古代の日本は中国を“先生”として尊敬し、そこにあるものはすべて取り入れた。
というのはたまに聞くかん違いで、実際には日本は取捨選択をして、必要なものだけを受け入れていたのだ。
だから、中国にあって日本にないものはたくさんある。
評論家の山本七平氏はその例として、科挙、宦官、族外婚、姓、冊封、天命という思想とそれに基づく易姓革命、纏足(てんそく)をあげた。
逆に、中国にはなくて日本にあるのが幕府、武士、紋章だ。
幕府と武士は世界でも日本だけにあって、紋章(家紋)は日本とヨーロッパにしかないといわれる。
この点、中国と陸続きの韓国(朝鮮)はその影響を強くうけていて、中国の思想や文化、制度を日本以上に取り入れた。
「科挙、宦官、族外婚、姓、冊封、天命という思想とそれに基づく易姓革命、纏足」の中では、纏足以外はすべて朝鮮にもあった。
本貫が同じだと結婚できないという韓国の制度は族外婚の考え方による。
中国にならって作った宦官制度については以下を参照あれ。
評論家の小室直樹氏によると、纏足と科挙のほか、食人も日本人は全く理解できなかったという。
戦前の日本を代表する東洋史学者の桑原隲蔵は、中国で「食人肉食の風習」があったことは疑いの余地はないとしてそのパターンを5つに分けた。
その中のひとつに、薬として食したというものがある。
唐の時代の「本草拾遺」という薬本に人肉が薬材に加えられてから、それを薬として食べる考え方が広がったという。
といっても、病気の親に子が自分の肉を提供するという究極の親孝行のような意味だけど。
宋・元以來、父母や舅姑の病氣の場合、その子たり又はその嫁たる者が、自己の肉を割き、藥餌として之を進めることが、殆ど一種の流行となつた。
「支那人の食人肉風習」
*「支那」は中国のこと。現代ではこの言葉は侮辱語になるからNG。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
この影響だと思うけど、19世紀の韓国の独立運動家、金九(キム・グ)は自分のももの肉を切りとって病気の父親に食べさせている。
韓国の歴史をみると、人肉食の風習は新羅の時代から近代まで存在していた。
16世紀の朝鮮時代、人を殺して生肝を取り出して売った罪で多くの人間が捕まったという記録が「朝鮮王朝実録」にある。
こうしたことは近代まで続いた。
日本統治時代の朝鮮の昭和初期に至っても朝鮮・日本の新聞の記事の中にも長患いの夫に自分の子供を殺して生肝を食べさせる事件や、ハンセン病を治すために子供を山に連れて行って殺し、生肝を抜くという行為が散見される。
*ハンセン病を治すために生肝を食べるという俗信は日本にもあったらしい。
でもさすがに、このころになると韓国社会でも人肉食は野蛮な風習とみられて、忌避されるようになる。
それに日本(朝鮮総督府)も法律でこれを禁止した。
中国と韓国にはあって日本になかったものに、「凌遅刑(りょうちけい)」という処刑がある。
罪人の体を少しずつ切りとって死にいたらしめるという刑罰で、中国で(おそらく世界でも)最も残酷で苦痛に満ちた処刑法だ。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
日本人が嫌う韓国の考え方:裏切り者(親日)は死体も許さない。
凌遅刑で切りとられた人肉は薬として食べられたという説もある。
時代はぐっと現代に近づいて、2012年の韓国で「人肉カプセル」が出回っていると大騒ぎになった。
死産した胎児や新生児の肉を乾燥させて作った粉末の「人肉カプセル」が中国から韓国へ大量に密輸入されていたことが発覚して、韓国当局が取り締まりを強化。
韓国で「最高の滋養強壮剤」といわれていた人肉カプセルの効果を信じて、滋養強壮や若返りのためにこれを服用する人がたくさんいた。
この事件が明るみにでると国の内外に大きな衝撃をあたえ、韓国メディアはもちろん海外メディアも取り上げた。
これはフランスAFPの記事(2012年5月8日)
韓国関税庁の発表によると前年8月以降、当局は「人肉カプセル」の密輸35件を摘発、カプセル1万7451錠を押収した。
韓国、中国製「人肉カプセル」の取り締まりを強化
この事件も根本をたどると、唐の「本草拾遺」という薬本にいきつくのでは?
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