いまの世の中、いつ何が起きるかまったくわからない。
例えば、ある日とつぜん、幽霊や悪霊と出会ってしまったらどうすればいいか?
ボクは会ったことがないけど、「見た」という友人はいる。
深夜、胸が苦しくなって目を覚ますと、女性が自分の上に正座で座っていた。
その女性と目があう。
でも、体は指ひとつ動かせなかった。
常識的に考えれば、酔っぱらって帰宅した葛城ミサトなんだろうど、本人は「夢じゃない!あれは幽霊だ!」と言いはる。
まー呪わてるのはオマエだし、こっちは何でもいい。
もしあなたがそんな体験をしたら、とりあえず「九字(早九字)」を唱えてみよう。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前(りん・ぴょう・とう・しゃ・かい・じん・れつ・ざい・ぜん)」と言えばいい。
九字(くじ)には、それぞれ呪力が込められている(とされる)。
この九字の意味は「臨む兵、闘う者、皆 陣列べて前に在り」。
中世の日本では、九字を唱えることで神や仏の力を得ることができ、身を守ったり戦いに勝利したりするなどの利益があると考えられていた。
武士が戦いの前にこの言葉を発することもあれば、忍者が呪術として使うこともあった。
映画「天と地と」で、上杉謙信が戦いに出かける前、毘沙門天に向かって刀を振って九字を唱えていた。
戦国時代には他の大名もしていたかもしれない。
*九字にはいろいろな種類がある。
くわしいことを知りたかったら、こちらをどうぞ。
九字(くじ)は、道家により呪力を持つとされた9つの漢字。
ヤフー知恵袋では、九字に関する質問がたくさんある。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前」の九字に印を加えると、日本人オリジナルの九字護身法(くじごしんぼう)になる。
*印とは、指を折り曲げた形で仏や菩薩の力を表すものをいう
「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前」の九字の呪文と九種類の印によって除災戦勝等を祈る作法である。ただし本来は仏教(特に密教)で正当に伝えられる作法ではなく、道教の六甲秘呪という九字の作法が修験道等に混入し、その他の様々なものが混在した日本独自の作法である。
修験道の考えでは、九種類の印にはそれぞれ、毘沙門天・十一面観音・如意輪観音・不動明王・愛染明王・聖観音・阿弥陀如来・弥勒菩薩・文殊菩薩の力がある。
これで倒せない悪霊はいないはず。
倒れてくれなかったら、すみやかにあきらめよう。
九字や九字護身法は、オカルト系や不思議アヤシイ系のマンガやアニメでけっこう出てくる。
例えばこんな感じ。
映画:魔界転生、梟の城 owl’s castle、新・影の軍団シリーズ
テレビドラマ:スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇
マンガ:陰陽師 東京BABYLON 孔雀王
ゲーム:天誅
アニメ:セーラームーン RDGレッドデータガール ゴーストハント
アニメや漫画では、陰陽師がよく悪霊退治法として九字を使っている。
個人的には孔雀王の九字が印象的。
さあ今夜、自分の胸の上に誰かがいたら、九字を唱えてみよう。
上杉謙信の時代でも現代でも、日本人の宗教観は本質的に変わっていないのかも。
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