韓国の現状:日本の子供とはサッカーさえ許さぬ”反日圧力社会”

 

最初に、今回の内容は前回と重なってしまう部分があることを了解願いたい。

韓日は交流を絶やすな!→輸出管理→怒った韓国、次々絶やす

といっても、丸かぶりではないですよ。

 

「最悪」とか「奈落に落ちる」とか言われるいまの日韓関係。
そうなった決定的な原因は韓国最高裁の理不尽な判決にある。

徴用工問題は1965年の日韓請求権協定ですでに解決済み。
韓国側は日本から受け取ったお金を元徴用工などの個人にわたすと言っておいて、じつはそのほとんどを自国の経済発展に使ってしまった。

韓国は日韓基本条約の日韓請求権協定で個別に国民に支給すると日本側に説明して請求権資金として支払われた3億ドルの無償提供資金を、韓国経済発展のための国内投資資金に回したことで半世紀で世界10位圏の経済大国に発展し

漢江の奇跡

 

でも、これはこれで間違いではない。
世界10位圏内の経済大国となったいまこそ、元徴用工などの個人に慰謝料をわたせばいいのだから。
そうすればいまの日韓関係はなかったのだけど、韓国側は請求権協定を勝手に解釈して日本企業にその責任を負わせてしまった。
だから日本は大激怒。

 

話は少しそれる。
上の「漢江の奇跡」といわれる韓国の経済発展によって、京釜高速道路や浦項総合製鉄といった大企業ができて、国民生活は飛躍的に向上した。
韓国では一般的に日本の支援や協力は国民には知らされず、”なかったこと”になっているけど、必ずしもそれが全てではない。
当時のことを直接知っている人のなかには日本に感謝する人もいるのだ。

たとえば中央日報のコラム(2018年11月01日)で浦項(ポハン)製鉄の設立者、朴泰俊(パク・テジュン)氏が新日本製鉄(現・新日鉄住金)の稲山嘉寛会長についてこう話している。

「『日本が数十年間にわたり韓国を支配しながら韓国民に及ぼした損失を補償する意味でも、協力するのは当たり前だ』と言って浦項製鉄の建設に必要な資本と技術を支援してくれた」と綴った。

日本、韓国の敵なのか

 

でも残念ながら、いまの韓国には「資本と技術を支援してくれた」なんて言える雰囲気はない。

日本は韓国に対して輸出管理を強化している。
その理由はなんといっても、世耕経済産業相が言うように韓国を信頼できなくなったからだ。

 

 

でも韓国側では、これを「徴用工訴訟への日本の報復措置」という見方が一般的。
それで反日感情がこれ以上ないほど盛り上がっている。

特に不買運動はすさまじく、朝鮮日報の記事(2019/07/26)によると、国民の多くが日本製品に対して抵抗や嫌悪を感じている。

韓国人の8割「日本製品の購入はばかられる」=世論調査

市民社会レベルの人的・文化的交流は続けるべきと言っていた態度も一変する。
前回書いたように、釜山市長は「日本の不当な経済報復措置を知らしめ、文在寅(ムン・ジェイン)政権と共同で対応するため」という理由で、日本との様々な交流事業を一方的に中止した。

そういう自治体が次つぎにあらわれ、日本は対応に困っている。

 

「日本の不当な経済報復措置を知らしめるため」という政治的な理由で、積極的に日本との交流を中止する自治体もあれば、本当はやりたいけど市民の反応が恐ろしくてできないという自治体もあるだろう。
でもそれは仕方ない。
清洲市が中学生を連れて日本を訪問したら、

「信じられない」
「清州は韓国ではないの?」
「訪問団の名簿を公開するべき」
「清州教育庁長と関連の公務員に懲戒処分を。この行為は親日を超えてもはや売国」

と大バッシングをうけるほど、いまの韓国社会は反日圧力に満ちているのだから。
そのことはこの記事をどうぞ。

韓国の反日感情は“燎原の火”、民間交流も「親日を超えて売国」

先ほどの朝鮮日報の記事にも、「自ら日本製品の不買運動に参加した積極的な賛同者だけでなく、周囲の目を意識して購入を控える消極的な参加者も含まれている」という分析がある。

 

でも、いまの韓国はやっぱり行き過ぎ。
韓国と日本の子供がサッカーをすることも許さない、というのはおかしい。
蔚山(ウルサン)市の子供たちがサッカーの親善試合をするために新潟へやって来て、両市の友好をアピールしようとしたのだけど、試合直前になって非公開になってしまった。

新潟日報の記事(2019/07/27)

蔚山市サッカー協会の関係者が「親善試合が報道されると(引率者らが)母国で批判されかねない」と危惧し、新潟側に急きょ頼み込んだのが理由という。

日韓少年サッカー 新潟で直前、非公開に 韓国側要請「母国で批判されかねない」

 

新潟市のサッカー協会会長は、「世の中のことは、子どもたちには全く関係がないことだ」と残念がる。
この子供や関係者も、「日本の不当な経済報復措置を知らしめ、文在寅(ムン・ジェイン)政権と共同で対応するため」という自分勝手な理屈の犠牲者だ。

いままで韓国は歴史とそれ以外とを切り離す「ツートラック」を主張していて、「市民社会レベルの人的・文化的交流を支援すべき」と日本に訴えていたのに、輸出管理が厳格化されるとたちまち豹変。
市民の交流を”人質”にとって、日本に措置の撤回を迫る。
大人の政治的対立から子供や市民を切り離すツートラックをするべきなのに。

いまの韓国では日本の子供とサッカーの試合をしたら、その引率者が特定されてSNSで攻撃されるのだろう。
「親善試合が報道されると母国で批判されかねない」と、頼まざるを得なかった韓国側の関係者が気の毒だ。
有無を言わせぬ反日圧力のある社会は、中立でいたいと思う人にとっては息苦しくて生きづらい。
これで8月2日にホワイト国から除外されたら、韓国はどうなってしまうのだろう?
現状では子供がサッカーすることも許されない。
まだ”その先”があるのだろうか。

 

おまけ

いま毎日新聞でとても悲しい記事を発見(2019/07/29)。

韓国への中学生交流団、出発式開催後に中止 奈良・天理

韓国に向かう予定だった天理市の中学生8人が市役所で出発式を終えたあと、韓国側から交流を断られてしまった。
でも、いまの韓国の姿を見せたくないという慈悲の心だったからかも。

 

 

こちらの記事もどうぞ。

国 「目次」 ①

韓国 「目次」 ②

韓国 「目次」 ③

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

 

2 件のコメント

  • 今回の日韓対立に関する報道を見ていて思うのですが、「韓国から嫌われることを、なぜそれほど嫌がるのか?恐れるのか?」という疑問です。北朝鮮なんか建国時からずっと日本を嫌ってますよ。中国だって未だに日本を信用していない。ここで韓国が日本を敵視するようになったからと言って、何が変わりますか?戦争しようって訳でもないのに(相手が攻撃してこない限りは)。
    全世界の、全ての人々から例外なく愛される国なんて、この世にありはしません。日本は、韓国や中国に比べれば、あるいは米国と比べてさえ、まだまだ多くの世界の人々から好かれている方だと思いますよ。
    たとえ相手と対立するリスクはあっても、自分の考えを堂々と主張して拒否すべきことは拒否する、その程度のことができなくてはこれから若い人たちが世界に伍して生きていくのは難しいと思う。またそのために、国を上げて子供たちの英語力を鍛えようとしているのではないですか?

  • 日本人は基本的に他人から嫌われることを恐れると思います。
    「和を以て貴しとなす」という言葉が1000年以上も生き続いている社会ですから。
    日本はいろんな好感度ランキングでいつも上位にいますから、世界での印象はいいです。
    韓国については、関係が悪化すると都合が悪くなる人がいて、そういう人たちが反対しているのでしょうね。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。