10年ほど前に韓国旅行に出かけ、仁川空港に降りた後、バスに乗って市内へ行った。
目的地のバス停で見た光景はなかなか衝撃的だった。
このときは2010年で、1910年の日韓併合からちょうど100年周年だった。
それで「強制併合」というパワーワードを見て、「いま韓国は反日ムードが高いのか?」とビビったのだけど、結果から言うと、旅行中にそんな気配は一度も感じなかった。
当時の歴史について韓国では自国を「被害者」、日本を「加害者」と考えている。
だから、「強制併合」、「強制徴用」、「(慰安婦の)強制連行」といった感じに、いろいろな出来事に「強制」を付けて日本の加害性を強調することが一般的だ。
中央日報のコラムにあるこの一文も、そんな国民感情を背景にしている。(2019年04月08日)
日本の不法植民支配は厳然たる事実であり、堂々と直視しなければいけない。
まだ日本は敵なのか=韓国
日本の不法植民支配は事実であるーー。
それは韓国の見方であって、日本はそう認識していない。
産経新聞の記事によれば、国際社会は日本と同じ理解をしているようだ。(2001年11月27日)
英の学者ら「日韓併合不法論」支持せず 韓国主張崩れる
「日韓併合は不法だ!」という韓国側の主張は、世界の専門家によって否定されてしまった。
ということでこの記事は終わり。
…となってもいいのだけど、もう少しくわしく見ていこう。
アメリカのハーバード大学で開かれた国際学術会議で、国際法の専門家である英ケンブリッジ大学のクロフォード教授らはこう見解を述べた。
「自分で生きていけない国について周辺の国が国際的秩序の観点からその国を取り込むということは当時よくあったことで、日韓併合条約は国際法上は不法なものではなかった」
弱い国が強国に吸収されていた帝国主義時代、日本の対応に法的な問題はなかった。
韓国にとっては残酷な意見だが、これが現実だ。
韓国側が併合を不法とみる根拠に「強制性」がある。
「あれは日本によって強制的にされたものだから、国際法に反する」という主張なのだけど、それも専門家にこう一蹴された。
「強制されたから不法という議論は第一次世界大戦(1914~18年)以降のもので当時としては問題になるものではない」
ほかにも韓国側は不法論の根拠として、「あの条約には国王の署名がなかった」と主張する。
専門家的にこれはどうなのか?
日本の原田教授が日韓保護条約(1905年)についての「日省録」や 「承政院日記」といった韓国側の資料をくわしく分析したところ、「高宗皇帝は条約に賛成し、批判的だった大臣たちの意見を却下していた」という事実を明らかにした。
さらにイギリスの学者などから、「併合条約に国王の署名や批准がなかったことについても、国際法上必ずしも必要なものではない」とする見解が原田教授の後押しをする。
これで韓国側は撃沈した。
こんな感じで、1910年の日韓併合条約は「不法だった」と主張する韓国に対し、世界の専門家は「合法だった」と結論づけている。
上の記事は、「国際舞台で不法論を確定させようとした韓国側のもくろみは失敗に終わったという」とこれまた残酷なことを書いている。
ちなみに、この学術会議はそれまでに2回おこなわれていて、今回が最終的な結論を出す場だった。
さらに言うと、これは「韓国政府傘下の国際交流財団が財政的に支援し韓国の学者の主導で準備された」ものだから、自分たちが用意した場で、自分たちの大事な主張が否定されたことになる。
策士策におぼれるというか…。
1965年に日韓が国交正常化の交渉をしたときにも、「合法・不法」が激しく議論されたけど、結論は出ず、「今や無効」というあいまいな表現で片付けてしまった。
ハッキリとした決着をつけなかったから、解釈の余地が生まれ、このあと日韓でいろいろな問題が浮上する。
ということで、本日の結論。
「日本の不法植民支配は厳然たる事実であり、堂々と直視しなければいけない」という説は韓国では正しい。
でも、日本は認めていないし、海外の専門家も「日韓併合は合法だった」と否定している。
日本人なら、その厳然たる事実を知っておいていい。
こちらの記事もいかがですか?
韓国の除夜の鐘①ソウルの普信閣・鍾路・明洞の観光(歴史)案内
「日本は韓国の植民地だった」て事か。
ええ~っと、どういうことでしょう?