日本人が欧米人と違って、パレスチナ人から歓迎される理由

 

ルーマニア、ロシア、ブルガリア、リトアニア、オーストリア、カリフォルニア、アラビアなどの国名や地名には「~イア」で終わるという共通点がある。

これは「~の国(土地)」というラテン語(ia)によるもので、こうなると「キッザニア」の意味もわかるだろう。
くわしいことはこの記事を。

世界の国名・地名:語尾の「イア(ia)」はラテン語で「~の国」

 

イスラエルの中にある「パレスチナ」という地名も、むかしここにペリシテ人が住んでいたことから「パレスチナ」(ペリシテ人の地)となったという。

 

地図の赤い部分はパレスチナ人が治める自治区

 

イスラエルにある古都エルサレム

 

 

20年以上前にイスラエルを旅行中、エルサレムから日帰りでパレスチナ自治区のヘブロンという街へ足を運んだ。

イスラエルではイスラエル人とパレスチナ人との対立が激しくて、ヘブロンでは上の写真のようなデカい銃とヘルメットで武装したイスラエル軍兵士をあちこちで見たし、上の階にいるイスラエル人が下にいるパレスチナ人に向かってゴミを投げつけるから、それを防ぐためのネットを付けたとパレスチナ人から聞いた。

*たしかにそんなネットはあったけど、イスラエル人が本当にゴミを投げたかは謎。
エルサレムにいるイスラエル人にこの話をしたところ、ヘブロンには行ったことがないし、そんな話は聞いたこともないと言う。

ヘブロンでのパレスチナ人・イスラエル人との争いについては、1994年に起きた「マクペラの洞窟虐殺事件」の背景を見てみよう。

パレスチナ人のムスリム29名が殺害され、125名が負傷し、ゴールドシュテイン自身もその場で殺された。事件後、中東各地で暴力的な抗議活動が発生し、衝突や襲撃などでイスラエル人、パレスチナ人双方に多数の死者が出た。

マクペラの洞窟虐殺事件

 

エルサレムの宿に戻ってから、同室のイギリス人かフランス人に「今日ヘブロンに行ってきた」と言うと、「ええっ!マジで?」とえらく驚かれた。
ワケを聞くと、「自分のような白人(ヨーロッパ人と言ったかも)が行ったら、パレスチナ人から襲われるかもしれない。ヘブロンは興味深い街だけど行くには危険すぎる。君は日本人でラッキーだ。パレスチナ自治区にもユダヤ人の居住地にも、自由に行くことができるのだから」と話す。

考えてみれば、日本とパレスチナはに歴史的な接点がほとんどない。
キリスト教徒とイスラーム教徒(パレスチナ人のほんとんどはイスラーム教徒)による十字軍の戦いやヨーロッパ人による植民地支配のような宗教や人種間の対立とは無縁だから、パレスチナ人が日本に敵意を持つ理由はふつうならないはずだ。
「イア(ia)」という言葉があることからもヨーロッパとのつながりを感じさせる。

 

ボクのような仏教徒でアジア人の日本人なら、パレスチナ人から見るときっと宗教的には中立で人種としては自分たちに近い。
そのせいかヘブロンを歩いていて、危ない目には一度もあわなかった。それどころか、パレスチナ人はとてもフレンドリーに接してくる。
「よく来た」とバナナをくれる人がいたり、先ほどの「ごみ防護ネット」のように自分たちがユダヤ人から“いじめ”を受けているとグチをこぼす人もいた。

 

 

でも新型コロナウイルスの感染が広がるいまは、こんなことがあるから要注意。

読売新聞の記事(3/2)

邦人女性に「コロナ」と声かけ暴行、パレスチナ人の女逮捕

パレスチナ自治区にある民間活動団体(NGO)で活動する日本人女性2人が道を歩いていると、パレスチナ人から「コロナ、コロナ」とからかわれて暴行をうける事件が起きた。
まあこんなことは特殊な事例で、現地ではいまも日本人は歓迎されていると思いたい。

 

 

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4 件のコメント

  • > パレスチナ自治区にある民間活動団体(NGO)で活動する日本人女性2人が道を歩いていると、パレスチナ人から「コロナ、コロナ」とからかわれて暴行をうける事件が起きた。

    この暴行された女性2人、ビデオを見てみると分かるのですが、マスクをしてます。
    日本人では知らない人が多いのですが、海外(特に欧米人)では、マスクをしているのは重病人か犯罪者というのが相場であって、とても怖がられ、嫌がられます。現地の慣習をよく調べることもなく、平気でマスクを着用して街中を歩いているなどと不用心なことをするから、こんな目に会う。パレスチナに限らず、ヨーロッパやニューヨークでも「マスク着用東洋人(おそらく大半は日本人)」が同様のトラブルに見舞われています。
    WHOがマスク不要と強調する理由の一つが、このような偏見に基づくトラブルを、欧米では完全に払しょくすることができないからなのです。
    でも、日本国内だったらこんなことする人はまずいないだろうから、マスクを着用すべきですね。その程度のことも峻別できず、マスクの件を全く報道しないとは、メディアも、医療関係者も、自分の頭で考えるということをしないのか? WHOの言葉は絶対ですか? 彼らだって所詮は人間、偏見に基づく見解だってありますよ。

  • マスクをした人は重病人というのは知ってましたが、ヨーロッパやニューヨークで「マスク着用東洋」が同様のトラブルに見舞われているというのは初耳です。
    街中でマスクをしていたことが暴行の原因になったというのはどこで確認できますか?

  • へー、ブログ主さんはそれほど海外欧米人の慣習に詳しいのに、その見方が初耳とは意外ですね。今や常識ともなりつつありますよ。たとえばNewsweekなんかにも記事がありました:
    https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/02/ny-26.php
    米国人に「東洋人がマスクを着けていたら、暴行するか?」と聞いたところで、「Yes」と返答するバカはいませんよ。「不気味がられる」そういう目で見られることは、海外においては、必ずトラブルに巻き込まれる原因になります。欧米人には、日本人も中国人も韓国人も、ましてやマスクを着けていたら、全然区別ができないのですからね。
    海外では、周囲の人がマスクを全然していないのに(東洋人である)自分だけが着用して町を闊歩するというのは、きわめて危険な行為だと思います。

  • この事件は初耳でした。
    ただ記事を読みましたが犯人の動機が分かりませんから、マスクが原因かもハッキしませんね。
    それとこれはニューヨークで一件起きた例外的な事件で、一般化するのはむずかしいでしょう。
    たしかに欧米でマスク姿は奇異に見られる傾向はありますが。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。