インドの北部と南部、食文化の違い。器にもカースト制の影響が。

 

インドはデカい。
日本の9倍ほどの面積があって、東西南北で人や宗教が別の国のように違う。

 

広大なインドには言語がたくさんあって、インド人同士でも、言葉が通じないことが珍しくない。
このまえ北部出身のインド人と南部出身のインド人とカレーを食べに行ったとき、彼らは共通語の英語で会話をしていた。
そのことはこの記事をどうぞ。

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同じ国籍の人間が外国語で話をするというのも変な感じだけど、この多様性こそインド。

 

インドの北と南では食も違う。

彼らに話を聞くと、日本によくあるインドカレーは北部のものらしい。

 

大ざっぱにいえば、北部は小麦が中心、南部は米が中心の食文化。

インド北部ではカレーにナンやチャパティをつけて食べるのが一般的で、南部では日本のようにお米が多い。
寒くて乾燥している北部では小麦、温暖で雨の多い南部は稲作に適しているから、食文化も現地の自然に応じたものになる。

ただ実際にインドへ行ってみると、北部ではナンより薄いチャパティの方がよく食べられている。

チャパティは安くて簡単に作れる庶民の味方。
ナンはちょいと高い。

 

チャパティを油で揚げると、風船のようにふくらんだプーリーという食べ物になる。

これは在日インド人の家でごちそうになったもの。

 

インド北部では、サモサという軽食をよく見る。
「インドのコロッケ」のようなもので、野菜などの具材を小麦粉の皮で包んで揚げたもの。

 

一方、南部ではドーサというクレープみたいな軽食がある。
この皮にはお米が使われている。

 

日本はお米の国だから、麦の食文化にはあんまりなじみがない。
そもそも「麦」という日本語にあたる英語がない。
英語では「barley(大麦)」や「wheat(小麦)」などと種類ごとに呼んでいるから、すべてをひっくるめた「麦」という言葉がないという。

鎌倉時代には二毛作で稲と小麦がつくられていたし、日本人はうどんやそばを食べていたから麦の食文化もあるけど、日本食といったらまずはやっぱり米でしょ。
その意味では、北より南インドの食文化に近い。

 

他にも南インドでは、バナナの葉をお皿代わりにすることがよくあるという。
この記事上の写真がそれ。
食事の器がバナナ・リーフというのはとても南国らしい。
葉っぱだから、そこらに捨てても自然にかえっていく。

食事でバナナの葉を使う理由には、「違うカーストの人間が使った器で食べたくない」という意識も影響しているとか。

 

おまけ

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。