それで未来志向? 日本に正義と歴史認識を押し付ける韓国

 

地球はひとつでも、価値観や見方は国によってバラバラとは言わないけどそれぞれだ。
日本人としては善意で提供したごぼうが、外国人には「虐待」になって裁判で有罪判決をうけることもあったのだから。

【日本だけの食文化・ごぼう】善意で外国人に提供→虐待で処罰

 

まあこれは極端な例だけど、食文化の違う相手に自国の文化を押し付けてはならぬ。
食べ物に限らず外国人同士では価値観や立場がちがうから、同じことでも別のものに見えることがある。
これは結局、「違いは間違いじゃない」とお互いを認めあうしかないのだ。

さてここで取り上げるのは歴史認識だ。
日本と韓国は鏡の国で「正義」の基準も異なるから、特に近現代史では同じ人物や出来事でもまったくちがう姿に見えることも多い。

 

その代表的な人物として、高校の世界史でならう安重根(1879~1910)がいる。

安重根(アンジュングン、あんじゅうこん)

朝鮮の独立運動家。1907年沿海州で愛国啓蒙運動と義兵闘争に参加。朝鮮の植民地化を決定づけたとして、09年10月に伊藤博文をハルビンで暗殺した。

「世界史用語集 山川出版」

安重根
日本のネットでは「世界のナベアツと似てね?」という声も。

 

今週、日本統治時代の1919年3月1日に起きた「三・一独立運動」を記念する式典で、日本に「歴史を直視する姿勢」を求めた文大統領は安重根に触れる。

日本経済新聞の記事(2020/3/1)

「過去を直視してこそ傷を克服できる。過去を忘れることはないが、過去にとどまることもない。日本もそのような姿勢を見せてくれることを願う」と述べた。初代韓国統監の伊藤博文を暗殺した独立運動家、安重根に触れ「日本は常に最も近い隣国だ。安重根義士は日本との敵対ではなく、東洋の平和実現をめざした」などと指摘した。

韓国大統領、新型コロナ「日本と共に危機克服を」

 

1965年の日韓請求権協定をひっくり返したり、解決済みの慰安婦問題に固執しているのは一体どこの韓国ですか?

それはさておき、「初代韓国統監」というのはとても韓国的な見方で、日本で伊藤博文はふつう初代首相と見られている。

そして韓国を“侵略”した伊藤博文を銃殺することは韓国人にとっては英雄的行為で「義挙」、そんな“正義”をおこなった人物は「義士」と呼ばれる。
でも首相を暗殺する行為はテロで、それを断行した人間はテロリストにほかならない。
身近に外国人がいたら、自国の首相を殺害した人物を「英雄」と「テロリスト」のどちらで呼ぶか聞いてみてほしい。
「英雄」と呼ぶ人がいたら、興味深い思考回路だ。

「東洋の平和実現をめざした」というのも言ってみれば“犯行動機”だから、安重根を英雄視する人には動機も美しく見える。
「日本との敵対ではなく」というのはあるていど正しくて、安重根は明治天皇を心から尊敬していた。
だからテロリストではあるものの、当時の日本人から一定の敬意を払われたのだ。

くわしいことはこの記事を。

日本人が暗殺者・安重根を「憎みつつも尊敬した理由」とは?

 

ごぼうを「おいしい!」と思う人もいれば、「木の枝のようで、これを食べさせられるのは虐待だ」と怒る人もいる。
同じものでも、文化がちがえばご褒美にも拷問にもなる。
だからテロリストを義士と呼べ、愚行を義挙と思えというのは拷問と同じで、価値観の押し付けは絶対にいけないのだ。
韓国人にも当然、この逆をしてはいけない。

この前インド人と話しているとき、ボクが世界史でならった「セポイの反乱」(インド大反乱)のことを「インド独立戦争」と呼んでいた。
イギリスから見たら反乱だけど、インド人にとってあれは独立を求める戦いだった。
どちらの呼び方が正しいかは、英印どちらのサイドに立つかによる。

相手の見方を無視して自分の価値観を強調し、

「歴史をかがみとして互いに手をつなぐことが東アジアの平和と繁栄への道だ」
「日本もまた、そのような姿勢を見せてくれることを願う」
「未来志向の協力関係に向けて共に努力していきたい」

と言っても日本にはひびかない。
一方的な正義を押し付けられたら、息が詰まって協力関係なんてとても無理。
韓国側が「違いは間違いじゃない」という態度になってくれないと、未来志向の日韓関係はむずかしい。
終わった過去の問題にこだわるというのはブレーキをアクセルを同時に踏むようなもので、まったく先に進まない。

 

おまけに言えば「三・一独立運動」も日本人の見方は韓国人とは別にある。

朝鮮人のキリスト教などの宗教指導者たちの扇動により、朝鮮朝鮮半島全体に運動は暴動として広がり、暴徒による日本人惨殺や放火などが相次いだ。これに対し朝鮮総督府は、警察に加え軍隊も投入して治安維持に当たった。

三・一運動#運動の広がり

 

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2 件のコメント

  • 「歴史をかがみとして今は互いに距離を取ることが、東アジアの平和と繁栄への道だ」
    「韓国もまた、そのような姿勢を見せてくれていることに賛同する」
    「未来志向の、相互に大人の関係に向けて今は日本も努力している」
    と、言ってやってください。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。