さあ今回の話は「この靴ドイツんだ?オランダ」で有名なオランダですよ。
ということで、まずはこの国について簡単に知っておこう。
・面積:41,864平方キロメートル(九州とほぼ同じ)
・人口:1,738.4万人(2019年)
・首都:アムステルダム(政治機能所在地はハーグ)
・言語:オランダ語
・宗教:キリスト教(カトリック24.4%,プロテスタント15.8%),イスラム教(4.9%),ヒンズー教(0.6%),仏教(0.5%),無宗教・その他(53.8%)
外務省ホームページの「オランダ王国(Kingdom of the Netherlands) 基礎データ」から。
九州ぐらいの国土に世界中の宗教が集まっている。
日本と違ってオランダはスーパー多民族国家だった。
別に知らなくてもいいけど、インド北部には「ザンスカール」という秘境がある。
いままでいろんなインド人に聞いても、8割はそこを知らなかった。
車とドライバーをチャーターしてザンスカールを旅行してもとの街へ戻っていた時に、ひとりの白人がヒッチハイクしているのを見つけた。
笑顔で手を振るのが20代の女性なら無料だったけど、おっさんということで3000円ほどの料金を徴収する。
といっても、あとでそれはドライバーのインド人にチップとしてあげたけど。
彼はオランダ出身で、名前はあったと思うけどもう忘れた。
それは置いといて、会話の中でドライバーのインド人は「ネザーランド」と言い、ボクは「オランダ」と言う。
このチグハグ感に耐えきれなくなって、彼にどっちの呼び方がいいのか聞いてみた。
すると、「どっちもでいい。君が呼びやすいほうでいい」とのこと。
日本人にとってのニホンとニッポンぐらい、オランダ人にはどうでもいいことらしい。
*外務省のホームページだと日本語では「オランダ王国」で、英語では「Kingdom of the Netherlands」と書いてあった。
日本語の「オランダ」の由来は、戦国時代のポルトガル人宣教師の言葉「Holanda」による。
オランダ語の「Nederland」(ネーデルラント)は英語にすると「the Netherlands」(ザ・ネザーランズ)になる。
ネーデルラントとは「低い国(土地)」という意味。
中学の地理でならったと思うけど、オランダの国土の多くはポルダーと呼ばれる干拓地で海面より低いところが1/4もある。
低湿地帯でぬかるんでいるところが多いから、こんな木靴が作られた。
いまは観光土産品になっている。
またこのことから、「この靴ドイツんだ?オランダ」という言葉が生まれたわけがない。
これに対してオランダ(Holland)は、国内にある12の州の中の北ホラント州と南ホラント州の2つだけを指す。
オランダはもともとスペインの一部で、国王からカトリックを強制されたことなどから、16世紀に独立戦争が起きて、プロテスタントの多い地域が独立していまのオランダの原型ができた。
このとき重要な役割を果たしたのがホラント州(現在は南北に分かれている)だった。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
オランダとベルギーの誕生の歴史・人間や国の違いは、宗教でしょ
この戦争やその後、南北ホラント州を中心としてオランダ経済が発展していったことから、この地域の俗称が国名として使われるようになる。
でも、そんな話はもう過去形だ。
オランダ政府は2020年1月1日から「Holland」を廃止して、これからは「Nederland」(ネーデルラント)、英語では「the Netherlands(ザ・ネザーランズ)」を正式な国名にすることにした。
国内では企業や大使館、大学などでは「Netherlands」だけが使用されることになり、「Holland」という言葉は削除していくという。
フォーブスジャパンの記事(2020/01/17)にその理由っぽいことが書いてあるのだけど、イマイチわからない。
国際社会でのオランダのイメージや観光客の流れを管理するために新たに始められた大規模なブランディング活動の一環だ。
オランダ、国名の通称「Holland」の使用を廃止
このニュースに日本のネットの反応は?
・長崎ザ・ネザーランド村
・ホラントとかネザーランズとかややこしいな。
しかもオランダ人はDutchだし。
・なんか地獄っぽくてヤダ
・にゃーざーにゃん
で結構
・もうネバーランドでいいじゃん
でもこの変更は日本には関係なくて、東京のオランダ大使館は相変わらずオランダのまま。
ということで、「この靴ドイツんだ?」のやり取りは後世の日本人へ残せるらしい。
おまけ
東京駅に八重洲口がある。
この「八重洲(やえす)」という地名はオランダ人の「ヤン=ヨーステン」に由来する。
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それでもまだ分からないことがあるのですが。
>外務省のホームページだと日本語では「オランダ王国」で、英語では「Kingdom of the Netherlands」と書いてあった。
そうすると、オランダの憲法にはどのように書いてあるのでしょうか? 日本語だと当然「オランダ王国憲法」になるのですが、英語だと違うのでしょうか? また、オランダ語ではどうなる?
さらに、オランダ語の「Nederland(ネデアの地、単数?)」が英語になるとなぜ「Netherlands(ネザーの国々、複数?)」に変換されるのでしょうか? それと、ブログ中にもありますが、国民のことはなぜ「Dutch」?
まったく、ややこしい。
そのへんは私も書いていて疑問に思いました。
他に調べることがあるのでこれ以上のことはカットしましたが。
本当にややこしいです。