世界で一番大きい国はどこか?
といえば、もちろんロシアですね。
ちなみに、2位はカナダで3位は中国。
ロシアの面積は約1,710万平方キロメートル。
これは日本の45倍で、米国の2倍に近い。
人口は1億4,680万人だから、日本とそれほど変わらない。
この広大なロシアの東の片隅に「ウラジオストク」という都市がある。
このウラジオストクという都市名は、「東方を支配する(制する・治める)」という意味。
ウラジオストク(Vladivostok/Владивосток)
ロシア連邦東部、沿海地方の中心都市。ロシア語で「東方を治めよ」の意
「デジタル大辞泉の解説」
ロシアは想像を絶するほど寒い。
ロシアを旅行した日本人から、こんな話を聞いたことことがある。
「ロシアの寒いところでは、水にぬれたタオルを2、3回ふり回すと凍ってしまう」
「特に寒い村では、外を歩くと人の眼球が凍ってしまうことがある。だからそこの住民は外出するとき、特殊なメガネをつけている」
これは事実か都市伝説かはわからない。
でも、ロシアがおっそろしく寒いところなのはたしか。
そんな寒さがロシアをナポレオンやヒトラーから守ってくれたわけだけど。
ロシアの冬将軍は無敵。
それで昔から、ロシアは「暖かい南に行きたいなあ」と南方に進出していた。
それを世界史で「南下政策」とよぶ。
ロシアが特にほしがったのは、冬でも凍らず、一年中使うことができる港。
いわゆる不登校、いや、不凍港だ。
このウラジオストクがその不凍港になる。
ロシアが「東方を支配してやるぜ!」とたくらんでいた。
でものその東方には、日昇る国・日本がある。
日本にしてみたら、こんな熊のようにデカい国が上からせまって来たらコワくなる。
まさにおそロシヤ。
もう日本とロシアはぶつかる運命にあった。
それが日露戦争ってやつですね。
日露戦争って?
・1904年から1905年におこなわれた満州や韓国をめぐるたたかい。
・乃木希典(まれすけ)が旅順を占領。
・東郷平八郎が日本海海戦でロシアのバルチック艦隊を撃破。
・でも、日本もたたかいを続ける力がなくなる。
・ポーツマス条約が結ばれる。
この条約でロシアは、日本に韓国の指導権を認め、旅順・大連の租借権も日本にゆずった。
*ちなみに「大連」という都市名は日本人が決めている。
日露戦争後、ロシアにかわった日本は、まず付近の大連湾の名をとり大連と改名した。
「日本大百科全書(ニッポニカ)の解説」
日露戦争については、このたたかいがアジアにあたえた影響を知っとくのも大事。
たとえば、インドネシアの歴史教科書はこう書いている。
日本のロシアに対する勝利は、アジア民族に政治的自覚をもたらすとともに、アジア諸民族を西洋帝国主義に抵抗すべく立ち上がらせ、各地で独立を取り戻すための民族運動が起きた
「インドネシアの歴史 明石書店」
さらに、「太陽の国が、いまだ闇の中にいたアジアに明るい光を与えたのである」とも記している。
日露戦争をアジアの人たちはどうとらえたか?
くわしくはこの記事を↓
正露丸もこのとき活躍していた。
乃木希典
乃木坂46の「乃木」は、もとはこの乃木希典の乃木。
そんな日露戦争はもう過去のこと。
ウラジオストクは現在、「日本に一番近いヨーロッパ」とか「日本から飛行機で2時間で行けるヨーロッパ」なんて呼ばれている。
ポーツマス条約
2017年の今では、ウラジオストクでアジアの国々と経済的な結びつきを深めるための経済フォーラムが開かれている。
NHKニュース(9月6日)から。
ロシア政府が主催する「東方経済フォーラム」はプーチン政権が優先課題と位置づける極東地域の開発を進めるため、アジアの首脳や経済界の代表を招いて毎年、開催されているものです。
このウラジオストクの経済フォーラムでは、プーチン大統領はもちろん、安倍首相や韓国やモンゴルの大統領などが出席している。
これに参加する国は20か国ほどで、参加人数は3000人以上だとか。
このニュースに対する日本のネットユーザーの反応はこんな感じ。
「涼しくなってきたな。 裏地をストックしといて良かった」
「東方を制圧せよ! 」
「北朝鮮は諸刃の剣やな」
はい、「北朝鮮」にご注目。
今、日本の首相と韓国の大統領と北朝鮮の代表が集まる場は本当に貴重だ。
今の日本も恐怖は北からやってくる。
昔はロシアの南下政策で、今は北朝鮮の核・ミサイル開発だ。
今のロシアは大丈夫。
「アジアの国と仲良くしたい」ということで、経済フォーラムを開くぐらいだから。
今の日本にとっておそろしいのは北朝鮮。
9月6日の新聞各紙もこの北朝鮮問題を社説で取り上げている。
どの新聞も、次の点では考えは同じ。
・北朝鮮に核やミサイル開発を止めさせるためには、もう、ただ「話し合いましょう」では意味がない。
・北朝鮮が経済的に困ってしまうような圧力をかけないとダメ。
読売新聞
北朝鮮の暴走を止めるには、中国とロシアを含めて国際社会が足並みを揃え、原油供給の制限を軸に最大限の圧力を加えるしかない。
毎日新聞
常任理事国の中露の協力がなければ決議の採択は難しい。中露を巻き込んだ包囲網で北朝鮮への圧力を強化する知恵が必要だ。
産経新聞は安倍首相にこう注文している。
石油禁輸など北朝鮮への強力な制裁にロシアが加わるよう、率直に求める機会とすべきだ。
今の北朝鮮に対して、圧力を加えないで「対話で解決を!」なんていう態度はあまりに非現実的で無責任でもある。
北朝鮮が困り切るぐらいの強い圧力をかけた後に、何とか話し合いで解決してほしい。
そのためには北朝鮮に大きな影響力をもっているロシアの協力は欠かせない。
東方を支配しなくもていいから、北朝鮮の問題をうまくコントロールしてくれ。
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