフルな花が咲き始めて街の雰囲気が明るくなる。そのときに冬が終わって、春が始まったと感じるね。バングラデシュの花には匂いがあけど、日本の花にはそれを感じない。

*バングラデシュの季節は独自のカレンダーに基づいて、夏(4月中旬~6月中旬)から2か月ごとに雨季、秋、露季、冬、春と移り変わる。

私はカッコウを見たり、鳴き声を聞いたりすると「春が来たな」と実感する。

*日本で春を告げる鳥はウグイスで、バングラデシュではそれがカッコウになるらしい。カッコウは日本へは5月ごろにやって来て、「夏鳥」とされている。
ちなみに、店に客がいなくて寂れた様子を日本語で「閑古鳥が鳴く」という。この閑古鳥とはカッコウのこと。昔の日本人はカッコウの鳴き声を聞くと、寂しさや虚しさを感じたのか?

 

ーーバングラデシュ人と日本人の性格はどんなところが違う?

バングラデシュ人はとてもフレンドリーで、初対面の人にもよく話しかける。一方、日本人はシャイで、なかなか目を合わせない。それに、バングラデシュ人は自分から積極的に相手を助けようとする。日本人の場合は頼まれると助けてくれるけど、できるだけ他人と関わりたくないように見える。

 

ーーバングラデシュについて自慢できることは?

バングラデシュには芸術的な才能や豊かな文化があること。バングラデシュ人が作る織物は有名で、アジア人として初めてノーベル賞を受賞したタゴールは世界的に尊敬されている。インドとバングラデシュの国歌を作曲したのもタゴールだ。

*1970年にバングラデシュが独立を求めてパキスタンと戦争をした際、タゴールが作詞した『我が黄金のベンガルよ』がバングラデシュ解放軍に歌われ、独立後に国歌として採用された。

 

ーーバングラデシュについて恋しく思うことは何かある?

日本に住むようになってから、「雨」を懐かしく思うようになった。バングラデシュでは雨が降ると、外でサッカーをすることがよくあって、それがとても気持ちよかったんだ。バングラデシュの雨は激しく降るから、それが水たまりを叩く音も好きだった。日本の雨はおとなしくて何か物足りないし、冷たいから外に出たいと思わない。

それと、バングラデシュでは雨が降ると、「キチュリ(khichidi)」を食べることが多い。キチュリは豆と米を煮てスパイスで味付けしたお粥のこと。昔は雨が降ると、お年寄りは外に出ないで、家でキチュリを作っていたから、「雨の日の食べ物」というイメージができたのだと思う。

*日本で雨の日の食べ物というと、コロッケ?

 

 

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