韓国に「ようこそ、韓国は初めてだよね?」という人気バラエティー番組がある。
ボクは見たことないけど、”外国人から見た韓国”を視聴者に紹介する内容だ。
「韓国にやって来た外国人は、韓国のどんなところにビックリしたり感動したりするのか?」
こういうことに興味を持っている韓国人は多いらしい。
その点は日本人も同じ。
「ようこそ、韓国は初めてだよね?」を知れば知るほど、「YOUは何しに日本へ?」とよく似ている。
この韓国のテレビ番組がつくられた背景をさぐっていくと、それでひとつの番組ができそうな気がする。
こういうことに興味を持っている日本人は多いらしい。
それはいいとして、こういう番組はいいと思う。
外国人の視線で自国をとらえ直すことで、韓国や日本がどんな国か見えてくるから。
「YOUは何しに日本へ?」か別の番組かは忘れたけど、日本に旅行で来たヨーロッパ人が日本のマンホールを「素晴らしい!」と言っていた。
日本のマンホールは都市によってちがう。
そのヨーロッパ人は、街の特徴を表したデザインが気に入っていた。
「マンホールのふただぜ?日本人はこんな小さなところにもこだわって、人々の目を楽しませようとしている。ヨーロッパ人にはない心づかいだよ」
そう言われて初めて、日本のマンホールの面白さや良さに気づいたこともあった。
「日本は、街を楽しくかわいくするのがいい」と言うアメリカ人もいた。
5月10日放送の「ようこそ、韓国は初めてだよね?」では、3人のスペイン人が韓国の街で驚いていた。
スペイン人は韓国の何にビックリしたか?
彼らは、見た目のわりには中身の少ないポテトチップスや、トイレで紙を流せないことに衝撃を受けたという。
おっとちがった。
それは、韓国を旅行したボクの知り合いの感想だった。
スペイン人が韓国で印象的だったのは「荷物をたくさん積んで走るバイク」。
韓国の街ではそんなバイクがふつーに走っているけど、スペインではあり得ない。
こんなにたくさんの荷物を載せたバイクがあったら、スペインでは、警察につかまって罰金を取られるレベルという。
でも残念ながら、このスペイン人の感想は韓国人の共感を呼ばなかったらしい。
レコードチャイナの記事(2018年5月14日)に、韓国のネットユーザーのコメントがある。
「いやいや、それは東南アジアの風景。韓国は日本と東南アジアの中間」
「正直言ってスペインは先進国じゃないでしょ」
「スペインよりも韓国の方が治安がいいと思うけど」
「韓国は世界の先進国だ!」という外国人の感想が韓国人の大好物。
中には、スペイン人の言葉を素直に受け入れる人もいた。
「安全法規がそれだけお粗末な国ということ」「先進国であればあるほど、安全法規も比例する」
「それは東南アジアの風景」と韓国人は言うけれど、ホンモノの東南アジアの風景はこれ。
韓国ではきっと捕まる。
画像は、カンボジアでお世話になったローズというガイドのブログから。
韓国では「ようこそ、韓国は初めてだよね?」、日本では「YOUは何しに日本へ?」が人気なのは、韓国人も日本人も外国人の視線に興味があるから。
日韓にはそんな共通点がある。
自国を再発見する楽しみもあるはず。
日本と韓国の特徴は同一性の高さにある。
国民の95%以上が同じ民族(大和民族・韓民族)という国は世界でも少ない。
それでちょっと前は、「単一民族国家」という言葉を使う人が日本にも韓国にもいた。
韓国では今でも、この言葉を使っている人がいるかもしれない。
ボクが聞いた限りでは、欧米ではこれがない。
アメリカ人、イギリス人、オーストラリア人から聞いた話では、「YOUは何しに日本へ?」のような番組は、母国で見たことがないと言う。
これらの国では、白人・黒人・ヒスパニック・アジア人・アラブ人などいろいろな人種の人間がいる。
だから、「外国人はこの国をどう感じるか?」ということにはあまり興味がないらしい。
アメリカ人やイギリス人に「単一民族国家を英語で何と言うのか?」を聞いてみたことがある。
彼らは「そんな言葉は使わないから、適切な言葉が分からない」と言う。
もちろん、辞書には載っている。
「racially homogeneous nation」「ethnically homogeneous nation」とあるけど、これは一般的な言葉ではない。
こういう国の人は、外国人の視線なんて気にならないのだろう。
「ようこそ、韓国は初めてだよね?」の番組を見た韓国の人たちは、「大量の荷物を載せてるバイクなんてあり得ない!」というスペイン人の感想には不満だった。
同じ番組で、前にもそんなことがあった。
韓国のパンを食べたイギリス人が「civilized」と言う。
その場面を見た韓国人は「これは明らかな人種差別」「この番組で悪いイメージを抱いた外国人は初めて」と気分を悪くする。
そのことはこの記事をどうぞ。
韓国人、イギリス人に「人種差別!」と怒る。英語ってむずかしい。
同じことは日本人でもある。
「外国人の意見なら何でもいい」というわけではない。
自分が求めていた感想なら共感するし、自分の見方とちがうものには反発する。
ユリウス・カエサルが言ったような「人は自分の見たいものしか見えない」という状態だ。
人間ならば誰にでも、現実の全てが見えるわけではない。多くの人たちは、見たいと欲する現実しか見ていない
「ルネッサンスとは何であったのか 塩野七生 (新潮文庫)」
こういう人なら、日本にも韓国にも欧米にもいる。
おまけ
ソウルの町並み
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