少し前に日本とインドネシアの関係について書いた。
1942年に日本軍がインドネシアに侵攻してオランダ軍と戦い、これを降伏させて植民地支配を終わらせるも、原爆投下でアメリカに降伏したことで太平洋戦争は終わり、日本もインドネシアから撤収した。
その後、再びインドネシアを支配するためにオランダが戻ってくると、インドネシアの人たちは独立を守るためにこれを迎え打つ。
そのとき約3000人の日本人がインドネシア人と共に戦い、1000人が命を落としたといわれる。
インドネシアの首都ジャカルタ
戦後、インドネシアの独立を守るために、多くの日本人が現地の人たちと一緒に戦った。
日本とインドネシアの関係にとっては大事なことだから、そんな歴史があったことはぜひ覚えてほしい。
これと同じようなことがベトナムでもあったので、これからそのことについて書いていこうと思う。
でもまずは、ベトナムの基本情報をおさえておこうか。
面積:32万9,241平方キロメートル
人口:約9,762万人(2020年)
首都:ハノイ
民族:キン族(越人)約86%、他に53の少数民族
言語:ベトナム語
宗教:仏教、カトリック、カオダイ教他
以上は外務省ホームページの「ベトナム社会主義共和国(Socialist Republic of Viet Nam)基礎データ」から。
中国から広がった漢字は日本・韓国・ベトナムで使われていたものの、韓国とベトナムは廃止したから、いまでも使っているのは日本だけ。
ハノイを漢字で書くと「河内」で、ベトナムは「越南」。
また、いまハノイのあたりはかつて「東京(トンキン)」と呼ばれていて、今でもハノイの向かいに広がる海は「トンキン湾」になっている。漢字で書いたら「東京湾」だ。
ただそれは日本での話で、現在のベトナムではトンキン湾ではなく「バクボ湾」と呼ばれている。
日本の東京湾と間違われないように、そう変更されたようだ。
ちなみにハノイで生まれた日本人に、ジャーナリストの櫻井よしこさんがいる。
世界史に興味がある人は、ベトナム戦争のきっかけとなった「トンキン湾事件」も覚えておこう。
1964年にトンキン湾で起きた米軍と北ベトナム軍の軍事衝突で、アメリカはこの事件を理由にベトナム戦争へ本格介入するにした。
しかしのちに、この事件はアメリカによるでっち上げと判明した。
赤地に黄色い星がベトナムの国旗
ベトナム人は愛国心が強いらしく、この国旗がデザインされたTシャツを着ているベトナム人をよく見た。
ベトナムは1887年から1945年のあいだ、フランスの植民地支配を受けていた。
しかし1940年に日本軍がベトナム北部に進駐し、ベトナム占領がはじまり、ここから日仏の二重統治の状態となる。
1945年に日本がアメリカに負けたことで日本統治も終了。
でもその直前、日本軍がフランス軍を制圧し、ベトナム皇帝バオ・ダイが独立宣言をだした。
太平洋戦争が終わったあと、ベトナムを再び支配するためにフランス軍が舞い戻ってくる。
ベトナムにいたほとんどの元日本兵は日本へ戻ったが、その地にとどまって、参謀や教官としての知識や経験をベトナム人に伝えた日本人が数百人もいた。
あまり知られていないが、彼らはベトナムの独立を守るために現地の人と一緒にフランス軍と戦ったのだ。
ベトナム独立戦争中の1946年に設立されたクァンガイ陸軍中学などいくつかの軍事学校で旧日本陸軍将校・下士官による軍事教育が行われた。ベトナム独立戦争に参加して戦死した旧日本兵には、烈士墓地に顕彰されているものもいる。
なかには後にベトナム政府から勲章を授与された人もいるし、日越貿易会や日本ベトナム友好協会などを設立し、日越友好のために汗を流した日本人もいる。
2017年に天皇、皇后両陛下が初めてベトナムを訪問されたとき、独立戦争に参加した日本人と面会されている。
産経新聞の社説(2017.3.1)
そこには、日本で必ずしも詳しく伝えられてこなかった歴史がある。旧日本軍はフランス領だったベトナムに進駐し、大戦末期に独立させた。(中略)とどまった日本兵はフランスの再植民地化に抵抗するホー・チ・ミンらが率いる「ベトナム独立同盟」に協力し、半数が戦病死したとされる。
ベトナムご訪問 長い交流の歴史に思いを
戦時中の日本軍が東南アジアの国々に苦痛を与えたこともあったし、戦争が終わったあとも現地にとどまって、現地の人と共に独立を守るために戦った元日本兵もいた。
そうした日本人がインドネシアにもベトナムにもいて、両国から感謝や敬意を受けている。
日本とアジアの友好関係を考えるのなら、そんな歴史があったことは忘れてはいけない。
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今ベトナムの女の子の世話をしているので勉強したかった、世界各国に必ず影響を与えているアメリカは何者なのか改めて考えさせられた。
参考になったら幸いです。
日本とベトナムの関係史なら、「明号作戦」があります。
知り合いのベトナム人に聞いたら、ベトナム語では”Chiến dịch Đông Dương “だそうです。
このブログにその記事がありますので、よかったらご覧ください。