W杯で日本人のゴミ拾い←世界とちがう”韓国独特”の反応

 

今回のW杯ロシア大会で、ベルギー代表のムニエ選手が「最高の思い出」と言った場面がある。
それは決勝トーナメントの1回戦で日本と戦ったとき、後半途中までの2点差をひっくり返して、3点をたたき込んでベルギーが逆転勝ちを収めた。
ムニエ選手にとってこの瞬間が最高だったらしい。
まあ、勝利を予感していた日本人には「最悪の思い出」でしかないのだけど。

ベルギーに逆転負けをくらって、茫然自失レベルのショックを受けたとしても、日本人サポーターが試合後に”アレ”をおこなうのは忘れない。
世界的に知られるようになったゴミ拾いを、イギリスのBBCスポーツは「Absolutely class(気品礼儀正しさ)」と称賛する。

 

「STILL」と全て大文字で書いてあるのは、その部分を強調している証拠。
「日本は試合に負けた。それにもかかわらず、ファンはその場に残ってゴミ拾いを始めた」という感じだ。

 

日本人の振る舞いに外国人がどう思ったか、上の投稿に寄せられたコメントを拾ってみよう。

・Fifa should give them the fair play award.
FIFAは彼らにフェアプレー賞をあたえるべきだね。

・Free tickets for next world cup.
次のワールドカップの無料券だな。

・Unlucky in the game, but showed class.
試合は残念だったけど、礼儀の正しさ(気品)を見せた。

・Japan have won a lot of supporters in this World Cup both on and off the pitch. Class act all round.日本はこのワールドカップで、ピッチの外でも中でも多くのサポーターを手に入れた。

・Thank you Japan, you entertained us all.
On the field you fought like Samurais, even you managed to take a lead on a team like Belgium. And off the field, you taught us humility and humbleness.
ありがとう日本。
君たちは私たち全てを魅了した。
フィールドの中ではサムライのように戦い、フィールドの外では、私たちに謙虚さを教えてくれた。

 

今回のW杯ではたくさんの海外メディアが、日本人サポーターの”お掃除”を取り上げて世界に報じていた。
すると、上のような称賛のコメントが世界中から寄せられる。
でも、韓国の反応はそれとは違って独特だった。

 

 

韓国は基本的に日本が気になるから、何かあるたびに比較してその一挙手一投足に一喜一憂する。
例えば去年、トランプ米大統領が日本と韓国を訪問したときにも、「韓国は日本より上か下か?」ということが重大な関心事になる。
トランプ大統領の韓国滞在が日本より1日短いことが分かると、ハンギョレ新聞はこんな見出しの記事を書いた。(2017-10-18)

韓国よりも日本に1日多く滞在するトランプ大統領…韓国冷遇?

日本より1日少ないというのは、韓国的には無視できることではない。
これが逆なら、日本の全国紙が「日本冷遇」と報じることはない。そこまでの国民的な関心はないなら。

また中央日報は、日本が高級和牛でトランプ大統領をもてなしたことを報道し、「私たちは何で彼の心を溶かすのだろうか」と書く。
*韓国政府が晩さん会に用意したのは「独島エビ」で、日本人の心は破壊された。

韓国は日本が気になって気になって、常に「上か下か?」の格付けをしている。
でも、アメリカ人にその感覚はまったく理解できないから、朝鮮日報のコラム(2017年11月9日)が専門家がこう呆れる。

米国の韓国専門家も「韓国はなぜ日本、韓国の首脳とどこで何時間、何をしたか」を基準にして、それよりも格上の待遇を要求し、形式にばかりこだわるのかと指摘する。

「トランプ来韓、日本との比較ばかりで国益は守れるのか」

くわしいことはこの記事を。

上か下か?日本と比較したがる韓国に、アメリカ人も”why”?

 

韓国は日本を強烈に意識していて、アメリカ人でも理解できないほどライバル視する。
だからW杯でのゴミ拾いについても、他国の人とは違った反応が出てくる。

レコードチャイナの記事(2018年7月5日)

「あまりに平凡な日本人の姿」W杯で日本が見せた“感動ショー”を韓国の専門家が分析

日本人が世界に称賛されると、韓国人は自信を失ってしまうらしい。
それを警戒する高麗大学の教授はこう話す。

「欧米人と比較して韓国の意識レベルは低くない。これを忘れず、さらに発展させられるよう努力することが合理的」

これは韓国サポーターの代表者の声。

「海外メディアが日本だけに注目したからといって国を卑下するのではなく、引き続き先進的な応援文化を作っていく」

「FIFAは彼らにフェアプレー賞をあたえるべきだね」と外国人がホメるのを聞くと、韓国の意識レベルは低いんだと卑下する人が出てくる。
日本人にはチョット分からない感覚だけど、韓国の対抗心を考えると納得できる。

韓国の日本専門家は、日本人の「迷惑への意識」はとても強いから、スタジアムでのゴミ拾いも特別なことではなく、「あまりにも平凡な日本人の姿」と指摘してこう話す。

「日本では幼稚園の時から実習を通じて公衆道徳意識を子どもたちに教える。その結果、このような意識が社会的なルールとして形成される。その意識は外国に行っても変わらない」

 

BBCスポーツが「Absolutely class(気品礼儀正しさ)」と書くと、なぜ韓国では「自虐ムード」が広がるのか?
世界が日本に注目しても、「コリアパッシング(韓国無視・軽視)」にはつながらないし、トランプ大統領が日本に1日多く滞在してもそれは「韓国冷遇」ではない。
先ほどのアメリカ人のように「韓国はなぜ日本にこだわるのか?」と思ってしまうのだけど、韓国社会にはこんなムードがある。
日本人のゴミ拾いについて世界のいろいろな声を見てきたけど、こんな反応があったのは韓国だけだ。
あと、「ごみだけではなく、まずは恥ずべき(歴史的)過去もきれいに整理してほしい」というコメントも韓国以外で見たことない。
韓国はもう「日本より上か下か?」で一喜一憂するのはやめるべき。
日本人まで巻き込まれて疲れてしまう。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。