飛行機の座席に座っている。
すると、CAがイヤホンを配りながら近づいてきた。
名古屋からソウルまでは2時間で着く。
音楽を聴きたいとも思わないし、映画を見ても途中で終わってしまうかもしれない。
前にそんなことがあった。
「もう少しで映画のクライマックス!」というところで、映像を切られてしまった。
イヤホンはいらんな。
と思ったにもかかわらず、気づいたら手を伸ばしてイヤホンを受け取っていた。
「おっ」と思うほどCAが美人だったから、これは仕方ない。
ついでにCAの写真を撮ろうとしたけど、さすがにこれはやめた。
CAの写真を撮ることぐらいは大丈夫だと思う。
けど、前にCAに怒られたことがトラウマになっている。
イエメンはサウジアラビアの下にある国。
10年ぐらい前に、中東のにあるイエメンという国を旅行していたときのこと。
イエメンの国内線の飛行機の中で、離陸前にCAが緊急時のジャケットの使い方を説明していた。
アラビア語で言っていたから、何を言っているのかさっぱり分からない。
でも、イエメン人の乗客もCAの説明なんて聞いていなかった。
何人かの人がCAの写真を撮っていたから、とりあえずボクも1枚カメラにおさめる。
そのCAはヒジャブをかぶっていた。
インドネシアやマレーシアの飛行機に乗ったことがあるけど、ヒジャブをかぶったCAを見た記憶がない。
その意味で、ヒジャブをかぶったCAの写真を撮れたのはラッキーだった。
*ヒジャブとは?
ヒジャブはスカーフのような布で頭髪を隠すものである。もっとも一般的な服装である。
(ウィキペディア)
ヒジャブをかぶったイスラーム教徒の女性
イスラーム教徒の女性は写真を撮られることを嫌う。
だからイエメンを旅行中、女性の写真をほとんど撮ることができなかった。
こんな目にあったらシャレにならないし。
外務省のホームページから。
『敬虔なイスラム教徒の多い中東で、カラフルなバスを撮影していた男性Cさん。ところが、バスの近くを歩いていた若い女性が「勝手に自分の姿を撮られた」と叫んだため、付近にいた人たちに取り囲まれ、カメラをその場で取り上げられた。』
「イスラーム教徒の女性でも、CAなら写真を撮られても気にしないのか」と思っていたら、とんでもなかった。
ライフジャケットの説明を終えた瞬間、CAが激怒して写真を撮った人に近づく。
そして、自分の写真を削除するように大声で要求する。
CAの怒鳴り声が機内に響いた。
写真を撮っていたのは6~7人だったと思う。
CAはその人間を正確に覚えていて、一人一人に写真を削除させていた。
そして、ボクのところに猛烈な勢いで近づいてくる。
その表情は仁和寺の仁王像に近い。
生まれて初めてCAに恐怖を感じた。
「デリート!デリート!」
CAがさけんでいる。
ボクが写真を削除すると、CAはボクのカメラを奪って本当に削除したかを確認する。
自分の写真がないことが分かると、何も言わずカメラをボクに返す。
最後にボクをにらみつけて別の獲物、ではなくて、別の乗客のところに向かって行った。
イエメンの女性
この人は「写真を撮ってくれ」と言ってきた。
本当にめずらしい。
アラブの女性は、目元の化粧が濃くて目がコワい(ような気がする)。
CAが離れるまでは、まさに蛇に睨まれた蛙という状態。
蛇に睨まれた蛙
【読み】 へびににらまれたかえる
【意味】 蛇に睨まれた蛙とは、非常に恐ろしいもの、苦手なものの前で、身がすくんでしまい動けなくなるようすのたとえ。(故事ことわざ辞典)
今でも、そのCAの鬼のような顔と「デリート!」という叫び声とよく覚えている。
おまけ
イエメンとはこんな国。
イエメン(Yemen)
アラビア半島南部の共和国。
首都サヌア。
宗教はイスラム教。
コーヒー・綿花・皮革品などを産出。
1918年にオスマン帝国から王国として独立し、62年に共和制になったイエメン‐アラブ共和国(北イエメン)と、67年に英国から独立したイエメン民主人民共和国(南イエメン)が、90年5月に統合。
(デジタル大辞泉)
モカコーヒーの「モカ」はイエメンの港のこと。
イエメンの飛行機から撮った動画。
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