日本とウズベキ、友好関係の基礎「ナヴォイ劇場」とは?

 

日本人旅行者の間では、ウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタン、タジキスタンなど中央アジアの国々をまとめて「スタン系」と呼んでいるらしい。
今回はそんなスタン系のひとつ、ウズベキスタンをとり上げようと思う。
ちなみにスタンは「~の土地・国」という意味のペルシャ語で、ウズベキスタンは「ウズベク人の国」になる。

 

 

まずはウズベキスタンについて簡単に知っておこう。

面積:44万7,400平方キロメートル(日本の約1.2倍)
人口:3,190万人(2017年)
首都:タシケント
民族:ウズベク系(83.8%),タジク系(4.8%),カザフ系(2.5%),ロシア系(2.3%)
言語:公用語はウズベク語。ロシア語も広く使用されている。
宗教:主としてイスラーム教のスンニ派

外務省ホームページの「ウズベキスタン共和国(Republic of Uzbekistan) 基礎データ」から。

古代のウズベキスタンは仏教国だったけど(1世紀ごろ伝わったという)、11世紀にイスラーム系の王朝ができてからイスラーム教の影響が強くなって現在にいたる。

 

日本とウズベキスタンの関係はハッキリ言って薄い。
一般的に話題になるとしたら、サッカー日本代表が試合をするときぐらいでは?

でも、かつてウズベキスタンには24000人ほどの日本人が住んでいたのだ。(ソースは下の記事)
太平洋戦争でソ連軍の捕虜となった日本人60万人のうち、それだけの日本人がウズベキスタンに運ばれて、ここで約800人が亡くなった。
それで首都には彼らが眠る墓地がある。

タシケント抑留日本人墓地

この日本人墓地があるタシュケントには、スルタノフさんが運営する「日本人抑留者の資料館」がある。
*日本とウズベキスタンの相互理解に尽くしたということで、スルタノフさんは旭日双光章を受章した。

取材に応じたスルタノフさんが時事通信の記事(2019年11月24日)でこう語る。

「(抑留の歴史が)両国友好の基礎をつくった。今後はそれを高めていきたい」と述べ、日本人の来訪に期待を表明した。
スルタノフさんは幼少期に聞いた日本人抑留者の話に関心を持ち、1998年に私財を投じて資料館を設立した。「最初は趣味だったが後に仕事になった」という資料の収集は、当時の写真や回想録に至るまで1000点以上になった。

抑留の歴史は「友好の礎」 資料館長、対日関係に期待―ウズベク

 

両国の友好はいいけど、話は「日本人抑留者」だったから、残念ながらネットの反応はいまひとつ。

・強制労働で友好とか
・そんな話は本当に強制連行されて
強制重労働させられた方がいうものだ
・ウズベキスタンはきちんとお墓をつくって国で管理してくれている。
一般の住民は優しかったような話を手記などでみかける。
・これは美談じゃなくて搾取だよ。
・日本も、泰緬鉄道建設で連合軍捕虜に強制労働させてただろ
・友好の礎だというのがよくわかる
この劇場建設労働の中死んだ二人は衰弱や虐待とかでもないし、イメージが多少は変わるかも

 

この劇場というのが、日本とウズベキスタン「両国友好の基礎」になっているナヴォイ劇場のこと。
日本人抑留者はオペラハウスのナヴォイ劇場の建設に携わって、彼らが一生懸命に働く姿やこんな交流の様子が現在まで伝えられている。

収容所では自由時間に建築現場の床材から麻雀パイを作ったり、紙から将棋、囲碁、トランプ、花札を作ったりした娯楽により捕虜たちの気分転換を奨励したり、地元のウズベク人を招いた演芸大会も行なわれた。

ナヴォイ劇場

 

子どもから食べ物の差し入れがあると木のおもちゃを作って返すなど、抑留者という立場でも日本人らしい礼儀は保ち続けた。

 

 

ナヴォイ劇場はウズベキスタンのシンボル的建築物で、お札のデザインにも採用されている。
1966年のタシケント地震を受けても崩れることがなかった。

 

 

劇場にある日本人をたたえるプレート

イスラム・カリモフ初代大統領が「彼らは恩人だ、間違っても捕虜と書くな」と指示したため、「日本国民が、このアリシェル・ナヴォイ―名称劇場の建設に参加し、その完成に貢献した。」と書かれている。

 

さて、強制連行からの重労働が日本とウズベキスタンの「友好関係の基礎」になるかどうか。
と考える前に、答えはもうでている。

子どもにおもちゃをあげたり、地元の人を招いて演芸大会を行なったりして、すでに日本とウズベキスタンの友好親善は始っているのだから、それはこれからも続けたほうがいい。
スタン系の国に行くなら、日本人抑留者の資料館とナヴォイ劇場にも足を運んでみよう。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。