日本の料理に欠かせないのが牛丼、かつ丼、天丼といった丼ものだ。
「白米に何かをのせたら出来上がり」というシンプルさゆえに、その組み合わせは無限にあるから発想力と創造力が試される。
その点で日本人のチャレンジ精神に感服する外国人は多い。

魯肉飯(ルーローファン)
もちろん、海外にも白米に肉をのせた食べ物はある。
たとえば、台湾には魯肉飯(ルーローファン)という、細かく切った豚肉を甘辛く煮込んだ食べ物があり、とても有名だ。
でも、日本には木の葉丼、衣笠丼、きつね丼、むじな丼、他人丼といった多種多様な丼ものがあり、日本ほど「白米にのっける」系の食べ物が発達した国はないと思う。
そして、こんなものも登場した。
Jタウンネット東京都の記事(2019年11月 1日)
リンゴにキウイ、グレープフルーツも… 名古屋発「フルーツ丼」が斬新すぎる
白飯に旬のフルーツをのせたフルーツ丼を出す店が名古屋にあって、いま話題になっているらしい。
といっても果物をそのままのせるのではなくて、肉とリンゴを油で揚げた「林檎チキンカツ丼」や白身魚にキウイフルーツをあえた「キウイ丼」などだから、「フルーツを使った丼もの」というほうが正しいと思う。
ただし、ネットの反応を見ると否定的なものが多い。
・これはフルーツスキャンダル
・これに強制的に付き合わされる岐阜県の皆様のご心労は計り知れない
・日本人ってこういう組み合わせ嫌いな人が多いから商売にするのは無理だろ
・イチゴミルク茶漬けは無いのか?
・斬新だね、でもご飯に合わせようとするとフルーツの味を殺さないといけないんじゃないかね
名古屋といえばなぜか変わった食べ物が多い。
知り合いのイタリア系アメリカ人は「あんかけパスタ」を試しに味わって、「あれをパスタと呼ぶな!」と勝手に激怒した。
ただし、小倉トーストは気に入っている。
ご飯に果物をのせる「フルーツ丼」は確かに斬新な発想だ。
でも、タイには昔からそんな食べ物がある。
それが「カオニャオ・マムアン (ข้าวเหนียวมะม่วง) 」というデザートで、もちもちしたお米にココナッツミルクをかけてマンゴーをそえたものだ。

カオニャオ・マムアン
いわば「横に並べたフルーツ丼」か。
これまでタイには10回以上行ったことがあって、この「マンゴーライス」のことは知っていたけど、なかなか食べてはみなかった。
白米とフルーツのコンビネーションには、どうしても食欲がわかなかったから。
だったら、それぞれ別々に食べたほうがいい。
でもタイに住んでいる日本人から、「見た目はアレだけど、味はおいしいから食べてみなよ」とすすめられて、外れの宝くじを買う気分でレストランで注文してみた。
それが上の写真で、「この2つをあえて一緒にする必要があるのか?」と考えながら、フォークで指して口に運ぶと、まさかの”当たりくじ”だった。
予想外のおいしさに驚いた。
見た目と味にこれほどのギャップのある食べ物はマンゴーライスがはじめて。
「天国の味と地獄のにおい」と言われるドリアンの”見た目バージョン”がこのマンゴーライスだ。
最近タイ人と会ったときに、カオニャオ・マムアンのことを聞いてみた。
そのタイ人いわく、マンゴーには微妙な酸っぱさがあるから、それがココナッツミルクの甘さとよく合う。
そういえばボクも白米とマンゴーを交互に食べているときに、「なんでこの組み合わせがおいしいんだろう?」と疑問に思っていた。その答えはこれだったらしい。
甘いだけのフルーツだとたぶん合わない。
それとお米も大事で、パサパサしたふつうのタイ米だとあの味は出せない。
北部と東北部でとれる粘り気のあるお米をココミルクで炊くからこそおいしい。
タイ料理ではカレーやスープなどで昔からココナッツミルクをよく使うから、日本ではあり得ないけど、これでご飯を炊くという発想もきっと自然だ。
タイ人の話を聞いていて、「見た目ゲロ」と思っていたころの自分を反省。
マンゴーライスはタイ人の伝統と創造力の結晶だった。
タイへ行ったら、ぜひ見た目に騙されてみよう。
おまけ
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