韓国&日本とアメリカの違い。会社の受付は若い女性か黒人か?

 

なんで韓国では、整形手術を受ける女性が多いのか?

その理由を韓国人のおばさんに聞いてみた。

「それはね、韓国が男尊女卑の社会ですからですよ」

その人は、韓国社会にある男尊女卑の考え方をその理由にあげる。
そしてその人やまわりの人で、男性からの暴力に苦しんでいる女性の話を始めた。

そんなことをこの記事で書いた↓

旅㊷韓国人のおばさんに聞く。整形の理由は「男尊女卑

 

話を聞いていて、「それはあるんだろうなあ」と同意。
韓国の女性が整形をおこなう背景には、韓国社会にある男尊女卑の考え方はたしかにあるだろう。

それは理解できた。
でもそのおばさんは、「それは男尊女卑か?」というようなことを言い出す。

 

 

韓国の社会にある男尊女卑の例として、こんなことを話す。

「わたしの会社にも、男尊女卑の考え方はあります。それは女性社員の配置を見たらわかりますよ。20代の若い女性は受付や客と対応をするところに配置されて、30歳をこえると人目がつきにくい奥へと追いやられてしまうんです」

 

へえ、そうなんだ。
でもこれは男尊女卑の例になるか?

この配置を決めているのは男性社員。
彼らは女性社員の能力ではなくて、「見た目」で判断している。

男尊女卑といえばそうかもしれないけど、それぐらいのことは日本の会社でもある。

 

ボクのまわりでもそんなことを言う女性会社員(オーバー35)はいる。

でも、それを「男尊女卑」とは言っていない。

女性への差別かもしれないけど、「仕方がないこと」と悟りを開いて割り切っている。
若くてきれいな女の子が前線に配置されて、自分たちは後方支援にまわされる。
それが良いことだとは思わないけど、理解はできる。

会社の利益を第一に考えたらその方がいい、と理解している。
その会社の利益から自分の給料やボーナスが出ている。
それを考えたら、若い子が会社の受付にしたほうがいい。

 

それにその人は知っている。
そのうち、その女性社員も後方支援にまわされることを。

能力ではなくて、「見た目」で配置が決められてしまう。
それが良いことだとは思わないけれど、それぐらいのことは日本中の会社でおこなわれているはず。
それは韓国も日本も同じ。

でもアメリカはちょっと違う。

 

 

韓国人のおばさんの話を聞いて、アメリカでの会社の受付の話を思い出した。

アメリカの会社では、若く女性ではなくて黒人を優先的に置くことがあるという。
アメリカは移民の国で、白人・黒人・ヒスパニック・アジア人など世界中の人種が集まっている。

そんなアメリカ社会で、絶対のタブーとされるのが人種差別。

「あいつはレイシスト(人種差別主義者)だ」とみなされると、すべての社会的地位を失うこともある。
ある会社が「あそこは人種差別的だ」と評判を立てられると、その会社にとっては致命的なダメージになりかねない。

 

そういったわけで、「わが社には人種差別なんてものはありません!」ということをアピールするために、黒人を受付に配置する会社もあるという。

白人であるマイケル・ムーアが、アメリカ社会の「白人の本音」を書いている。

俺たちは必ず、「私の友人が―黒人なんですけどね…」と言う。黒人の友人がいることをアピールするわけだ。

黒人学校基金連合に寄付をし、黒人歴史月間を念頭に置き、たった1人しかいない黒人の従業員を、正面受付デスクに置く。
「見て下さい―私たちは人種差別なんてしていません。ちゃんと黒人を雇っていますよ」と主張するために。

まさしく、俺たちはとても狡猾で、抜け目のない人種だ

(アホでマヌケなアメリカ人 マイケル・ムーア)

 

先日、私の友人と―黒人なんですけどね、Skypeで話をした。

そのときこんな質問をしてみた。

「トランプ大統領になってから、アメリカの社会で変わったことはある?」

「自分のような黒人にとっては、住みづらくなった」と言う。

そのアメリカ人はニューヨークに住んでいる。
街を歩いていて、前から警官が歩いて来ると緊張するらしい。
黒人というだけで警官に呼び止めれて、トラブルにあわないかドキドキするという。

「ニューヨークの場合、肌の色によってトラブルにあう可能性はちがう」

そうハッキリ言っていた。
トラブルに巻き込まれる確率がもっとも高いのは黒人で、その後に、ヒスパニック・アジア人・白人と続くらしい。

 

 

「黒人は警官から身を守らないといけない」ということは、ニューヨークだけではない。

2016年には、丸腰の黒人が警官に射殺される事件が起きている。
この事件はアメリカ中に衝撃を与えた。

また警官が黒人を射殺。恋人が一部始終をFacebookライブで撮影 米セントポール

動画には傷口から血を流す男性が映っている。これは恋人が助手席から撮影したものだ。「警官はテールランプが壊れていたからって彼を3回撃った」と、撮影している女性の声が聞こえる。

これを見た多くの人は、アメリカでは警察が武器を持っていない黒人男性を日常的に殺害していることにショックを受けている。

こういうことを聞くと、「若くてきれいな子が受付に座るのは差別だ!」なんて言っている日本は平和だと思う

 

 

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黒人の人種差別問題⑥アメリカの「奇妙な果実」って知ってる?

アメリカの人種差別⑦NYは肌の色で警官に射殺される確率が違う

アメリカ 「目次」

日本 「目次」

韓国 「目次

 

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。