日本海に「呼称問題」があるなんて、まったく知らなかった。
初めてそれに触れたのは、25年ぐらい前、マレーシアを旅行していたときのこと。
そのとき泊まっていた宿の壁に世界地図があった。
海外のゲストハウスでそれは珍しくないけど、その宿にあった世界地図は変わっていた。
「Japan Sea(日本海)」に線が引かれていて、その上に「EAST SEA」という文字が書かれている。
もともとの地図には「Japan Sea」と書いてあったのだけど、何者かがそれを消して「EAST SEA」と手書きした。
ちょうどこんな感じ。
EAST SEA
Japan Sea
日本海が消された理由が分からないし、「EAST SEA(東海)」という言葉も初めて見た。
このときは「これは何だろう?」と首をひねったけど、いまではよく分かる。
これをやったのは、99.9%韓国人だ。
これは大韓航空かアシアナ航空の地図
ここに「日本海」は存在しない。
日本をはじめ世界中で「日本海」の名称は定着している。
でも、1992年に「ちょっと待った」と韓国が異議を唱えて、「日本海呼称問題」がはじまった。
だからこれは新しい現象だ。
韓国は、問題ではないものを問題視することで問題にさせる。
これは旭日旗問題でも同じ。
日本にとって頭が痛いのは、「韓国人による問題化」という問題だ。
この発想がある限り、問題はつねに生まれ続ける。
韓国側の主張は、「『日本海』という呼び方は、日本が植民地時代に世界に普及させた呼称で、正しい名称は『東海』だ」というもの。
韓国は1992年に国連で、「日本の植民地主義の結果だ」と言っている。
韓国で善悪は反日感情によって決まってしまう。
こうなると、「東海」という呼称は日本帝国主義の“犠牲者”だ。
それから、官民挙げて日本海を東海に“正す”運動が、世界規模で展開されるようになった。
ボクがマレーシアの宿で見たのも、そのキャンペーンのひとつ。
地図の表記を韓国史観で書き変えてしまう行為は、世界中で行われていた。
いまもどこかでやっているのでは?
でも、「日本海」の呼称は国際的に確立している。
外務省ホームページには「国際社会において、国連をはじめとする多くの国際機関によって認められています」とハッキリ書いてある。
日本の植民地支配の結果、日本海が広められたという韓国の主張も明確に否定している。
また「国連も米国政府も日本海呼称を正式に使用しています」ということで、国際社会は韓国の主張を相手にしていない。
でもいま、それが大きく変わってしまうかもしれない。
ここにきて、「東海」が新しい国際標準になってしまう可能性が出てきたのだ。
産経新聞の記事(2019/01/19)
日本海呼称変更めぐり日韓朝が非公式協議へ 東海改称や併記現実化の懸念も
日本海を東海へ変えることや日本海と東海の併記を求め続けていた韓国や北朝鮮に、国際水路機関(IHO)が押し切られてしまった。
IHOは世界の海洋名称をまとめた指針を刊行する立場にあって、世界に大きな影響力をもっている。
その国際機関が日本に、韓国や北朝鮮と協議するよう要請してきた。
この問題について日本が両国と話をしても、「絶対にまとまらない」という結果は目に見えている。
でも次のIHO総会で、韓国と北朝鮮の主張が認められると、東海という呼称が「国際標準」になってしまうかもしれない。
この事態にあわてた日本は韓国・北朝鮮と協議をおこなう予定だけど、この先、日本海の呼称がどうなるか分からなくなった。
外務省ホームページには、「韓国及び北朝鮮の主張は、根拠のないものであり、これを押し通すには大きな無理があります」とあるけど、無理が現実になってしまうかもしれない。
IHOを動かして日本に協議するよう要請させただけでも、韓国の“外交的勝利”だ。
マレーシアの宿で「東海」を見て以来、まさかこんな日がくるとは思わなかった。
「根拠がなくても、声の大きさで国際的な事実になってしまう」ということが起こりそうでコワい。
おまけ
日本の主張はここで確認くだされ。
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