「日本列島の雰囲気は冷たかった」
そんなため息から始まる中央日報のコラム(2019年06月03日)を読むと、いまの日本と韓国の雰囲気や韓国の日本への見方がよくわかる。
なぜ日本は「いっそ韓国はいないことにしよう」というのか
これを書いた韓国人が「冷たい」と感じた理由は、日本に行ったらいろんな人からくり返し「なぜ韓国は国同士の約束を守らないのか」と聞かれたから。
日本人からしたらこれは当たり前。
慰安婦問題や徴用工問題については、1965年と2015年にそれぞれ「最終的な解決」を確認したはずなのに、いまになって「あれは解決してない」と言い出すのだから。
日韓関係の根幹にかかわる重要な約束を二度もひっくり返したら、「なぜ韓国は~」と韓国人に聞きたくなるのは当然だ。
でも、というかこれこそ韓国人の発想なんだけど、約束を破った側が被害者意識を持ってしまう。
明らかに私たちのほうが慰安婦・強制徴用の被害者なのに、ある瞬間加害者に転落した。澄んだ精神では受け入れ難い反転だ。
バカにするわけではなくて、「澄んだ精神では」というところで本当に笑ってしまった。
日本と韓国はもう加害者と被害者ではなくて、対等な関係になったはずだ。
それに「ある瞬間」というのは、約束を破った瞬間にきまってる。
なんで精神が澄んでいると、これが受け入れられないのか?
そもそもこれは精神よりも認知の問題だ。
このあとコラムは、日本が韓国に腹を立てている背景を述べる。
韓国政府が「司法手続きに行政府が介入するのは三権分立に反する」と言って、徴用工訴訟問題について何の対応策も発表していない。
日本は半年以上待っているのに、韓国側は司法を言い訳にして何もしない。
だから日本が「このような韓国に侮辱を感じている」という指摘はそのとおり。でも屈辱より、不誠実に対する怒りだ。
こういうことがあるから、今月大阪でおこなわれるG20首脳会議でも、安倍首相は文在寅(ムン・ジェイン)大統領との首脳会談には応じない方針だ。
韓国に対する日本の視線は冷え切っている。
日本の政界・財界のなかでは、「韓国の話を取り出そうものなら『あなたバカではないか』という雰囲気」だったという。
韓国を重視する日本人は、もはや絶滅危惧種への指定が必要なほど少なく(これはボクの表現)、「韓国はいないことにしてやっていこうという雰囲気」が日本では支配的だ。
実際これはその通りで、日本政府は前から「戦略的無視」を続けている。
日韓関係と正反対なのが日中関係だ。
ここ数年、日本と中国の仲はすごく良くなっていて、コラムではそのことにも触れている。
それによると、2013年にトランプ大統領から「韓国を重視せよ」と言われた安倍首相は「私は中国を信頼する。中国は一度決めれば確実に守る」と言ったという。
韓国無視の中国重視はいま急にはじまったわけでない。
このときのことを知っている日本人は、「最近の韓日関係を見ると安倍の言うことが正しいのでは」と言っているという。
共産主義や社会主義といった政治的・経済的な違いよりも、日本にとっては約束を守る相手のほうがやりやすいということだ。
それはそうだろう。
自分の言葉を自分で否定する相手と話し合っても意味がない。
ここでコラムは韓国側の事情に言及する。
元徴用工の請求権に関する問題は2005年に、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が日韓請求権協定(1965年)で終わったと結論を下している。
だから、韓国政府の決定を韓国の最高裁がひっくり返したのだ。
しかもいまの文大統領は当時、政府側委員としてこれにかかわっている。
国内の矛盾やいままでのツケが返ってきて、韓国はいまとても苦しんでいる。
でも、これは自業自得だ。
という考えは韓国人にはないらしい。
このようにして過去の問題さえ出てくれば加害者だった日本が一気に被害者になってしまい、韓国は加害者という堪え難い境遇に追い込まれた。
これも「澄んだ精神」のゆえか?
結局、いまの韓日関係を改善するには、「文大統領は難題を解決するために最善を尽くさなければならない」と言うのだけど、「日本も協力しなければならない」と都合のいいことも言う。
韓国が合意を守るかどうかは韓国の問題で、日本は関係ない。
日本は約束したことを全て実行したのだから、次は当然、韓国の番だ。
だから日本がすることは一つしかなく、「合意したことはしっかり守ってほしい」と言い続けるだけ。
でも日本がそれをすると、「韓国政府を一方的に追い詰めれば、国内政治的に利用しているという誤解を避けることはできない。」と甘えてすねる。
自分たちの非は棚に上げて、責任を果たそうとしない。
無理やり被害者の立場になって、都合のいい要求をする。
「日本列島の雰囲気は冷たかった」理由は、自分たちが凍らせたから。
約束違反のほかにも、旭日旗や天皇陛下への侮辱発言やレーダー照射問題ある。
日本人のおもてなしは相手を選ぶから、いまの日韓関係ではこれが相応の対応だ。
ネットの書き込みを見ても、韓国への認識は日本の政界や財界と同じだと思う。
・どんなに話し合って合意に至っても後から文句を言い出すから
・まだこんな認識でいたことに逆に驚くわ
・自分達のやっている行動がどういうことなのかわからないの?
・疲れるしこちらも病むから
・話し合って決めたことは守るという基本さえ、ぶち壊してるからな
・私達のほうが被害者、、、国と個人は別なのに客観的に記事を書けない記者
このコラムや日本人の反応を見る限り、「韓国はいないことにしてやっていこうという雰囲気」はまだまだ続きそうだ。
いまの日中関係を見れば分かるけど、韓国が反日から抜け出したらきっと前に動き出す。
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