【歴史雑学】麻雀の「大三元」の由来は中国の“超人”だった

 

日本は科学分野だけで24人のノーベル賞受賞者をだしたけど、韓国ではいまだにゼロ。
永遠のゼロかどうか分からないけど、韓国の大学教授の見方では、その違いは日韓の「DNA」にあるという。
韓国人には「壮元及第のDNA」があって、日本人には「職人根性のDNA」がある。

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ノーベル賞に見る日本人と韓国人の違い:職人気質/上昇志向

 

今回は、この「壮元」(じょうげん)という言葉から思いついたことを書いていこうと思う。
それはつまり、「大三元」の由来について。

大三元は国士無双や四暗刻と同じく、麻雀の役満のひとつだ。
この言葉はラーメン屋や中国料理店の店名にもなっているから、読者のみなさんもどこかで聞いたことがあると思う。

状元とはこの三元のひとつ。
これはもともと中国語で、ベトナム語では「nguyên」になる。
日本と韓国はともかく、なんでベトナムにもこの言葉があるかというと、ベトナムでも科挙が行われていたから。

科挙は隋の初代皇帝、文帝からはじまった官僚の選抜試験(まあ国家公務員試験だ)で、清朝末期(1905年)まで続いた。

これは高校世界史でならう重要事項だから、知らなんだらおぼえておこう。

科挙

隋の制度を継承したうえ、唐は科目として進士科のほか秀才・明経などの諸科を設けた。試験は3段階で、地方の予備試験、上京しての礼部の試験、さらに吏部の試験に合格して、任用された。

「世界史用語集 (山川出版社)」

 

小学生や中学生の言う「あいつ秀才じゃね?」の秀才という言葉ももとは中国語で、科挙の試験科目のひとつのこと。
いまでいえば「英語」や「数学」のように、科挙には「秀才」という試験科目があったのだ。
のちにその科目に合格した人は「秀才」と呼ばれるようになって現在にいたる。

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ただし「出来過ぎ」は日本語。

 

上の説明に「試験は3段階」とあった。
全中国から優秀な人材を集めるために、科挙では次の3つの試験が行われていた。
(内容は時代によって違う。たとえば殿試は宋の時代から)

郷試(きょうし):科挙の地方試験
会試(かいし):郷試に合格した人が次に受ける中央での試験
殿試(でんし):会試合格者が受ける最終試験で、この試験は中国皇帝の前で行われる。

中国で約1300年続けられていた科挙の難しさはもはや伝説。

受験者の大多数は一生をかけても合格できず、経済的事情などの理由によって受験を断念したり、過酷な勉強と試験の重圧に耐えられず精神障害や過労死に追い込まれたり、失意のあまり自殺したという鍾馗の逸話など悲話も多い。

科挙

殿試の様子

 

合格者の発表

 

科挙の最終試験・殿試でトップ合格した人は「壮元」と呼ばれた。まさに中国ナンバーワンの人財。
*「壮元及第のDNA」なんてDNAがあるんだから、韓国は超競争社会のはずだわ。

長い中国の歴史では、郷試、会試、殿試の3つの試験ですべてトップ合格するという偉業を「三元」という。
科挙が行われていた1300年で、三元は14人しか誕生しなかったらしい。
麻雀の「大三元」はこれが由来だ。
さらにそこから、カメラ用語の「大三元(大三元ズーム)」も生まれた。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。