いまの日本では、修学旅行で海外に行く高校はあたり前のようにある。
現地の高校生と交流したり、いろいろな文化体験をしたりするのはいいこっちゃ。
でも、政治教育はノーサンキュー。
ＨＥＬＬ ＮＯ！
例えば、韓国の元大統領（2008年～2013年）李明博氏が計画していたことは、日本の修学旅行にはふさわしくない。
よくこんなことを考えるな。
ソウル南山に建設されるユースホステルに日本の修学旅行生を誘致して竹島（韓国名・独島）領有権や日帝（いわゆる「日本帝国主義」の韓国での呼称）の残虐性について学習する機会を設ける計画を考案。
日本からすれば「反日教育」なのだけど、韓国ではたぶんこれが「国際教育」になる。
韓国の政治家やマスコミは、「正しい歴史を学ばないと、日本はアジアや世界から孤立することになる」とよく心配してくれていたから。
だが断る。
修学旅行なら、キムチ作り体験や王宮見学でいい。
韓国に行くのはいいけど、領土や歴史認識などの政治を混ぜてはいけない。
ここ数年、修学旅行先を台湾にする学校が増えているのもわかる。
いまから３年前、韓国の全国紙・中央日報はコラム（2015年08月17日）で、こんな日本観を披露していた。
日本には安倍首相と右翼だけが存在するのではなく、常識が通じる良心勢力が少なくないという事実だ。
我々が手を握るべき日本人たち＝韓国
韓国にとっての「常識が通じる良心勢力」には、「（日本は）韓国人が受け入れるまで謝るべきだ」と言う鳩山由紀夫元首相がいる。つまり、絶望的に少数だ。
日本への韓国の見方に、「安倍首相＆右翼 vs 良心勢力」というものがある。
この認識は2018年のいまも変わらない。
安倍首相は現在も日本の首相だし、韓国の新聞は「日本の右傾化が深刻で～」とよく危機感を表している。
韓国的にはタッキー＆翼、いや、安倍首相＆右翼は「反韓国勢力」になる。
だから、鳩山氏のような韓国の常識が通じる日本人が増えてほしい。
良心勢力を拡大したいのだ。
そういう気持ちがあるからだろうけど、今年８月に日本の高校生が修学旅行で来たとき、韓国側は大歓迎している。
修学旅行で韓国を訪れたのは智弁学園グループの高校だ。
前回の記事で、韓国メディア「インサイト」が取り上げたことを書いた。
韓国を代表する通信社「聯合ニュース」も、この修学旅行を記事（2018/07/09）にしている。
智弁和歌山校など３校 修学旅行で韓国・慶州に＝今年で４４年目
この記事には、前理事長の意思として「日本による韓国の植民支配を謝罪し、日本文化の源流が新羅と百済にあることを生徒に教えたい」と書いてある。
前理事長の考え方は鳩山由紀夫氏と同じ。
韓国にとっては「常識が通じる良心勢力」だ。
でも、注意してほしい。
これは前理事長個人の考えで、いまの智弁学園は別。
ホームページには修学旅行の目的として、国際理解を深めることや国際人の資質をやしなうことなどが書いてある。
前回も書いたけど、智弁学園は「謝罪修学旅行」なんてことはしていない。
くわしいことはホームページの記述をご覧ください。
この記事では、学校側ではなくて、韓国側の見方を紹介したいと思う。
読者に伝えたいことは、韓国社会の価値観や考え方、日本に対する見方だから。
ただ、変な誤解を受けないためにも、学校側は「これは国際理解が目的で、謝罪ではない」とハッキリ否定したほうがいいと思う。
純粋な修学旅行が韓国側に利用されないか不安ですよ。
李明博元大統領の考え方は韓国ではふつうだし、同じような人は他にもきっといる。
学校の考えはどうあれ、韓国メディア「インサイト」も「過去の日本の植民地支配を謝罪したい」という理由で、この修学旅行生が韓国に来たと書いている。
韓国がこういう高校生を歓迎しないわけない。
先ほどの聯合ニュースの記事では、盛大な歓迎会が開かれてチュ・ナクヨン慶州市長が「両国の生徒の交流が多いほど韓国と日本の関係は明るくなる」と話したと書いてある。
交流先の学校が歓迎会を開くことはよくあるとしても、修学旅行生をホテルに招いて市長があいさつをするというのは異例では？
さっきも書いたけど、いまの日本に対する韓国の見方に「安倍首相＆右翼 vs 良心勢力」というものがある。
2014年の中央日報なんて、安倍首相を“公共の敵”とまで書いた。
そのことはこの記事をどうぞ。
日本の新聞が韓国大統領にそう書いたら、とんでもないことになる。
アニ・レオンハートなら「韓国…日本があんたの…良い人でよかったね」とでも言ってるわ。
とにかく、いまの韓国がメチャ不安なことは、日本がどんどん右翼化すること。
一般の日本人までが、韓国の“公共の敵”になってしまうこと。
そんな動きを食い止めて「常識が通じる良心勢力」を維持・拡大するためには、訪韓日本人を増やすことが大切。
韓国でいい思い出をつくって、それをSNSで発信してもらう。
それには日本の若者が最適だ。
日本の修学旅行生に市長が歓迎のあいさつをした背景には、そんな思いがあるはず。
韓国はいま、日本人の”韓国離れ”を警戒しているから。
でも、だったらやり方を変えたらどうか？
韓国の常識が通じる日本人を増やすのではなくて、自分たちの常識を変えたらいい。
「日本には安倍首相と右翼だけが存在するのではない」というのはあたり前。
「首相と右翼しかいない」という日本への見方がそもそも的外れだ。
いまの旭日旗問題もそうだけど、韓国の常識は日本に通じなくなっている。
「海上自衛隊の艦船は旭日旗を降ろせ」という韓国の要求に対して、日本側（海上自衛隊幹部）は「非常識だ」と反発した。
反日感情にもとづく常識は、日本では非常識でしかない。
良心勢力を増やたいなら、歓迎会を開くより、韓国の常識を変えたほうが早い。
韓国が変わらなかったら、日本の高校は台湾を選ぶだけだ。
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