慰安婦問題を金もうけや反日活動に利用する韓国の支援団体

 

時どき、難病をかかえた子どもへの寄付を呼びかけるメッセージを見る。

「1歳の赤ちゃんが~病という大病をかかえていいます。治療のためにアメリカへ行って手術をしなければならなりません」

その子を支援するために会を結成した人たちが、そんなメッセージをSNSで送っている。
このブログの記事では、寄付をお願いする行為については書かない。
こうした支援団体は、「~ちゃんを助ける会」や「~ちゃんを支援する会」といった名称をつけることが多い。

 

もしこの団体の目的が、この赤ちゃんが手術をうけるために必要な金額を集めることなら、その金額が集まったら解散するはず。
その目的のためにつくられた団体なんだから。
目的を達成したあとも、その会を続ける意味はない。

 

ここからは「もしも」という仮定の話。
もし、この団体が寄付を集めることで「お金をもうける」ことでできて、その寄付金のなかから自分たちの利益のためにお金をだしていたらどうだろうか?

「赤ちゃんのための寄付を集めておいて、そのなかから自分たちが金をもらっているとは!」
と怒ってもあたり前。

2月27日の韓国の京郷新聞の記事を読んで、そんなことを思った。

ここからは、「~ちゃんを助けよう」といった支援活動とはいっさい関係のない内容になる。

 

 

2015年に日本政府と韓国政府との話し合いによって、慰安婦問題が決着した。

この日韓合意にもとづいて、日本政府は慰安婦だった人たちを支援するために10億円を韓国側にわたしている。

京郷新聞の記事によると、韓国ではこのお金を「全額被害者にだけ使う」ということになっていたらしい。

団体の運営費は韓国政府がだしている。
それにもかかわらず政府からのお金とはべつに、慰安婦を支援する団体がこのうちの5%を「団体の運営費」として使おうとしていたことがわかって問題になっている。

 

下の文は、京郷新聞(韓国語)の機械翻訳になる。

*「和解・治癒財団」は韓国の支援団体のこと。
「日本が出演した」は「日本が拠出した」のこと。

[단독]위안부 피해자 위해 쓴다던 돈 화해·치유재단 운영비로 빼 써

2015年、韓日、日本軍慰安婦問題の合意によって、日本が出演したお金10億円(約107億ウォン)のうち5%程度である5億ウォン以上の金額が和解・治癒財団の今年の運営費として使われるようになったことが確認された。

合意無効化と再交渉の声が日増しに高まっているが、”全額被害者だけに費やしたい”と政府が公言した日本側の拠出金が財団自体の存続にまで投入されるのだ。

 

これは元慰安婦だった人のためのお金だから、すべて元慰安婦の人たちにつかうというはずだった。
だけど日本からお金がわたされると、支援団体のためにもお金がつかわれることになってしまう。

こういうお金のアヤシイ流れがわかって、韓国の京郷新聞も「それはおかしいんじゃないか?」と否定的な見方をしている。

 

この支援団体は、一年間の運営費として元慰安婦へ支給する5倍のお金をつかうつもりだった。

生存被害者1人に支給する現金1億ウォンの5倍が財団の一年運営費に入ることになったわけだ。

 

「韓国政府から提供される資金だけでは少ないから」という勝手な理由で、この10億円に手をつけている。

慰安婦だった人たちを支援する団体には、いろいろな考えをもったものがある。
純粋に支援したいと思っている団体と、お金をふくめて自分たちの利益のために利用している団体があっても不思議ではない。

慰安婦を支援する人たちには、「日韓合意の無効化や再交渉」を叫ぶ人たちが多い。
どうしてもこの問題が解決してほしくないらしい。

 

慰安婦だった人たちのために終わらせたくないのか?
それとも、慰安婦問題が終ってしまうと自分たちが困るのか?

慰安婦問題を、日本を攻撃する反日活動のために利用しているんじゃないか?
と、思ってしまうようなアヤシイ団体が韓国にはある。
「手段が目的化」しているような人たちがいると思う。

 

このニュースは、日本人にとっても他人事ではない。
このお金は慰安婦だった人たちのために日本政府がわたしたお金であって、韓国の支援団体のために出したわけではないのだから。

 

まえに朝鮮日報の記事を読んだときも、「慰安婦の支持団体って、なんの目的をもっているんだろう?」と疑問に思ったことがある。

最近、韓国政府が慰安婦の支援団体への運営資金をストップさせたことが問題になった。

朝鮮日報の記事(2017/02/21)から。

ムン・ミオク議員「慰安婦合意反対の民間団体に韓国政府が支援を中止」

「女性家族部(省に相当)が韓日慰安婦合意に反対意見を表明した民間団体に対する政府支援を中止した」との主張が飛び出した。

 

この記事によると、これまで慰安婦をする支持団体へはけっこうなお金がわたっている。

14年にも「社団法人韓国挺身隊問題対策協議会」「ナヌムの家」「韓日歴史交流会」など17団体に26億4700万ウォン(約2億6000万円)を支援した。
また、15年には13団体に13億900万ウォン(約1億3000万円)を支援するなど、慰安婦問題を国内外に伝えるさまざまな事業に支援を惜しまなかった。

 

なんで支援団体が17もあるのかよくわからない。
それぞれの団体にお金をだしていたら、韓国政府としてはたまらないだろう。
でも、「かわいそうなハルモニ(おばあさん)のためなのに!」と言われたら韓国政府も弱い。

でも、「韓国政府からの資金提供がなくなった」と記事で伝えている。

ところが、15年12月28日の韓日慰安婦合意以降、これに対する反対意見や反対声明を発表した「社団法人韓国挺身隊問題対策協議会」「ナヌムの家」「従軍慰安婦と共にする馬昌鎮市民の会」への支援が中止されたという。

ナヌムの家については「歴史館改築や追慕館建設事業のため、14年に10億ウォン(約1億円)の予算を支援、現在も事業を推進している」と述べた。

 

くわしい理由はわからないけど、韓国政府としては「こうした団体にお金をだすことは適切ではない」と判断したことはまちがいない。

ボクから見ても、「私たちはハルモニ(おばあさん)のために活動してます」とうったえている人たちや団体にはアヤシイと感じるところもある。

 

 

もちろん、極端な考え方をしてはいけない。

韓国の新聞で、慰安婦の支援団体がアヤシイことをしているという記事があったということであって、「他すべての団体もおなじだ」ということでなない。

ただ、元慰安婦を支援する団体や人たちには、実際には「利用している」ところもあるんだろう。

日本には、こうした人たちがいないことを願っている。

 

日本や韓国をとわず、慰安婦問題の交渉を「またやり直せ」「まだ不充分だ」と叫ぶ人たちのなかには、「自分たちのため」にそう主張している人もいるだろう。

慰安婦問題が解決してしまうと、「悪者の日本を攻撃する材料がなくなって困る」とかね。
反日活動をつづけたい人たちにとっては、この問題は解決しないほうがいいはず。

この記事をふくめて、目的のアヤシイ人たちはいる。

 

こうしたことを考えると、慰安婦問題は完全に解決した問題だから絶対に「再交渉」なんてしてはならないと強く感じる。
慰安婦だった人たちのためではなくて、自分のためにこの問題を終わりにしたくない人たちもいるように見えるから。

 

慰安婦問題が終ったといても、国と国とのあいだで終わったというだけ。
だから慰安婦だった人たちを支援したいと思う人がいたら、その人が個人的にすればいい。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。