いきなりですが、漢字クイズです。
次の漢字を正しく読んでください。
(1)怪我 (2)完遂 (3)焦眉 (4)順風満帆 (5)措置
(6)思惑 (7)低迷 (8)破綻 (9)頻繁 (10)踏襲
(11)前場 (12)未曾有 (13)有無 (14)詳細
できましたか?
答えです。
(1)けが (2)かんすい (3)しょうび (4)じゅんぷうまんぱん (5)そち
(6)おもわく (7)ていめい (8)はたん (9)ひんぱん (10)とうしゅう
(11)ぜんば (12)みぞう (13)うむ (14)しょうさい
今の麻生太郎氏が総理大臣だったときに、上の漢字をこんなふうに読み間違えてしまったとか。
(1)怪我-かいが
(2)完遂-かんつい
(3)焦眉-しゅうび
(4)順風満帆-じゅんぷうまんぽ
(5)措置-しょち
(6)思惑-しわく
(7)低迷-ていまい
(8)破綻-はじょう
(9)頻繁-はんざつ
(10)踏襲-ふしゅう
(11)前場-まえば
(12)未曾有-みぞゆう
(13)有無-ゆうむ
(14)詳細-ようさい
漢字の読み間違いぐらいならまだいいさ。
本人が恥をかくだけのことだから。
でも、政治家がヒトラー認めるようなことを言ってはいけない。
ある研修会で麻生氏が発言したことをめぐって、今大問題になっている。
このとき麻生氏が言った言葉がこれ。
朝日新聞の記事(2017年8月29日)から。
講演で、「少なくとも(政治家になる)動機は問わない。結果が大事だ。何百万人も殺しちゃったヒトラーは、いくら動機が正しくてもダメなんだ」と発言した。
麻生副総理「ヒトラー、いくら動機正しくてもダメ」
これだと「ヒトラーの動機は正しかった」と解釈できてしまう。
政治家として、ヒトラーを正当化するような発言はあり得ない。
漢字の読み間違えなら言い直せばいい。
けど、ヒトラーは違う。
最悪の人種差別主義者で、世紀の大虐殺をおこなったヒトラーに「正しさ」を認めてしまうような言葉は、「謝罪して訂正します」だけではすまないだろう。
この記事では、麻生氏ではなくてこのヒトラーがしたことについて書いていきたい。
「ヒトラーはどんな人物だったのか?」ということを知ることで、麻生氏の言葉が大問題になった理由が見えてくる。
ドイツは第一次世界大戦で負けてしまう。
1930年代のドイツには、家や職を失った人があふれ、国民は絶望的な状態で暮らしていた。
ヒトラーは考えた。
なんでドイツがこんなひどい状態になっているのか?
本来ドイツ人は、もっとも優秀な民族であったはず。
それにもかかわらず、今のドイツ人は、なんでこんな地獄のような苦しみを味わわないといけないのか?
そこで、ドイツにいるユダヤ人が出てくる。
ヒトラーは、第一次世界大戦でドイツが負けたのも、ドイツが今のような悲惨な国になったのも、すべてユダヤ人のせいにしてしまう。
「劣ってけがれた血をもつユダヤ人がドイツにいるからだ」と。
ユダヤ人が優秀なドイツ民族の純血をけがしている。
そしてヒトラーはこう考えた。
「偉大なドイツが復活するには、ユダヤ人を絶滅させないといけない」
ヒトラーは実行にうつす。
「NHK 映像の世紀 ヒトラーの野望」のキャプチャー
一つの民族とは、ドイツ民族
一人の総統とは、ヒトラー
一つの帝国とは、ドイツ帝国
このなかに、ユダヤ人は’存在してはいけない’。
アドルフ=ヒトラーが人間ではなくて’悪魔’だと言われるのは、ユダヤ人大虐殺(ホロコースト)をおこなった責任者だから。
ホロコースト
600万人が殺されたと言われる、ナチス=ドイツによるユダヤ人虐殺のこと。この用語は「旧約聖書」に由来する。ユダヤ人絶滅を目指し、アウシュビッツなど各地の収容所で計画的に虐殺がおこなわれた
(世界史用語集 山川出版)
ある民族の絶滅を目的として、ここまでの虐殺をおこなった人間は人類の歴史でヒトラーしかいない。
この行為は何をもってしても、絶対に正当化することはできない。
ポル=ポト派による虐殺
虐殺の動機についてはいえば、ホロコーストは、ユダヤ人への人種的な憎悪によっておこなわれた。
カンボジアのポル=ポトも150万人以上の大虐殺をおこなった人物で、「アジアのヒトラー」と呼ばれることがある。
でも、ポル=ポトの場合、同じカンボジア人を殺害している。
虐殺の動機は、ヒトラーのような人種的な憎悪によるものではない。
ヒトラーの虐殺とポル=ポトの虐殺は違う。
これらを”同じ”と考えると、たぶん両方ともわからなくなってしまう。
でも、ポル=ポトの行為を認めるような発言をしたらアウト。
この点では同じ。
ポル=ポト
これはカンボジアの博物館にあった写真。
目がペンでつぶされている。
連合軍が到着した時の収容所の様子
おびたただしい数のユダヤ人の死体が放置されていた。
毒ガスで殺害されたユダヤ人
死体はここで焼却されていた。
上の画像は「NHK 映像の世紀 第5集」のキャプチャー。
「何百万人も殺しちゃったヒトラーは、いくら動機が正しくてもダメなんだ」という麻生氏の言葉が、どんな考えから出たのかさっぱりわからない。
これはウッカリではすまされない。
でもこれは麻生氏の問題。
欧米人の間では、ヒトラーとホロコーストの知識は常識になっている。
友人のイギリス人は修学旅行で、ホロコーストがおこなわれたアウシュヴィッツ強制収容所に行っている。
「反ユダヤ主義はドイツ人だけの問題ではなくて、ヨーロッパ人全体の問題だから」という。
日本が国際化して開かれた社会になるのはいいことだ。
でも、外国人とつき合う時に必要なのは英語だけではない。
「最低限これだけは知らないといけない」という歴史の知識もある。
「ヒトラーもホロコーストも知らない」というのは、’恥をかく’というレベルではない。
人間性をうたがわれるかもしれない。
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