まずは歴史クイズから。
1894年の日清戦争で、勝利した日本が中国(清)と結んだ講和条約はなんでしょう?
答えは下関条約。
では、つづいて第二問。
下関条約の内容はなんでしょう?
答えは他にもあるけど、とりあえず以下の3点をおぼえておこう。
・清国は朝鮮が独立自主の国であることを確認すること
・リヤオトン (遼東) 半島,台湾,澎湖列島を日本へ割譲すること
・賠償金として2億テールを支払うこと
日本は遼東半島を手に入れたけど、すぐに三国干渉を受けてこれを放棄せざるを得なくなる。
また、中国から多額の賠償金を得た日本はこれを元に近代化を進める。
清軍兵士の軍服
ここでの要点は、日本が朝鮮の独立を中国に認めさせたこと。
これが講和条約のはじめにあるということは、日本はこれを最も重要と考えたのだろう。
当時の朝鮮は清の冊封体制下にあって、清を主君国(宗主国)、自国をその「属国」と考えていた。
でも日清戦争の敗北で、清は最後の冊封国であった朝鮮を独立国として認めた。
朝鮮は国名を「大韓帝国」と変えて、朝鮮国王は中国と同格の皇帝となる。
これで冊封体制は完全に崩壊した。
前回も書いたのだけど、日清戦争での日本の勝利と朝鮮独立について、アメリカの学者ヘレン・ミアーズがこう評価した。
日本からみれば、この戦争は完全な成功だった。西洋列強は喝采し、日本における彼らの『特権』を相次いで放棄した。そして、日本を対等の主権国家として承認した。日本は韓国に自由を贈り、韓国国王は中国皇帝、日本国天皇と肩を並べる皇帝の地位を得た。
「アメリカの鏡・日本 (角川oneテーマ21) ヘレン・ミアーズ」
現在の韓国人からしたら不愉快に思うだろうけど、19世紀に朝鮮半島を旅行していて、この瞬間を目撃したイギリス人イザベラ・バードも「朝鮮に独立というプレゼントを贈った日本」と旅行記に書いている。
日本の勝利によって独立できたという事実は、当時の韓国人にとっても認めたくないことだったらしい。
韓国紙の「独立新聞」(1896年7月4日)にはこう書いてある。
朝鮮が何年も清国の属国であったが、神様の恩恵で独立され、朝鮮大君主陛下が今は世界の首脳と同等な立場となり、朝鮮人民が世界にまたがる自由な人になった
いや、それ「神様の恩恵」じゃないから。
中国からの独立も朝鮮人民が自由な人になったのも、その理由は下関条約を見ればわかる。
独立は神様のおかげで、このあと併合されたのは「悪逆な日本のせい」だったら都合がよすぎて笑うわ。
でもこの傾向は現在の韓国人も同じで、朝鮮が中国から独立したという以前に、「属国」だったことを知らなかったり、認めない人はたくさんいる。
朝鮮が「大韓帝国」という独立国になったことについて、韓国の高校歴史教科書にはこんな記述がある。
国号を大韓帝国、元号を光武と変えた後、王を皇帝と称し自主国家であることを内外に宣布した。大韓帝国は、内には外勢の干渉を防ぎ自主独立の近代国家を建設する国民的な自覚と、外には朝鮮からロシアの独占勢力を牽制しようとする国際的な正論を受けた成立した。
「韓国の歴史 (明石書店)」
大韓帝国が国際社会の承認を受けて成立したのはたしかだけど、直接的で決定的な理由は中国に対する日本の勝利だ。
あれで日本が負けていたら、独立なんて100%不可能。
でも、国民感情に配慮した結果、この重要部分がすっかり抜け落ちてしまった。
これに関連することだけど、ソウルにある独立門の背景を正しく理解していない韓国人はたくさんいる。
清からの独立を記念したものであるが、韓国では独立門建設の歴史背景が正しく教えられておらず、そのために独立門はいまだに「日本からの独立」を記念する門であると誤解・勘違いしている人が多いという。
「日本からの独立」よりは「神様の恩恵」のほうがいい。
中国から独立したことが分かっているならまだいい。
表現とは違うけど、いまでも韓国の人たちは日本のしたことを認めたくないのだ。
日本に対する国民感情が100年と変わっていないなんて「さすが」の一言だけど、事実はそのまま伝えてほしい。
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>「日本からの独立」よりは「神様の恩恵」のほうがいい。
あははは~、とある翻訳ブログなんかを読むと「神ニッポン」と発言している韓国人が結構いるから、「神様の恩恵」と表現しても実は意味が同じだったりして。
まあ、国民的感情がどうであろうと歴史的事実をそのまま事実として正視できるようになれば、韓国もノーベル賞が取れるようになるでしょう。彼らが自分で目覚めるしかないですね。
個人的には、「近代国家を建設する国民的な自覚と、」も修正したいですね。当時は階級制度で、現在基準の国民とは大きく異なりますし。
細かい所なんですが、韓国の記事とかみると疑問に思うんです。
古代から現在に至るまで、国家や国の意味が、時代毎に別物である事が理解してる?と。
強引な韓国起源説や、反万年云々っていうのは、ここから発生していると推測しています。
歴史の反省は、起こったことをそのまま受け止めることです。
先入観や偏見で事実を都合よく解釈してはいけない。
韓国はよく日本に歴史の反省を求めますが、そういう意味での反省は韓国はまだまだですよ。
細かいことは気にしてないと思いますよ。
大事なことはそれを読んで気持ち良くなることですから。
だから細かく前後関係を見ると矛盾を感じることもありますが。