この前ヨーロッパを訪問した安倍首相はある女性と会っていた。
その女性の名はチッチョリーナという、わけがなくてオードレ・アズレという人。
アズレ氏はいま国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の事務局長をしている。
ユネスコのトップにいる人だ。
日本の首相とユネスコ事務局長が何を話していたのか?
共同通信社の記事(2018年10月19日)を見てみよう。
両氏はユネスコが重要性を認めた文書や絵画などを保護、公開の対象とする「世界の記憶」(世界記憶遺産)の登録制度改善に向けて連携していく方針で一致した。
「世界の記憶」制度改善へ連携
世界記憶遺産とも呼ばれる「世界の記憶」とは、文部科学省の説明によるとこんなもの。
世界的に重要な記録物への認識を高め、保存やアクセスを促進することを目的とし、ユネスコの事業として1992年に開始された。
人類が忘れてはいけない歴史資料を保存して、できるだけ多くの人に見てもらう。
ユネスコがおこなっている重要な仕事だ。
「世界の記憶」に登録されたものには「アンネの日記」、「マグナ・カルタ」、「ベートーベン直筆の交響曲第9番楽譜」、「ヒッタイトのくさび形文字を記した粘土板」などがある。
世界中の高校生が習うようなもので、まさに人類の宝。
「世界の記録」に登録されるには、当然それなりの審査をパスしないといけない。
でもその審査が”問題アリ”なのだ。
審査は非公開でおこなわれていて、ユネスコの中立性や政治的利用が懸念されていた。
そういうことで今回、安倍首相とアズレ氏は、登録制度の改善に向けてタッグを組むことになったわけだ。
首相も「計画の採択を歓迎する。日本も協力したい」とやる気を見せている。
日本が不安なのは、ユネスコが政治的に利用されること。
具体的に言えば、慰安婦資料が世界の記憶として登録されてしまうことだ。
いまから1年ほど前、朝鮮日報がアズレ氏の言葉を引用して、こんな記事(2017/11/13 )を載せていた。
「加盟国間の確執を招く可能性のある問題はできるだけ避け、団結を図らなければならない」と明らかにした。AFP通信などが報道した。ユネスコ次期トップのこうした発言で、従軍慰安婦関連記録物が「世界の記憶」(ユネスコ記憶遺産)に登録される可能性がいっそう不透明になったとの見方が出ている。
慰安婦関連記録物、ユネスコ登録さらに困難に
ここで改めて確認しておこう。
そもそもユネスコとはなにか?
ユネスコとは「諸国民の教育、科学、文化の協力と交流を通じて、国際平和と人類の福祉の促進を目的とした国際連合の専門機関」というところ。
加盟国が争うのではなくて、団結を図るところだ。
アザレ氏がこんなことを言うのは、ユネスコを政治利用しようとする勢力がいて、多くの人がウンザリしていたから。
「対立ではなくて協力を」というアザレ氏の思いには同意と賛成しかない。
それによって登録できなくなるような資料なら、その資料に問題がある。
それが朝鮮日報のいう従軍慰安婦関連記録物、いわゆる慰安婦資料だ。
この資料では慰安婦を「性奴隷」と主張している。
でもそんな事実は確認されていないのだから、ゆがめられた歴史を人類の宝にすることはできない。
結局、慰安婦資料は世界の記録にはならなかった。
ハンギョレ新聞の記事(2017-11-01)にそのことが書いてある。
ユネスコが日本軍慰安婦被害者関連資料の「世界の記憶」(世界記憶遺産)への登録を結局保留した。日本の勝利に終わった今回の決定について、日本政府は「適切な対応」だとして歓迎する立場を明らかにした。
ユネスコ、慰安婦記録物の世界記憶遺産への登録を結局保留
ユネスコに加盟国の対立や混乱はいらない。
それでユネスコは、登録される資料について関係国の間で意見の違いがある場合は、登録を保留することを決めていた。
それで慰安婦資料は認められなかったのだ。
ハンギョレ新聞は「日本の勝利に終わった」と書いたけど、それは正確ではない。
日韓友好を願う人とユネスコでの混乱を嫌う人にとっての勝利だ。
ユネスコを政治的に利用してよろこぶのは一部の人たちだけ。
安倍首相がユネスコの制度改革について「日本も協力したい」と言った背景には、慰安婦資料の登録阻止があるはず。
この資料を世界の記録にすることを、まだ諦めていない人たちがいる。
だから安倍首相はユネスコ事務局長に働きかけて先手を打ったわけだ。
地味なことだけど、大切な仕事をしている。
いっそのこと、慰安婦問題の日韓合意を「世界の記録」にしたらどうか。
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