先週、日本に住んでいるイギリス人から、「日本のコンビニはすばらしい!」という話を聞いたから、それを記事にして書いた。
イギリスのコンビニ(のような店)に比べて、日本では何がどうすごいかはこの記事を見てもらうとして、今回はその反対、日本のコンビニで感じる不満について書いていきたい。
ジョイフルのチョコレートケーキをつつきながらイギリス人が言っていたのは、「日本のコンビニ店員は規則重視で、融通が利かない(ノット・フレキシボー)」ということと「モッタイナイ」の2点。
ではそれぞれ見ていこう。
・「ノット・フレキシブル」
そのイギリス人がサラダを買おうとしてレジに持って行ったら、店員が「すみません。これは賞味期限が2時間すぎていました」と言って売ってくれなかった。
でも店にあったサラダはそれが最後のひとつ。イギリス人にとっては最後の希望。
いまどうしても、無理やりにでもサラダが食べたかったから、「それならダイジョウブ」と言って売ってもらおうとしたけど店員の返事はノー。
「外国人は賞味期限を延長できるんです」なんて言ってみたけど、ダメなものはダメ。
「それは仕方ない。それで何か問題が起きたら店の責任になるんだから」とボクは言ったけど、そのときいっしょにいたアメリカ人も、「賞味期限が2時間すぎただけで、しかもサラダだぜ?絶対に問題ないね。日本人はきまりを忠実に守るけど、フレキシブルではない」と文句を言っていたという。
でもこれはフレキシブルの問題ではなくて、会津藩の什(じゅう)のおきてを知るべきだ。
「ならぬことはならぬものです」
ダメなものはダメ、ということが日本の社会ではよくある。
これとは別でブラジル人が、「コンビニで切手を買いたかったけど、店員から「規則ですから言えません。自分で調べてください」と値段をおしえてくれなかった」と文句を言っていた。
A4の書類1枚を茶封筒に入れて送るというから82円でいいだろう。
それぐらいは伝えてもいいと思うけど、自分がその店員の立場なら「規則ですから」と言うかもしれない。
・モッタイナイ
「MOTTAINAI」という日本の価値観は世界的に高く評価されている。
ケニア出身の政治家・女性環境保護活動家で、2004年にノーベル平和賞を受賞したマータイさんも、2005年に来日したときこれを知って感激し、人類が共有するべき言葉として世界に広めた。
同年3月の国連女性地位委員会では出席者全員と「もったいない」と唱和した。同年より「MOTTAINAI」キャンペーンを展開する。
ワンガリ・マータイ
このイギリス人も「もったいない」という美徳を日本人から聞かされていた。
でも日本のコンビニやスーパー、デパートに行くと、「超もったいない」とよく感じるという。
ガムやキャンディーのような小さなものでもビニール袋に入れるし、1つの商品を二重三重につつむ過剰包装もよくある。
ビニール製品を使わないことではイギリスは世界の先進国だから、よけい気になるかもしれない。
それに日本のコンビニでは温度や商品の種類によっては、2つ3つの別々の袋に入れようとすることがある。
こういうのはすごく無駄で、これこそもったいない。
それに環境にも悪い。
これには別のアメリカ人も不満を言っていて、身長が約2mある彼は「缶コーヒーに袋がいるか?これでいくつの缶コーヒーを持てると思う?」と大きな手を広げて見せる。
「ノット・フレキシブル」には同意できない部分もあるけど、「MOTTAINAI」については完全同意。
「ならぬことはならぬものです」ではなくて、このばあいは融通を効かせたほうがいい。
といっても、もうすぐコンビニでもビニール袋が有料化されるから、外国人のこの不満はなくなるだろう。
「ならぬことはならぬものです」については、これは日本人の国民性でもあるから外国人が慣れなさい。
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イギリス人もアメリカ人も、さすが、自国・他国の領土を戦争で打ち破り獲得してきた歴史を有するだけあって、外国における言動やふるまいが傍若無人ですね。多くの日本人は彼らよりもう少し用心深いから、そこまで自分の考え方を他国で主張することはないでしょう。Do in Rome as the Romans do.
割合と平和で穏やかな日本国であるとはいえ、あまりいい気になっているとそのうち痛い目にあうかもしれないよ。
ま、でも、そこが分からない自信満々で楽天的、かつプラグマティックな(=実用性を重んじる)ところが英米人の良いところだとも言えますが。
コメントありがとうございます。
このアメリカ人やイギリス人は文句を言うけど、何だかんだ言って日本のルールには従いますよ。
ボクの経験ですが、欧米人よりアジア人のほうがルールやきまりを無視することが多いと思います。
ルールの存在を知っていても、ときにそれを無視したり、無視できると主張するのが英米人。
ルールの存在を知らずにそれを破ってしまうのがアジア人、なかでも特に東アジア人と南アジア人。
ルールの存在を知ろうと一生懸命で、調べて結局分からなくて、とにかく守ろうと一生懸命なのが日本人。
それはおもしろい視点ですね。
たしかに欧米人には「とりあえず言ってみる」というところ、インド人やスリランカ人はマイルームでやってしまうところがあると思います。
日本人は、とても真面目です。