まずは問答無用・一目瞭然、この動画を見てくれ。
「バナナを食べている様子がとてもエロい」ということで罪が確定し、このエジプト人女性は懲役2年の実刑判決を受けた。とイギリスBBCが記事で報じた。(12 December 2017)
A court in Egypt has reportedly jailed for two years a singer who appeared in a music video in her underwear while suggestively eating a banana.
Egypt singer jailed for ‘inciting debauchery’ in music video
この歌手はシャイマという25歳の女性で、このミュージックビデオのシーンが裁判所で「わいせつ」と判断されてしまった。
エジプトの、というかイスラーム社会の価値観や考え方は日本とはぜんぜん違うことが分かる。
でも、これで執行猶予なしの2年の実刑というのは厳しすぎる。
でも、この曲名が「I Have Issues(私には問題がある)」だから、それにふさわしいといえばふさわしい。
日本のネットにはこんな反応があった。
・そんなバナナ!(´・ω・`)
・日本に生まれてよかったw
・バナナだけはわいせつに含まれますか!?
・女子アナにチョコバナナ食べさせてる日本のテレビ局はどうなる。
・もう出店のチョコバナナもりんご飴も禁止やな
・きびしーなー
日本じゃ旦那が嫁殺しても執行猶予つくぞ
・恵方巻禁止
・バーモントカレーはエジプトではアウトだな
・バナナはわかるけどなんでリンゴ舐めるのはあかんの
・松茸に練乳なら分かるが・・・
・エジプトの倖田來未かな
・日本の祭りの夜店は乱れている(´艸`)
20年以上前に、エジプトを旅行したことがある。
その時は、「イスラーム教の国では、女性が肌を出すことが禁止されている」と思っていたから、若い女性がTシャツにジーンズという姿で街を歩いてるのを見て驚いた。
エジプトは、中東の国の中では開放的な方なんだけど。
イエメンのイスラーム教徒の女性
ナセルが革命を起こすまで、エジプトには国王がいた。
最後の国王ファールーク1世がとんでもないことをやっている。
首都カイロの街を歩いていた女性を一目見て気に入って、その場でさらって自分の妻にしてしまった。
外交評論家の加瀬英明氏がこう言っている。
エジプトでナセルが革命を起こして追放したファルーク国王の四人目の王妃は、国王がカイロの街を車で通ったときに、いいなずけとエンゲージリングを買いにきた十六歳の美しい娘をみかけて、その場でさらってきたのでした。
「イスラムの発想 (徳間書店)」
これは1950年ごろだと思う。
この男性にしてみたら、目の前で婚約者をさらわれたことになる。
ナセルはもっと早くにエジプト革命を起こすべきだった。
エジプト王ファールーク1世
この王こそ、「I Have Issues(私には問題がある)」だ。
こうやって美しさを隠していれば、国王に連れ去られることはなかっただろう。
イスラーム教徒の女性が、顔も体型も分からなくなるような服を着る理由には、「見知らぬ男性に襲われないようにするため」ということがある。
「The Religion Of ISLAM」にこう書いてある。
ヒジャーブは女性たちを(中略)、性や欲情の対象として見なされること、または見た目や体型によって人に判断されることから解放します。
ヒジャーブを着用する女性たちは、慎み深い服装をして髪を覆い隠すことは、職場でのセクハラを最小限に留めていることを証言しています。
エジプトにも、こうした考え方は残っているはず。
「バナナに牛乳」は、まだ早すぎた。
全身を覆(おお)う服を着る理由は、「男性からのエロ目線を避けるため」だけではない。
これを着ると、けっこう涼しい。
エジプトをふくむ中東はとても暑いけど、日本の夏とは違って乾燥している。
だからこうした服を着ると、”全身日かげ”という状態になり、風通しも良くて気持ちいい。
追記
エジプトの女性歌手が「バナナに牛乳」で逮捕されたことより、「 白雪姫の中で、王子が王女にキスをしたことは『準強制わいせつ罪』にあたる」と日本の学者が主張していることの方に驚いた。
j-castニュースの記事(2017/12/13)から。
牟田氏は歴史社会学とジェンダー論を専門とする社会学者。今回の「白雪姫」に関する投稿の中では、主に男性に向けてか「こんなおとぎ話が性暴力を許している、との認識に至っていただきたい」とも呼び掛けている。
おまけ
イエメンの首都サヌアの様子。
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