サウジアラビアと女性の立場 ロボット市民に男女同じ入り口

 

さあ今回はみんな大好き中東の雄、サウジアラビアですよ。

「~の土地(国)」という意味のラテン語が「~イア(ia)」で、語尾にこの言葉がつく国や都市は世界に山盛りある

ルーマニア、ロシア、ブルガリア、オーストリア、カリフォルニアなどなど。

くわしいことはこの記事をどうぞ。

世界の国名・地名:語尾の「イア(ia)」はラテン語で「~の国」

そしてアラビアは「アラブ人の土地」という意味で、サウジアラビアという国名は「サウード家のアラビア(王国)」になる。
ではまずは、この国について簡単に知っておこう。

 

 

面積:215万平方キロメートル(日本の約5.7倍)

人口:3,228万人
・自国民:73%
・外国人:27%(出身別:アジア20%,アラブ6%,アフリカ1%,ヨーロッパ1%以下)

首都:リヤド

民族:アラブ人

言語:アラビア語(公用語)

宗教:イスラム教

上の数字は外務省のサウジアラビア王国(Kingdom of Saudi Arabia)基礎データから。

 

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サウジアラビアの国旗

アラビア語で「アッラーの他に神はなし。ムハンマドはその使徒なり」と書いてあり、下の剣には「イスラーム教の聖地を守る」という意味が込められている。
サウジアラビアには「メッカ」と「メディナ」という聖地があるから。

 

さてサウジアラビアとえいば去年、人類の歴史ではじめてロボットに市民権をあたえたことで世界中の話題になった。

これがサウジアラビア市民になった「ソフィア」(Sophia)。

日本人が作るなら、絶対にかわいさ重視になる。

 

サウジアラビアではイスラーム教が国教にされていて、その教えがとても厳しく守られている。
特に女性に対する制約がたくさんあって、欧米社会からは女性への人権侵害がよく指摘される。
たとえば女性が外出するときは、体のラインを隠すためにこんなアバヤを着ないといけない。

これは法律で義務付けられているのだ。

 

そんなサウジアラビアで、初めてのロボット市民が女性だったというのは個人的にはかなり意外。
欧米からさんざん批判されてきたせいか、サウジアラビアもいまは女性の権利が拡大しているということか。

と思いきや、「サウジアラビアでは本物の女性よりロボットのほうが大事にされている。あれは目くらましに過ぎない」という批判を欧米メディアで見た。
あれはサウジのイメージアップのために、世界にアピールしているだけかも。
ひと昔前のアメリカの会社で、人種差別批判をかわすために黒人を受付に座らせておくような。

 

でも、近年のサウジアラビアでは女性の地位が確実に向上している。
ムハンマド皇太子は経済を活性化させるために女性の社会進出に前向きだし、きょねん2018年には女性の自動車運転も解禁された。
これで地球上から、女性が車を運転できない国はなくなった。

「バーチャルじゃなくて、女性の権利拡大をリアルで進めてくれや」という声に応えたのか知らないけど、つい最近も日常生活で大きな変化があった。
これまで飲食店には、男女別々の入り口を設置することが義務付けられていたけどそれが廃止されたのだ。
正確に書くと、独身の男性用と女性&家族用の2つの入り口をつくることが決められていて、サウジアラビアの宗教警察が厳しくチェックしていたのが、これからは無くなる。

でも店の中に入ると座席は別で、独身男性のエリアと女性&家族のエリアの2つに分かれている。
この2つも撤廃されるかどうかはまだ未定。
どこの国でも変化を嫌う人はいて、そういう反対を無視して強引に進めると改革はつぶされることもある。

AFPの記事(2019年12月9日)

回の動きはサウジの若者に歓迎される一方、厳格な保守派はソーシャルメディア上でこれを批判。あるツイッターユーザーは「シャリア(イスラム法)に反する」とコメントした。

サウジアラビア、飲食店の男女別の入り口を廃止

イスラーム教が国教になっているというのは、日本なら憲法がシャリア(イスラム法)になっているという状態。これが最高法規だから、シャリアと矛盾する法律をつくることはできない。

 

社会的合意を得ながら、ゆっくり時代を進めることがいちばんの近道にもなる場合もある。
サウジアラビアで女性のサッカー観戦が認められたときも、いきなり全面解禁というわけにはいかなかった。

2018年1月より、一部サウジ・プロフェッショナルリーグ(サッカー)試合会場にアクリル板で区切られた家族連れ専用席が設けられ、限定条件はあるものの女性の観戦も可能となった。

サウジアラビアにおける女性の人権

 

おまけ

サウジアラビアの南、イエメンにある村

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。