日本統治への台湾人の反応に驚いた!韓国人との考え方の違い。

 

韓国と台湾には、店員のやる気のなさという共通点がある。
コンビニやカフェで店員がしゃべってるわ、下を向いてスマホをいじってるわで超自由だし、接客態度もかなりラフ。
そして歴史的にみれば、韓国も台湾も日本の統治を受けていたという共通点がある。

台湾は日清戦争で日本が勝利した後から太平洋戦争で負けるまで(1985年~1945年)、韓国は1910年の日韓併合から敗戦まで日本に統治されていた。

でも、日本統治に対する考え方や態度が、韓国と台湾では大きくちがう。
韓国はいまでも日本に反省や謝罪を求めてくるけど、台湾にはそれがない。
”まったくない”とは言わないけど、外交問題になるほどではない。

韓国と台湾が一緒になって、日本に反省や賠償を求める動きもない。
もし韓国がそれを言い出しても、たぶん台湾は断る。
韓国と台湾は同じ経験をしていても、思いは共有していない。

 

 

少しまえに台湾人と話をしていて驚いた。
韓国人は旭日旗を「戦犯旗(戦争犯罪国の旗)」と呼んでとても嫌っている。
でもこれが今のように問題化したのは、2011年1月のサッカー日韓戦からといわれているから、けっこう最近のことだ。

 

 

「で、君はこの旭日旗をどう思う?怒らないから、しょ~じきに言ってみ」と台湾人に聞いたら、「別にいいですよ。日本は台湾の恩人ですから」と彼が言う。

えっ?恩人?
台湾を支配していた日本が?

これでも、少しは台湾のことを知ってるつもりだったけど、台湾人からこんな言葉を聞くとは思わなかった。
もちろんこれは彼個人の意見で、台湾を代表するものではない。
それに彼は本省人だったから、これが外省人だったらどう言うかは分からない。

とにかく少しまえに、こんなサプライズがあった。

 

そして今日、韓国紙・朝鮮日報でこんな記事(2018/05/08)を見つけた。

これまで韓国政府内では、行政安全部・国土交通部(いずれも省に相当)を中心に「鉄道の日は日本帝国主義の残滓(ざんし)なので日付を変更すべき」との意見が出ていた。

「鉄道の日」は日帝の残滓? 韓国政府が日付を変更へ

 

韓国と台湾がちがうのはこの点で、台湾ではこんなふうに「日帝残滓」が社会問題になっていない。
同じ日本統治という経験をしたのに、現在では日本に対する考え方や態度が全然ちがう。

先ほど日帝残滓は韓国の言葉だから、意味の分からない日本人は多いと思う。

例えば、同棲していたカップルが別れて、部屋には相手が使っていたモノがたくさんあったとする。
ここで、部屋に残った人の対応は2つに分かれる。
「これを見るとあいつ(あの人)を思い出す。気分が悪い!ムカつく!」と、その人が残していったモノを捨ててしまう。
それか、「これを見ると、あいつ(あの人)を思い出す。でも、まあいいや」と、そのまま部屋に置いておく。

大ざっぱに言えば「捨ててしまう派」が韓国で、「残してしまう派」が台湾になる。
韓国も台湾も日本によって植民地支配されていた。
この日本統治の影響は、韓国と台湾社会のいろいろなところに残っている。

それで、韓国に今でもある日本統治時代の遺物は「日帝残滓」と呼ばれている。
韓国人にとっては、これが不愉快で気分も悪い。

その思いは「残滓」という言葉に込められている。

「残滓」とは文字通り「残り滓(かす)としての捨て去るべき廃棄物」や「屑」という意味であり非常に差別的なニュアンスを含むが、主として韓国ではマスコミや日常会話でも使われるポピュラーな言葉であり

日帝残滓

韓国社会にある残りかすやくずだから、これはなくさないといけない。
だから「鉄道の日」も変えることにしたわけだ。

 

 

代表的な日帝残滓に「朝鮮総督府そうとくふ庁舎」がある。
朝鮮総督府とは、日本が朝鮮を統治するためにつくられた官庁のこと。
いまの日本でいえば、国会議事堂のようなもの。

この建物は日本の植民地支配のシンボルだから、1995年に壊されてしまった。

依然として屈辱の歴史の象徴であることには変わりはなく、保存か解体かの論議がしばしば再燃した。最終的には、かつての王宮をふさぐかたちで建てられていることから、反対意見を押し切り、旧・王宮前からの撤去が決まった。

朝鮮総督府

朝鮮総督府

 

韓国には日帝残滓が他にもたくさんある。

三三七拍子、朝会、運動会、修学旅行といったから、「家族、注意、交通、博士、文明、芸術、古典、講義な」といった言葉も日帝残滓だ。
さらには韓国語の「ありがとうございます」の「カムサハムニダ」も日帝残滓だし、韓国の通貨単位「ウォン」もそう。
ウォンを漢字で書くと「圓」で、これは「円」の旧字体。

そして「時間」さえも日帝残滓だ。
韓国と北朝鮮の標準時間を決めたのは日本で、北朝鮮はそれが気に食わなくて3年前に時間を変更した。
朝鮮日報の記事(2015年08月07日)

北朝鮮は7日、「日本帝国主義者どもが我が国の標準時を奪った」として光復(解放)70年にあたる今月15日から標準時間を現在使っている東京時から30分遅らせると発表した。

北朝鮮「日帝が標準時を奪った」…15日から30分遅らせる

でも北朝鮮は、2018年5月5日にまた変える。
30分早めて韓国と同じ時間を使うことになった。

「日本帝国主義者どもが我が国の標準時を奪った」という状態に逆戻りだけど、いいのかな?

 

台湾総督府の建物

 

こんな韓国に対して、台湾はまるでちがう。
韓国が「屈辱の歴史の象徴」として破壊した総督府の建物を、台湾はいまでも大切に保存している。

台湾総督府

台湾統治の官庁。1895年、台北に設置。初代台湾総督は樺山資紀。

当初は軍政をしいたが、1897年台湾総督府官制を定め、民生局後藤新平の下で統治体制を整備。隣保(隣や近所)組織を活用した警察制度、米・砂糖・樟脳・塩などの産業育成のほか、土地調査事業、同化・皇民化政策などを行った。

「日本史用語集 (山川出版)」

この時代、日本は台湾に鉄道やダム、学校などのインフラを整備した。

 

総督府の建物は、いまでは台湾を代表する観光スポットになっている。
「台北ナビ」から。

重要文化財に指定され、台湾と日本をつなぐ絆でもある総統府。台湾がもっと好きになれちゃう場所でもありました!

総統府

 

韓国では「日帝残滓」としてメチャクチャ嫌われているものが、台湾では「台湾と日本をつなぐ絆(きずな)」になっている。
韓国を「捨ててしまう派」、台湾を「残してしまう派」と書いた理由がこれ。

 

台湾の本品日商じゃなくて、日本商品

 

ここまで書いたように、台湾人と韓国人とでは、日本統治に対する考え方や態度がまったくちがう。

きわめつけはこれ。
これにはボクも驚いた。

台湾の南部に「飛虎将軍廟」という廟がある。
この廟は日本でいえば神社にあたる。

ここではなんと、杉浦少尉という旧日本軍の軍人を神としてまつっているのだ。
「フォーカス台湾」から。

今この廟を守るのは日本統治時代を経験していない人ばかりだが、「杉浦少尉の精神を伝えたいだけで、日本とか台湾とか関係ない」と笑う。

日本軍人を祭る飛虎将軍廟 地元関係者「精神を伝えたい」/台湾・台南

 

飛虎将軍廟には台湾の旗と日の丸がかかげられている。
写真は上の記事で見てください。

これを台湾人の女の子に聞いたら、こんなメールが返って来た。

日本軍の兵士を「軍神」とすることは私も初めて聞きました

でも、彼女は「私は気にしません」と言う。
これなら、旭日旗について「別にいいですよ。日本は台湾の恩人ですから」と言う台湾人がいてもおかしくない。

 

これは韓国なら絶対にあり得ない。

旧日本軍の軍人を神としてまつる場所なんて、大韓民国の中には1mm平方メートルもない。
代わりに慰安婦像が全土にあるけど。

「日本軍の精神を伝えたい」なんて言ったら、韓国では住めなくなる。
これはもう「日帝残滓」とは別次元だ。

 

さて今回は長文になってしまったわけだが、日本統治への台湾人と韓国人のちがいについては、分かっていただけたろうか。

 

台湾の中学校
日本だと「三年五組」だけど、台湾では「三年五班」。
たしか韓国の学校も「〇年〇班」だったと思う。

 

 

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2 件のコメント

  • 中韓共に昔の華夷秩序を基に日本と付き合いたいのでしょう。対等な対応をとる日本は謝罪の意識が無いと中国がおもったり、自分たちよりも劣っているべき日本が国際的評価を受けるのは狡い事をしたからだと韓国は考えているのだと思います。

  • これは私の実感ですが、中国は日清戦争で負けているから明治以降、日本には華夷秩序を当てはめていないと思います。
    韓国はまあ、日本が世界に認められると気分がよくないでしょうね。笑。
    でも最近、中国は日本に対して謝罪要求をしていないと思います。
    韓国が突出してます。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。