日本の料理に欠かせないのが牛丼、かつ丼、天丼といった丼ものだ。
「白米に何かをのせたら出来上がり」というシンプルさゆえに、その組み合わせは無限に広がる。
だからこそ、料理人の発想力や創造力が試される。
その点で日本人のチャレンジ精神に感服する外国人は多い。
最近、名古屋で生まれた「フルーツ丼」が注目を集めている。
これは、白飯に旬のフルーツをのせた一品だ。
といっても、果物をそのままのせるのではなく、肉とリンゴを油で揚げた「林檎チキンカツ丼」や、白身魚にキウイフルーツをあえた「キウイ丼」などだから、「フルーツを使った丼もの」と呼んだほうが正しい気がする。
しかし、ネットの反応を見ると否定的な声が多い。
・日本人ってこういう組み合わせ嫌いな人が多いから商売にするのは無理だろ
・イチゴミルク茶漬けは無いのか?
・斬新だね、でもご飯に合わせようとするとフルーツの味を殺さないといけないんじゃないかね
ご飯に果物をのせる「フルーツ丼」は確かに斬新な発想だ。
でも、タイには昔からそんな食べ物がある。
それが「カオニャオ・マムアン (ข้าวเหนียวมะม่วง) 」というデザートで、もちもちしたお米にココナッツミルクをかけてマンゴーをそえたものだ。
これまでタイには10回以上行ったことがあって、この「マンゴーライス」のことは知っていたけど、なかなか食べる気にはなれなかった。
白米とフルーツのコンビネーションには、どうしても食欲がわかなかったから。
だったら、それぞれ別々に食べたほうがいい。
でもタイに住んでいる日本人から、「見た目はアレだけど、味はおいしいから食べてみなよ」とすすめられて、外れの宝くじを買う気分でレストランで注文してみた。
それが上の写真で、「この2つをあえて一緒にする必要があるのか?」と考えながら、フォークで刺して口に運ぶと、まさかの”当たりくじ”だった。
予想外のおいしさに驚いた。
見た目と味で、これほどのギャップのある食べ物はマンゴーライスが初めてだ。
「天国の味と地獄のにおい」と言われるドリアンの”見た目バージョン”がこのマンゴーライスだ。
最近タイ人と会ったときに、カオニャオ・マムアンのことを聞いてみた。
そのタイ人いわく、マンゴーには微妙な酸っぱさがあるから、それがココナッツミルクの甘さとよく合う。
そういえばボクも白米とマンゴーを交互に食べているときに、「なんでこの組み合わせがおいしいんだろう?」と疑問に思っていた。その答えはこれだったらしい。
甘いだけのフルーツだとたぶん合わない。
それとお米も大事で、パサパサしたふつうのタイ米だとあの味は出せない。
北部と東北部でとれる粘り気のあるお米を、ココナッツミルクで炊くからこそおいしい。
タイ料理ではカレーやスープなどで昔からココナッツミルクをよく使うから、日本ではあり得ないけど、これでご飯を炊くという発想もきっと自然だ。
タイ人の話を聞いて、先入観で「全拒否」していたころの自分を反省した。
マンゴーライスはタイ人の伝統と創造力の結晶だった。
タイへ行ったら、ぜひ見た目に騙されてみよう。
おまけ
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