ではでは、前回の続きです。
でもその前に、このことを書かせてください。
「もし北朝鮮から日本に向けてミサイルが発射され、Jアラートや警報が鳴ったらどう思うか?」
北海道や東北の人たちはそれを体験した。
多くの人が突然のJアラートでたたき起こされている。
そのとき、どう思ったか?
え、まじかよこれ
突然携帯で知らされてもどうしろと
村の防災無線きたで
東北に落ちるの?やばない?
びっくりした
どこに行けばいいんだよw
生きている間に空襲警報を聞くことになるとは(´・ω・`)
家にいるんだけどどうすればいいの?
全裸で避難所に逃げればいいの?
「とにかく驚いたけど、どうしていいのか分からない」という人がほとんど。
これは北海道や東北の人だけはなくて、Jアラートや警報が鳴ったら、これを読んでいる人もきっとこうなる。
今のところ、北朝鮮は核やミサイル開発を止める動きを一切見せていない。
安倍首相は「これまでにない深刻 かつ重大な脅威だ」と言っている。
こうした現状をふまえると、これからも日本のどこかで、突然Jアラートや警報が鳴り出すことがあると考えたほうがいい。
今や日本の安全保障や平和は、国民全体で真剣に考えないといけない問題だ。
とくに日本が「敵基地攻撃能力を持つか?持たないか?」ということについて。
前回は、読売新聞が社説で「敵基地攻撃能力の保有も、検討すべきである」と指摘したことを書いて終わった。
日本に向かってくるミサイルを撃ち落とすのではなくて、ミサイルを発射する基地を攻撃するというものだ。
今の日本にはこの能力がない。
政府の見解は、日本を狙ったミサイル攻撃で、「相手がミサイル発射に着手した後」に攻撃する場合は、個別的自衛権の範囲として憲法上認められるとしてきた。一方で、政府は、現状では自衛隊に敵基地攻撃をする能力はないとしている。
(2015-05-26 朝日新聞 朝刊 1総合)
読売新聞は、日本が敵基地攻撃能力を持つことを’検討すべきだ’という。
産経新聞はこの考えをさらに進める。
まず、今の日本には「反撃力を持っていない」と指摘。
まあ、それだから日本は舐められてしまうのだろうけど。
今回のミサイルも本当はグアムに飛ばすものだったはず。
でもそれをするとアメリカを本気にさせて、北朝鮮にとってヤバいことになってしまう。
だから、’無難な’日本に飛ばしたのだろう。
結果として「え、まじかよこれ」「突然携帯で知らされてもどうしろと」と日本国民を大あわてにさせやがった。
話を産経新聞に戻す。
産経は日本政府に「懲罰的・報復的抑止力を保有することを考えてほしい」とし、こんな提案をしている。
ミサイル発射基地・装置を叩(たた)く敵基地攻撃能力を導入する。そのうえで、日本攻撃を命じる政治・軍の中枢などを目標とする敵地攻撃力へと進化させる。
産経新聞のいう「積極防衛」とはこのことだ。
ミサイルの発射基地だけではなくて、政治・軍の中枢までを攻撃対象にしているところは、かなり積極的だ。
今の日本国民は、日本の敵基地攻撃についてどう思っているのか?
4月におこなわれた世論調査では、国民の75%以上がこれを支持している。
少し長いけど、産経新聞の記事を読んでほしい。
北朝鮮の弾道ミサイル発射に対する日本の「敵基地攻撃能力」についての具体的な考え方を聞いたところ、45・0%の人が「敵基地への反撃は、弾道ミサイルを日本に向けて発射したあとに限るべきだ」と回答した。「日本に向けて発射する具体的な構えを見せた段階で基地を攻撃すべきだ」という“先制攻撃”容認派も30・7%に上っており、敵基地への攻撃の容認は75%を超えた。
実は3月にも同じ調査をおこなっている。
このときも、日本が敵基地攻撃能力を「保有すべきだ」「保有を検討すべきだ」を合わせると、75・1%に達していた。
今この世論調査をしたら、支持する数字はもっと増えるだろう。
今回の北朝鮮によるミサイル発射をうけて、朝日新聞は「蛮行で隣国を脅かす金正恩(キムジョンウン)政権に強い憤りを覚える」、毎日新聞は「断じて許すことはできない」とそれぞれ強く北朝鮮を非難している。
一般市民も同じ気持ちだろう。
ただ「では、日本は北朝鮮に対してどうしたらいいのか?」という対応策になると、両紙ともに抽象的になってしまっているのが残念無念。
朝日新聞はこう書く。
日米韓は綿密に情勢の認識をすりあわせ、一枚岩で平壌に向きあう強い結束の意識を共有せねばならない。
読売新聞も日本の安全保障に日米の協力は不可欠として、「共同訓練などを通じて日米の結束を示すことも、北朝鮮への抑止となろう」と書いている。
「強い結束の意識を共有する」よりは、「自衛隊と米軍の共同訓練をおこなう」のほうが具体的で、説得力がある。
でも、「日韓の結束が必要だから、日本は過去の植民地支配の反省を~」なんて言い出すことよりはずっといい。
毎日新聞は、日本がリーダーシップをとって「日米韓中露の5カ国が北朝鮮の核開発をやめさせる方策を意見調整すること」が大事だと主張する。
それで北朝鮮に、核やミサイル開発をやめさせることができたらいいけど、本当にそんなことできるの?
それに、そのためにはいったいどれぐらいの時間がかかるのか?
各国が意見調整をしている間、北朝鮮が核やミサイル開発を止めてくれるはずがない。
開発はどんどん進んで、事態はますます悪化するように思えてならない。
これだったら、産経新聞の「ミサイル発射基地・装置を叩(たた)く敵基地攻撃能力を導入する」のほうが現実的に感じてしまう。
この敵基地攻撃能力の導入については、読売新聞も書いている。
これからの日本の平和や安全保障について考えるとき、「敵基地攻撃能力の導入」というのは避けられないだろう。
もちろん、これには賛成でも反対でもどちらの立場でもいい。
でも日本国民として、自分なりに考えておく必要はあると思う。
日本が敵基地攻撃能力を持つかどうかは別として「今、日本は本気でその検討している」という姿を北朝鮮に見せるだけでも、少しは抑止力になるだろう。
何かを考える時は、その反対意見にも目を通さなきゃいけないね。
たとえば、東京新聞は日本が敵基地攻撃能力を持つことには大反対。
日本を取り巻く安全保障環境の変化に応じて防衛力の在り方を見直すとしても、憲法九条の枠内で行うのは当然だ。「専守防衛」を逸脱して、軍拡競争の泥沼に陥ることは厳に避けるべきである。
こうした意見を見ながら、”日本の守り”を自分なりに考えていかなきゃいけない時期に、今日本はきていると思うよ。
この記事で引用したのは、以下の社説です。
朝日新聞:ミサイル発射 日米韓の結束強化を
毎日新聞:列島越えた北朝鮮ミサイル 日本主導で5カ国協議を
読売新聞:北ミサイル発射 日本通過は許されない暴挙だ
産経新聞:北ミサイル、「善意」は独裁者に通用しない 首相は積極防衛に転換を
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