歴史をくり返す韓国、国難を前に内輪もめ。朝鮮出兵を忘れたか。

 

日本で豊臣秀吉いえば、天下統一を成しとげた英雄として人気が高い。

1590年、大軍で小田原城を包囲し、3ヵ月後、氏直を降伏させた。すでに伊達政宗らも秀吉に臣従しており、ここに全国統一が達成された。

「日本史用語集 (山川出版)」

でも韓国では正反対。
韓国社会で秀吉は、「もっとも嫌いな日本人の1人」として知られている。

去年、Kpopアイドルが「豊臣秀吉が好き発言」をしたことが問題になった。
韓国ってそんな国。

もちろんこれは、秀吉による「朝鮮出兵(文禄・慶長の役)」が原因だ。

韓国の高校生向けの歴史教科書には、朝鮮出兵後の朝鮮の様子がこう書いてある。

長い戦争で人口が激減し、農村はたいへん荒廃した。(中略)民乱が各地で起こり、土地台帳と戸籍が多く消失したために、租税、徭役と身分の区別が混乱した。

「韓国の歴史 (明石書店)」

韓国の人たちはとても記憶力がよく、400年以上前のできごとをまるで昨日のように覚えていて、秀吉は今でも嫌われている。

「秀吉のことは嫌いでも、日本は嫌いにならない でください!」と訴えたいところだけど、たぶんムリ。

日本人がこう言うと、きっと韓国人は怒る。

 

でも、朝鮮出兵でここまで大きな被害を出した原因は、朝鮮の側にもある。

朝鮮出兵が始まる前、「秀吉は朝鮮に攻め込んで来るんじゃないのか?」と朝鮮政府はその気配を感じていた。

それを確かめるため、朝鮮は使者を送って日本の様子をさぐらせた。
その使者には、「東人(トンイン:とうじん)」と「西人(ソイン:せいじん)」の人間がいた。

「東人」と「西人」は、朝鮮の官僚たちが組織した派閥(グループ)のこと。

 

でも、日本から戻って来た使者はまったく違うことを言いやがる。

西人の通信正使・黄允吉は、日本が多くの兵船を準備しており、必ず侵略すると主張したのに対して、東人の金誠一は侵入する兆しがないばかりか、豊臣秀吉は恐れるほどの人物でもないと言った。

「朝鮮王朝実録 朴永圭(新潮社)」

西人の使者は「日本は必ず攻めこんで来ます」と言う。
でも、東人の使者は「いえ、こいつ間違ってます。日本は来ませんから」と言う。
矛盾した報告を受けた朝鮮の朝廷は、どちらか正しいのかを判断しないといけなくなる。

 

でもそれは、朝廷内の派閥争いで決まってしまった。

朝廷の西人に属していた官僚は「黄允吉が正しい」と主張し、東人の完了は「金誠一こそ正しい」と互いにゆずらず、言い争いが始まった。
結局最後は影響力の強かった東人グループが勝って、「日本は攻めてこない」という説が採用された。

 

朝鮮時代の官僚(両班)の家

 

「秀吉は攻めてこない」という朝廷の決定により、朝鮮では、それまでおこなっていた築城が中断され、戦争に対する備えを放棄してしまった。

その次の年、日本軍が嵐のように攻めんこんで来た。
国の守りを固めていなかった朝鮮は、ジャイアンとケンカするのび太君のように、負けに負けてしまう。

二十万の大軍を侵入を受けた朝鮮は二十日後の五月二日、首都漢城を明け渡してしまった。(中略)間もなく、朝鮮は全羅道地域と平安道の一部を除いた全地域を日本軍に取られてしまった

「朝鮮王朝実録 朴永圭(新潮社)」

「都漢城を明け渡してしまった」というのは、国王が首都から逃げ出したことを意味する。

国王およびかれを取り巻く文臣たちは、民衆を置き去りにして真っ先に明との国境の義州に逃れ、ひたすら明の救援を要請した。

「朝鮮儒教の二千年 (姜在彦)」

なんで朝鮮は、短期間でここまで負けてしまったのか?

「戦国時代にメッチャ戦ってた日本軍が強かった」ということはある。
でも、「日本は攻めて来ない」と判断した朝廷のミスは見逃せない。
しかもこの決定は、国内の官僚の権力争いで決められている。

 

敵は日本だったはず。
なのに、東人と西人の2つのグループに分かれて、朝鮮人が敵同士になって争い合う。
朝鮮が日本軍にいいようにやられてしまった大きな理由には、内輪もめによる自滅がある。

「どちらが正確な情報なのか?」ではなくて、「どちらの党が強いのか?」という国内の権力争いで、国家の命運を左右する重要なことが決まってしまった。

ちなみに日本に攻めこまれた後、中国から明軍というドラえもん(援軍)が朝鮮にやってきて、のび太君は救われた。

 

朝鮮出兵のときに活躍した李舜臣
今では、韓国の国民的英雄になっている。
でも、この像が持っている刀はなぜか日本刀らしい。

 

歴史はくり返す。

2018年の今になっても、韓国はこのときと同じようなことをしている。

現在の韓国で、元大統領と現大統領が大げんかをしていることをご存知ですか?

李明博(イ・ミョンバク)元大統領が今、検察から捜査を受ける可能性が高まっている。
李氏が大統領をしていたころに、「不正なことがあったのではないか?」という疑いがかけられているためだ。

これに対して李氏は、この捜査は文大統領による「政治報復」だと非難した。
「文大統領が政治権力を使って検察を動かし、自分を犯罪者にしようとしている」と言いたいらしい。

 

「政治報復」と言った李氏に、文大統領は「これは政府に対する侮辱」だと怒る。

さらに李氏が自殺した盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領を取り上げたことで、文大統領がさらに激怒した。
くわしいことは中央日報の記事(2018年01月19日)を読んでください。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が18日、「怒り」と「侮辱」という単語を用いた。前日、李明博(イ・ミョンバク)元大統領が検察捜査に対して「政治工作であり政治報復」と述べたことに対する正面対応だ。

文大統領、李元大統領「死・報復」に「怒り・侮辱」

韓国では今、現大統領と元大統領が激しく対立している。

だが待ってほしい。
今あんたらは、内輪もめをしている場合ですか?

 

 

今の韓国はかなり危ない。
朝鮮日報の社説(2018/01/19)によると、こんな危機的状況にある。

米国のマティス国防長官は「北朝鮮と戦争することは可能」と公の席で語った。また文大統領自ら「6・25戦争(朝鮮戦争)以来最大の危機」と表現した北朝鮮の核問題は、今まさに決定的な時期を迎えている。

文在寅対李明博、国家的危機の最中に誰も得しない争い

国が最大の危機を迎えている中で、元大統領と現大統領が「死・報復」「怒り・侮辱」と、激しい言葉を使って激突している。

これでは、朝鮮出兵という国難を前にして、東人と西人のグループが言い争っていた16世紀の朝鮮と変わらないじゃん。
朝鮮日報が言うように、「誰得?」という状態じゃん。

韓国は日本に対して「歴史を忘れた民族に未来はない」と言うけれど、あなたたちこそ大丈夫ですか?

同じような場面で同じようなことをくり返す民族に、未来はありますか?

 

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4 件のコメント

  • 文中に出ていた李舜臣という人物の活躍がイマイチわからないのです。終始日本側の都合で戦争を始めたり停戦したり、撤退をしていたようなので。

  • 鳴梁海戦(めいりょうかいせん)という海戦で日本軍を破った将軍で、韓国では救国の英雄とされています。
    でも、この戦いの見方は日本と韓国では大きく違いますけど。
    去年、韓国の大学生におこなった「尊敬する人物」のアンケートでは、3位に選ばれました。

  • 言葉足らずで申し訳ないです。李舜臣が対日戦以外での活躍を知りたかったのです。判官びいきの元になった義経の様に負けた側でも評価が高い人物は古今東西おられます。しかし、それは負けただけで評価を得られたわけではないのは歌舞伎などからもわかります。
    李舜臣が日韓で事実認識が違う海戦に参加しただけであの評価には違和感を感じ、もっと別のドラマがあったのではと思い質問してしまいました。申し訳ないです。

  • いえいえ。
    李舜臣の対日戦以外での活躍は知りませんねえ。
    「日本とたたかって勝った」「そのたたかいで死んだ」「国を救った」ということが今の韓国人の価値観や考え方に合っているだけだと思います。
    対日戦以外のことは、韓国人も知らないと思います。
    李舜臣の「舜臣」は、「中国の皇帝・舜の臣下」という意味ですが、韓国の人はそれも知りませんから。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。