【日本の棄老】老人に餅を食べさせてあの世へ送る“奇習”

 

きょねんのクリスマスから正月にかけて、ニューヨークへ戻っていたアメリカ人が友だちに日本のお餅をふるまったところ、「なにこの不思議な食感?」と違和感を感じつつもおいしく平らげたとか。

「でな、日本では毎年、これでのどを詰まらせて亡くなる老人がいるんだぜ」と伝えると、「新年にそんな理由で死ぬ人が毎年いるのか?」とか「フグとか餅とか、なんで日本人はキケンなものを食べるんだ?」とおどろく(あきれる?)人が多かったという。

 

 

さて、いま世界中で拡散と恐怖が広がる新型コロナウイルス。
日本や中国ではこの病気によって死者が出たのだけど、インドでは「かん違い」から命を失う悲劇が起きた。

インド南部のチットゥールで体調を崩した父親が病院に行って、医師から「新型肺炎ではない」と診断されたにもかかわらず、それを信じなかった。
「自分は感染したにちがいない」と思いこんだ父親は家族に感染させないように、妻や子供を家に閉じ込めて母親が眠るお墓の近くの木で首をつって自殺した。

イギリス紙デーリーメールの記事(12 February 2020)

The 50-year-old farmer then locked his wife and children in their home in Andhra Pradesh’s Chittoor district before hanging himself from a tree near his mother’s grave.

Father who mistakenly thought he had caught coronavirus hangs himself in a bid to protect his family from the disease in India

 

正月にお餅で窒息死する日本の老人と、家族を守るために自殺したインド人。
この両者には一見つながりがないようだけど、実はまったく関係ない。
でも、トカナの記事(2020.02.09)によると、これを合わせたような“奇習”がかつての日本であった。

奇習! 老人に餅をたらふく食わせて「強制窒息死」を狙う棄老習慣! 幸福な食卓から一転、地獄の苦しみへ=東北

糖尿病が国民的な病気となる現代と違って、昔の貧しかった地域では、家族の食べ物不足を解消する方法として、老人を山などに“捨てる”棄老(きろう)という習慣があったという。

そんな背景をもとに姥捨て山の伝承が生まれた。

法令、口減らしなどのために高齢の親を山に捨てることとなった息子と、その親の物語である。

うばすてやま

老いた母親を背負って、山へ“捨て”に行く息子

 

おばあさんやおじいさんを山に置き去りにして餓死させるというのは、家族の誰にとってもつらすぎる。
でも、家で老人も食事をしたら、食べ物がなくなって体力のない子供から先に死んでしまう。
誰かが犠牲にならないと、他の人が生きてけなかった時代が日本にはあった。

それで最期においしいお餅を好きなだけ食べさせて、“自発的に”のどに詰まらせて窒息死させるということが東北で行われていたという。
先ほどの記事には現在88歳になる老人の言葉がのっている。

たしかにね、いくら餅をたらふく食べられるからといって、殺されるのはわかってるわけだから、じいさん、ばあさんたちは、そりゃあ悲しい思いもあったと思うんだよ。けど、そうすることで、子供や孫たちは生きながらえることができる。

 

家族を守るために自殺してもらう。
現代の日本の常識からは考えられないけど、山に捨てられるよりは、老人にせめて最後に天国を味わわせてからあの世に送ってあげたいという気持ちは理解できる。

太平洋戦争末期、すべての食べ物が底をついたとき、日本人が日本人を襲って殺害して、その肉を食べるカリバニズムが行われた。

山では食糧がないので友軍同志が殺し合い、敵より味方の方が危い位で部下に殺された連隊長、隊長などざらにあり、友軍の肉が盛んに食われたという。

「日本はなぜ敗れるのか 敗因21ヵ条  (角川oneテーマ21) 山本 七平」

くわしいことはこの記事を。

戦時中の日本人が記録した日本軍のカリバリズム(人肉食)

 

現代の日本人はラッキーな時代に生まれた。

 

 

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2 件のコメント

  • 東北地方の棄老・姥捨て山も悲惨だったと思いますが、江戸時代の「間引き・子殺し」の方が、一般にもっと知られた悲劇だったのではないでしょうか。私が子供だった昭和の頃には、TVドラマ、小説、漫画などで、たとえば、「木枯し紋次郎」(こんにゃくを喉に詰めて間引きされそうになった子供であり、以来こんにゃくが苦手で食べられない)とか、「闇の土鬼」(生きたまま埋められて間引きされそうになっていた赤ん坊だったが、生命力が強く土中でも生き残り、闇の忍者であった男に拾われ武芸者として育てられる)など、フィクションの題材として取り上げられていましたよ。時代劇でも時々テーマになっていました。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。