2枚の黒いクッキーで白いクリームを挟んだお菓子が「オレオ」。
この「オレオ」には、実はアメリカでは別の意味がある。
黒人なのに、白人のように考えたり振る舞ったりするような人間を、蔑視して「オレオ」と呼ぶことがある。
人種ではないが、「別の国に生まれたかった…」と残念がる人間なら日本にもいる。
16世紀の儒学で、家康に林羅山を推薦した藤原惺窩(ふじわら せいか)もその一人。
儒学を学んでいた当時の日本人にとって中国は聖地で、先進的な朝鮮はあこがれの国だった。
だから、藤原惺窩は中国っぽい服を着て、精神的には中国人になっていたのだ。
彼は家名の「冷泉」を名のらず、中国式に「籐(とう)」と言っていた。
そんな藤原惺窩が日本で朝鮮人の儒学者・姜沆(きょうこう)と話をしていた時、彼はこういったと言う。
実に残念です。私が、大唐に生まれることができず、また、生を朝鮮に得ることができないで、日本のこのような時代に生まれ合わせたとは!
「看羊録 朝鮮儒者の日本抑留記 (平凡社東洋文庫)」
藤原惺窩は姜沆にこんなことまで言いやがった。
「明と朝鮮の連合軍で日本を占領して欲しい」
藤原惺窩
「日本ではなく、中国に生まれたかった!」と嘆いた藤原惺窩が聞いたらビックリする話がある。
中国でいま、「精神日本人」が問題になっていることをご存知じだろうか。
「精神日本人」は藤原惺窩の逆で、「自分は中国人だけど精神的には日本人」と考える中国人を指す。
彼らは、中国の価値観や文化を否定し、自分が中国人であることさら恥じ、日本の日本軍国主義にあこがれを抱く傾向がある。
それで、旧日本軍の軍服を着てSNSにアップし、注目を集めようとする。
「精神的に日本人になりたがる中国人」が増えていることから、中国ではこれが政治問題になり、法律で規制しようする動きが出てきた。
レコードチャイナの記事(2018年3月7日)
*「精日」とは精神日本人のこと。
「精日分子、精日思潮は民族感情に対する重大な挑戦」と話す全人代代表の熊思東(シオン・スードン)氏は「15日間の行政拘留処分と道徳上の非難だけでは足りない」として早急の法整備による「民族感情保護」の必要性に言及
全人代(全国人民代表大会)では、法律だけではなくて教育も見直すべきだという意見も出たという。
中国ではつい最近、「南京事件(南京大虐殺)の死者はたったの30万人か。少なすぎた」などとネットに書きこんだ中国人がいて、警察に捕まる騒ぎがおきた。
これも「精神日本人」になるらしい。
このニュースに日本のネット民はこう思った。
・すげえな、全人代で話題になったのかよ
・意味がわからない…
・日本のアニメ見て日本を誤解してる 中国人も多そうだよなぁ
・あれだけ反日教育を施しているのに
・もう「日本文化圏」に取り込まれてるよ。
藤原惺窩さん、これがいまの21世紀の日本と中国ですよ。
中国でよく放送されている「抗日ドラマ」
「日本軍は中国にこんなにヒドイことをした!」と強調している。
なのに、なんで「精神日本人」が生まれるのか不思議。
おまけ
中国の鳳凰という街
アメリカの人種差別⑦NYは肌の色で警官に射殺される確率が違う
「精日現象」の本質は親日というよりは、むしろ人民による専制超特権組織・中国共産党への皮肉なのだと思う。共産党が日々「抗日抗日!」と大いに喚き続けるからこそ「日本」は今でも中国社会において非常に敏感な存在へと化している面がある。選挙権どころか抗議権すら持たないなど心に鬱憤を溜め込んだ膨大なる大衆にとって共産党が嫌がる精日行為は、そんな雲の上のような存在たる執権特権層への皮肉と静かなる抵抗の意の表明なのだろう。解る…
「精神的日本人」という存在は、反・共産主義の面をふくんでいるでしょう。
だから、共産党も本格的に摘発するつもりですし。
個人的には、なんでこんな中国人が生まれるのかよくわかりませんけど。