1997年までイギリスの領土だった香港は、本土の中国とは社会制度や法律がちがう。
本土領域(中国政府が対香港・マカオ関係で自称する際は「内地」)から分離した領域を設置し、主権国家の枠組みの中において一定の自治や国際参加を可能とする構想である。
同じ国だけど違う制度でやっていこう、というのが香港の基本。
ボクが会った香港人で、自分を中国人と思っている人は1人もいない。
「あなたは中国人ですか?」と聞かれると、「いいえ、香・港・人です」と強調する。
でも最近、この香港の基本が崩れそうになる。
香港で捕まった容疑者の中国本土への移送できるようにする「逃亡犯条例」が改正されそうになったから。
そんなことになったら政府批判もできなくなって、香港の表現の自由がなくなってしまう。
だから逆に、中国側としてはこれが必要だった。
でも100万人規模の抗議デモが行われて、この改正案は流れる。
ポカリスエット騒動が起きたのはこのあと。
日本経済新聞の記事(2019/7/10)
香港でポカリ売り切れ 「中国寄り」局でCMやめ人気
大塚ホールディングスの香港現地法人が、香港のテレビ局「無線電視」に流していたポカリスエットのCMの取り止めを決めた。
このテレビ局はTVBの報道は「中国寄り」と香港人に批判されていたから、この”英断”に市民は歓喜。
ポカリの人気は爆発して、売り切れが続出する。
当然、中国本土では不満が爆発する。
中国メディアがこれを伝えると、ネットでは「ポカリスエットはもう一生買わない」といった不買宣言が飛び出す状況だ。
で、これに日本のネットの反応は?
・中国からポカリと殴られるぞ
・もうすぐポカリスエットの季節だな
・中国は白い粉には厳しいからな
・企業イメージって大事だよな
下手なCMよりも一生印象に残る
・海外では名前のイメージが悪くてあまり売れてないんだっけ
日本でポカリはスポーツドリンクだけど、イスラーム教徒のインドネシア人はラマダン(断食)中の水分補給にこれをよく飲む。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
さいきんトルコ人とドイツ人と話をしていたときに、「日本で驚いたことは?」と質問したら、ポカリスウェットが出てきた。
「コンビニで「POCARI SWEAT」を見たときは、なんだこれは!?と思った」とドイツ人が言うと、「わたしも!あれはビックリした」とトルコ人も同意見。
この2人の感覚だと(たぶん他の外国人も)、飲み物の商品名に「SWEAT(汗)」はあり得ない。
汗には汚いイメージがあるから、「ポカリの汗」なんて飲みたいとは思わないという。
でも、日本人にすすめられて、試しに飲んでみたら思っていたよりおいしい。
だからいまは2人ともポカリを普通に飲んでいるけど、初めての出会いは衝撃的だった。
ポカリをクリアしたなら、次は「お嬢様聖水」か。
ウィキペディアの記述では、外国人はポカリを好意的に見ている。
観光政策の影響で、訪日外国人旅行客が増えるにつれ、英語圏での知名度も上がっている。単純に「変な名前の飲み物がある」ということで、旅行の楽しみになっている
ポカリスウェットのアラビア語
おまけ
CALPIS(カルピス)はアメリカでは「CALPICO(カルピコ)」になっている。
というのは、CALPISだと英語では「cow piss:カウ ピス(牛のおしっこ)」と聞こえてしまうから。
くわしことはここを。
こちらの記事もどうぞ。
>ポカリをクリアしたなら、次は「お嬢様聖水」か。
何のことかと思ってNETを検索してみて、ようやく分かりました。
しかしこれマジですか?変〇向けグッズかと思った。誰か指摘してやる者はおらんかったのか?それとも知っていてワザと?
だんだんと年寄りにはついていくのが難しい世の中になってきますねぇ。
「お嬢様聖水」には私も驚きました。
まだ飲んだことはありませんけど、飲みたいという気持ちはわきませんね。
「ポカリスウェット」を見た外国人もこんな印象かなと思います。
こういうネーミングセンスは私もついていけません。