いまから3年前、2016年に韓国で「鬼郷(ききょう、귀향)」という反日映画が公開された。
太平洋戦争中、朝鮮人慰安婦が日本軍から地獄の苦しみをあたえられたり、残酷に殺されたりしたといった創作で、韓国に精通したジャーナリストの黒田勝弘氏はそれまでの反日ドラマとくらべて、この慰安婦映画を「最悪」と酷評している。
産経新聞のコラム(2016.3.5)
「慰安婦として強制連行された可憐(かれん)な韓国の少女たちと極悪非道の日本兵」という図式で、日本兵による少女たちに対する殴る蹴る引き裂く…の残虐な暴行、拷問場面の連続は正視に耐えない。
正視に耐えぬ最悪の慰安婦映画
日本兵に何度も殴られて少女の顔は腫れ上がり、映画館の中では観客の悲鳴が上がったという。
この映画で悪質なのは、日本兵が慰安婦の少女たちを銃殺して石油をまいて焼くというシーンより、「元慰安婦たちの証言による事実にもとづく」と銘打っていることだ。
でもそこは韓国。
このフィクションは大ヒットを記録し、興行的には大成功を収めた。
マスコミや文化人からは称賛か絶賛の声しか上がらなかったという。
この映画は日本でも上映されて、「本当に申し訳ない」「日本政府の態度に腹が立つ」と話す日本人もいた。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
このあとも史実を無視した慰安婦映画はつくられたけど、さいきんはブームも下火になったようで、こういう映画の話はあまり聞かなくなった。
でも聯合ニュースの記事(2019.05.14)のように、記念館のようなものを建てる動きは相変わらずさかんだ。
「世界で日本軍性奴隷(慰安婦)問題といえば韓国を思い浮かべ、今後もそうなる」として、「慰安婦問題解決運動の心臓部である韓国でホロコースト博物館程度の歴史館建立は当然のこと」と述べた。
「国立慰安婦歴史館」設立を 韓国団体が政府に要求
日本政府が「歴史を否定し、歪曲(わいきょく)している」ということから、こういう博物館をつくって国の内外に慰安婦問題の”真実”を伝えていくという。
でもその内容はまず間違いなく、歴史を否定し、歪曲(わいきょく)したものだ。
「20万人の朝鮮人女性が日本軍に強制連行された」とか「少女が性奴隷にされた」とかいう根拠のないストーリーだろう。
反日活動の裏には反日団体あり。
この運動を主導しているのが韓国最大の反日組織と言っていい「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」。
日本経済新聞の記事(2014/8/31)のなかで、「アジア女性基金」の理事を務めていて、慰安婦問題の解決にあたった大沼保昭明治大特任教授はこの団体をこう批判した。
「韓国で根深い反日問題の方向に曲げた」と批判、「元慰安婦の幸せや置かれた状況に関する問題ではなく、支援団体の正義を実現するためのものにすり替わった」と指摘した。
「韓国の強硬姿勢に絶望」 アジア女性基金の元理事
自分たちの正義を実現したい「正義連」の反日活動は、退くことも留まることも知らない。
今度はアフリカだ。
ウガンダに「旧日本軍慰安婦被害の歴史を発信するセンター」をつくるという。
中央日報の記事(2019年06月19日)
正義記憶連帯は「女性の人権・平和運動の主体として旧日本軍の性的奴隷制問題を解決し、戦時性暴行問題に対する国際認識を拡散することに寄与した慰安婦被害者の声、人生、運動の歴史を継承するためにウガンダにセンターを設立する」と説明した。
アフリカ・ウガンダに慰安婦被害の歴史を伝える…「金福童センター」を設立
ウガンダには内戦による性暴行被害者がたくさんいるから、「ウガンダの戦時性暴行被害女性たちと連帯したい」ということらしい。
それよりまず、ベトナムの韓国軍性暴行被害者と連携しなよ。
国立慰安婦歴史館もウガンダのセンターも、内容は鬼郷の荒唐無稽なストーリーと同じような仕上がりだろう。
では、慰安婦の実際の生活はどうだったのか?
それを知るには信頼できる資料を読むしかない。
慰安婦の証言についていえば、「その時・その場所」で得られたものなら信用することができる。
「現代ビジネス」の記事(2109/6/13)で歴史学者の呉座勇一氏がこう書いている。
歴史学における一次史料というのは、事件を見聞した当事者が事件発生とほぼ同時に作成した史料のことである。
「俗流歴史本」の何が問題か、歴史学者・呉座勇一が語る
だから戦後数十年たって、しかも韓国で得られた証言は一次資料とは言えず、客観的な根拠がなければ信頼することはできない。
鬼郷の「元慰安婦たちの証言による事実にもとづく」という証言はいつどこで得られたものか?
慰安婦問題では、信頼できる一次資料がある。
1944年に米軍がミャンマーにいた慰安婦から聞いて作成したこのレポートは事実と思っていい。
they had plenty of money with which to purchase desired articles. They were able to buy cloth, shoes, cigarettes, and cosmetics
While in Burma they amused themselves by participating in sports events with both officers and men, and attended picnics, entertainments, and social dinners. They had a phonograph and in the towns they were allowed to go shopping.
慰安婦はたくさんのお金を持っていて、服・靴・タバコ・化粧品などを買うことができた。
さらに日本兵とスポーツ・イベントに参加したりピクニックに行ったりしている。
レコードプレーヤー(phonograph)を所有していて、街へ買い物に出かけることも認められていた。
日本兵が慰安婦の少女を全員銃殺して石油をまいて焼くというのは現代韓国人の創作で、歴史の事実はこれだ。
「いや、その報告書がすべてではない!」と疑って、「その時・その場所」で得られた慰安婦の証言を他に探してほしい。
そうすると、反日団体「正義連」がバックについている元慰安婦の証言との違いに驚くはずだ。
でも最近の韓国は「質より量」で押してきているから、真実が負けそうで心配だ。
*「慰安婦とは豊かで幸せな人たちだった」ということでは決してない。この記事は韓国による創作を非難しているだけ。誤解のないように。
ビルマのミッチーナでアメリカ軍に捕らえられ尋問を受ける慰安婦。(1944年8月14日)
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韓国の新作反日映画のことを聞く度に、昔の香港製反日映画を思い出しますね。ブルース・リーとか、ジャッキー・チェンとか、結構有名どころの俳優が出演・プロデュースした作品がいくつもあった(「ドラゴン怒りの鉄拳」など)。
でも香港じゃ今はそんな映画は作られない。なぜなら、彼らの考え方が近代化・国際化したからだ。
相変わらず反日映画が次から次へと出てきて、ヒット作になる韓国。最近だと「軍艦島は地獄島(だったか?)」が反日SF超大作でしたね。いつまでたっても進歩しない、遅れた国民性。
戦後年月が経って本当に当時の歴史を経験した者が少なくなって、ますます嘘の歴史が蔓延している。「日本人たちに酷い目にあわされた」と、そんな経験をしたはずのない若い者がTV出演して何をデタラメ抜かす。葬式の「泣き女」と同じノリだとしか思えんが。
それと、どうしてそんなに暴力行為を受ける少女たちの映画を、大人も子供も男も女も、みんなが見たがるんだ?それがお前たちの共通の娯楽か?そんな作品がヒットすること自体、軽蔑する理由にしかならんわ。
さすが、明治政府が禁止した「病身舞」を屁理屈で復活させた国だよ。
これは昭和中期のことですが、評論家の山本七平氏が日本統治時代とその前の時代を知っている韓国人に話を聞くと、こう話したそうです。
「韓国人の口からごく普通の調子で出て来ても不思議ではない。「これだけ民生を向上させ、さらにこれだけ穏健な政府は過去においてはなかった」と。(洪思翊中将の処刑 山本七平」)
でもいまは両方の記憶を持っている韓国人はいません。
こういう声はなくなって、鬼郷のような反日ファンタジーがもてはやされる時代になってしまったのは残念です。
日本人は真実で対抗するしかありません。
今現在、日本国内にいる を送り返してほしい。
歴史歪曲を非難している自分が一番ひどかった、といういつものオチです。
なお、ここに載せられるよう内容をすこし変えさせてもらいました。
記念館設立のことがブログで取り上げられているのを偶然見つけて、嬉しく思いました。
その記念館が設立される町に住んでいます。
このニュースを知った時、「何をふざけたことをやってるんだ!」と腹立たしくなりました。
夫と二人で、何か阻止できる手立てはないものかと考えています。
日本政府は知っているのでしょうか?
韓国政府にまともに反対できないなら、せめてウガンダ政府に抗議するべきです。
たとえば、「記念館設立を受け入れるなら、無償の経済援助を中止する」とか。
コメントありがとうございます。
ということは、ウガンダの街に住んでいるということでしょうか?
アメリカで慰安婦像が建てられたときもそうですけど、これで「実害」を受けるのは現地に住む日本人で、本土の日本人ではありません。
だから正直言って、日本列島にいる日本人には関心が薄いですね。
アメリカの場合、世論が盛り上がって日本大使館がやっと動き出したという経緯があります。
ウガンダの日本人社会の様子が分からないので何とも言えませんが。
私もこの件には興味がありますので、そちらの空気や雰囲気などをおしえていただけると幸いです。