「偽ニュースが幅を利かす世の中、新聞の役割はさらに重要になった」
4月7日付の東亜日報に、こんな力の入った記事を見つけた。
偽ニュースが幅を利かす世の中、新聞の役割はさらに重要になった
もうすぐ、韓国で大統領選挙がおこなわれる。
東亜日報の取材チームが分析したところ、ネットでは大統領選挙についての偽のニュースがたくさん見つかったという。
偽ニュースは、去年のアメリカ大統領選挙のときでも大きな問題となった。
こうしたニュースが選挙結果にも影響を与えた、という指摘もある。
韓国の社会でも偽ニュースがあふれていて、何がうそで何が本当かわからない人がたくさんいるらしい。
成人男女の76%が偽ニュースのために、本物のニュースを見ても偽物と疑うと答えた
偽ニュースは問題視されているけれど、こうしたニュースがこれから減るという見通しはない。
まちがいなく増えていくだろう。
東亜日報はそうした動きを見通して、「今こそ新聞の役割と重要性が注目される」と強調している。
東亜日報は、「偽ニュースと戦って撲滅する」と宣言している。
私たちは、言論の中枢として、読者の知る権利のために真実を報道するジャーナリズム本来の使命と責任を果たすことを約束する。社会的公器である新聞は、正確な報道と深みのある分析で、偽ニュースと戦って撲滅する。
「偽ニュースには要注意!」
これは韓国だけではなくて世界的な問題になっている。
NHKの「クローズアップ現代」という番組(2017年2月6日放送)でも、「フェイク(偽)ニュース」の特集をしていた。
この番組のなかで、ジャーナリストの池上彰さんが「ポスト・トゥルース」という言葉についてこう説明している。
去年の英語圏のいわゆる流行語として選ばれたのが「ポスト・トゥルース」。
要するに、人は真実ではなくて、とにかく感情的に心が揺さぶられれば、それでいいと。
真実は二の次だというようなことが広がっている、これが去年の流行語に選ばれた。
もはや、そういう時代になっているのかということですよ。
人は真実よりも「感情的に心が揺さぶられる」ようなニュースを優先しやすい。
実際、人が信じてしまうような偽ニュースには、喜怒哀楽の感情を刺激するような内容がよくある。
それは慰安婦問題の報道についても当てはまる。
先ほどの東亜日報の記事では、偽ニュースにだまされないための具体的な方法を紹介している。
偽ニュースを選別する最も確実な方法は、信頼できる新聞が報道したものか、記者の名前が明示されているかを確認することだ。
なるほど!
そうすればいいのか!
でも待ってほしい。
では、信頼できると思われた新聞が偽ニュースを報道していた場合は、どうしたらいいのか?
韓国の新聞にはそれがある。
たとえば中央日報には、慰安婦問題についてこんな報道(2017年03月16日)をしている。
旧日本軍による慰安婦を描いた映画『鬼郷』見た日本人観客ら、涙流して「申し訳ない」
この記事によると、韓国でつくられた慰安婦映画の「鬼郷」を見て、慰安婦問題をナチスのホロコーストと同じレベルの戦争犯罪だと誤解した人たちがたくさんいるらしい。
慰安婦問題とナチスのホロコーストとは、まったく別の問題。
そもそも慰安婦問題は日本と韓国との間ですでに解決している。
そもそもこの「鬼郷」という慰安婦の映画は、内容があまりにデタラメだったため強い批判をうけている。
この映画では「日本軍が慰安婦を強制連行した」とか「日本軍が慰安婦を集団虐殺した」という歴史の事実とはかけ離れたシーンがある。
それを真実だとえがいている。
櫻井よしこさんは、「鬼郷」についてこう怒りをあらわしている。
強制連行だけでもあり得ないが、映画はさらにあり得ない話を、史実であるかのように描いている。
韓国に精通したジャーナリズムの黒田勝弘氏は、「これは最悪である」と書いている。
しかしこの映画はひどい。1970年代から韓国の映画やテレビ、舞台で数多くの反日ドラマを見てきたが、これは最悪である。
「映画の内容はフィクションであり、事実ではない」と伝えていればいいけど、この映画をつくった監督はこれを歴史の事実だと言っている。
映画の内容は実質的に「偽ニュース」と同じだけど、中央日報はこれを「事実」として報道している。
では、実際の朝鮮人の慰安婦たちは、どのような生活をしていたのか?
戦後、何十年もたってから得られた証言や証拠では、どうしても信頼性は低くなる。
「吉田清治の証言」はその代表例だ。
あれほどの偽ニュースはなかなかない。
でも慰安婦問題については、信頼性の高い資料が残されている。
それが1944年に現地(ビルマ)で、日本人でも韓国人でもなくアメリカ人が作成した資料。
それには慰安婦の生活について次のように書いてある。
they had plenty of money with which to purchase desired articles. They were able to buy cloth, shoes, cigarettes, and cosmetics
While in Burma they amused themselves by participating in sports events with both officers and men, and attended picnics, entertainments, and social dinners. They had a phonograph and in the towns they were allowed to go shopping.
これを読むと、ここでの慰安婦たちはたくさんのお金をもっていたことがわかる。
そして、服・靴・タバコそれに化粧品など自分が欲しいものを買うこともできた。
さらに、日本兵(将校)とスポーツをしたりピクニックに行ったりもしている。
街へ買い物に行くことも許されていた。
戦後の偽ニュースを信じていた人には、驚くような内容かもしれない。
でも、これが事実であり歴史の真実になる。
もし「信じられない」と思った人は、自分のそのイメージはどのようにつくられたのかを確認したほうがいいと思う。
もちろんこれは、そのときその場所にいた慰安婦たちの生活というだけ。
他のところでの慰安婦の生活については、信頼性の高い資料で確認してほしい。
東亜日報は、「新聞の役割はさらに重要になった」と強調する。
でも韓国の新聞では、慰安婦についての報道で「強制連行」や「集団虐殺」といった偽ニュースを流しているという実態がある。
東亜日報はこう宣言している。
「社会的公器である新聞は、正確な報道と深みのある分析で、偽ニュースと戦って撲滅する」
そう言うのであれば、まずが韓国の国内にある慰安婦の偽ニュースと戦ってこれを残らず殲滅(せんめつ)してほしい。
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