ボクのはじめての海外旅行は25年ほど前で、イギリス領香港から中国へ突入した。
中国旅行で楽しみにしていのがラーメンで、ガッカリしたのもそれ。
当時はラーメン一杯50円ほどで食べられると聞いてワクワクしていたけど、期待どおりだったのは値段だけで、たしかに麺料理だけど日本のラーメンとは別物だった。
当たり外れが「2:8」ぐらいだったから、ラーメンは途中でやめて、旅行中はほとんどチャーハンと麻婆豆腐を食べていた。
こんな経験をしたから、ラーメンは中国から伝わって独自に発達した日本料理ということが痛いほどわかる。
ひかえ目に言って、日本のラーメンはすごくおいしい。
いま日本のラーメンは世界中に広がっている。
生みの親もこのラーメン人気に注目して、中国メディアの「曙光美食」がその理由を分析した。
サーチナの記事(2019-11-19)
中国で生まれたラーメン でも世界で有名なのは日本のラーメン「いったいどうして?」=中国メディア
くわしいことは記事を見てもらうとして、日本のラーメンが世界で成功した理由を3つあげている。
・種類が豊富
・スープにこだわる
・麺にもこだわりがある
日本のラーメンには札幌ラーメン、博多ラーメン、喜多方ラーメンなどの有名どころから、日本人でもし知らないようなマイナーラーメンまで多種多様にある。
中国にもいろんなラーメンがあるけど、種類の豊富さでは日本にかなわないらしい。
そしてスープ作りへの情熱が違う。
日本人のスープへのこだわりは半端なく、それはこういう形で表れている。
スープにはたくさんの種類があり、豚骨スープ、醤油スープ、味噌スープ、魚介スープ、塩味スープなどに分かれており、なかでも豚骨スープは世界的に有名だ。同じラーメンと言ってもまったく違う料理と考えてもいいほど味も材料も違う。
麺については食感や太さに違いがあることに注目している。
この記事に日本のネットの反応は?
・だって中国人あんまりラーメン食べないもん
・俺は 昔ながらの美味しいラーメンが食べたい!
どこかない?
・中国のラーメンって何味なの?(´・ω・`)
・刀削麺は好きだぞ!
・週1で食べるなら日本の豚骨コテコテが良いけど、毎日食べるなら中国のあっさりラーメンがいいな
・日本にはハードユーザーの小池さんがいる
中国のラーメンについて詳しくはここをどうぞ。
まあ結局は、「生みの親より育ての親」ってことですね。
もしくは「出藍の誉れ」(しゅつらんのほまれ)。
*青は藍(あい)より出(い)でて藍より青し(=弟子が師を超えること。)
中国のラーメンが亀仙人なら、日本のラーメンは悟空。
いまの世界でも亀仙人より悟空のほうが人気は高い。
日本が師を超えた理由はやっぱり多種多様なスープを作り上げたからだろう。
札幌ラーメン、博多ラーメン、喜多方ラーメンなども、麺や具材よりスープの違いが大きい。
いま日本にあるラーメンはここ100年ほどの間にできたもので、伝統的な和食ではない。
でも、出汁(だし)を作ることに関しては古来からの歴史と知恵がある。
この人は日本を代表する芸術家で美食家の「北大路魯山人(きたおおじ ろさんじん)」。
マンガ「美味しんぼ」の海原雄山のモデルになった人。
魯山人はだし作りについてこう書いている。
昆布をだしに使う方法は、古来京都で考えられた。周知のごとく、京都は千年も続いた都 であったから、実際上の必要に迫られて、北海道で産出される昆布を、はるかな京都という山の中で、昆布だしを取るまでに発達させたのである。
「だしの取り方 (北大路 魯山人)」
全国から最良の素材を見つけて最高の出しを作るために、日本人は数百年(千年以上?)、創意工夫を続けてきた。
その間に蓄積された日本料理の知恵や技術はかなりのもので、それが直接・間接的にラーメンのスープ作りにも生かされていると思う。
「世界で有名なのは日本のラーメン、いったいどうして?」と中国メディアは不思議がるけど、中国は5000年の間、いったい何をしていたのか。
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