ひな祭りの和菓子、ひし餅の色と意味。ヨーロッパでは?

 

3日まえ、3月12日は「スイーツの日」だった。

「ス(3)イ(1)ツ(2)」という英語や日本語読みによる強引な語呂合わせだけど、多くの人にスイーツの魅力を伝えるという目的で日本記念日協会にこの日が登録されている。

ということで今回の話題は日本の和菓子の菱餅(ひしもち)だ。

 

 

このまえ2人のリトアニア人と江戸時代の旅館(旅籠)を見に行った。

リトアニアは東ヨーロッパにある人口約300万の国で、国土は北海道よりも小さい。

 

 

 

その旅館には季節がら、こんなひな人形が飾られていた。

 

 

ひな祭りの定番で、日本の伝統的スイーツのひし餅も。

 

 

こうして餅がひし形になったのは江戸時代で、はじめは緑と白の2色だったのが明治時代に赤色が加わって現在の3色のひし餅となる。

色にはそれぞれ意味があって、桃の花を表す赤色には魔除けや健康を祝うという意味がある。
白は残雪で清浄という意味。
蓬(よもぎ)を使った緑の草餅には厄除けの意味があって、春になると見られる新芽や若草をイメージしたものだ。

3色のひし餅は全体として、冬から春への季節の移り変わりを表している。
春夏秋冬の四季がある国は他にもあるけど、日本には桜・新緑・紅葉・雪とはっきりした四季があって、季節の移ろいを目や肌で感じられるところが他の国とはちがうのだ。

こうした季節の変化を表現するのが和食の特徴で、農林水産省のホームページにはこんな説明がある。

季節感を料理の見た目で表現すること も「和食」の得意分野です。季節に合わせた 植物の葉や花を用いた「かいしき」は、料理 に文字通り花を添え、季節感を美しく演出し ます。

和食の特徴

 

日本人にとってこれは常識的な発想で、和食の基本でもある。
だから、ひし餅などの和菓子にこの考え方が表れるのは日本の必然。

大正時代に来日した天才物理学者アインシュタインはこう言った。

「日本の風光は美しい。日本の自然を洗っている光はことのほか美しい」
「日本では、自然と人間は、一体化しているように見えます」

 

このとき一緒にいたリトアニア人の1人はイギリス、フランス、オーストリア、スペイン、ポーランドなどヨーロッパのいろんな国を旅行したり、数か月間、住み込みで働いていた経験がある。
ヨーロッパの事情にくわしいから、むこうでも季節が反映されたスイーツがあるかたずねたところ、そういう食べ物は思いつかなかった。
ヨーロッパでは、クリスマスやイースターなどのキリスト教のイベントでお菓子が作られることが多いと言う。

もう1人にはあとでメールで聞いてみた。
その返事がこれ。

Don’t know about the sweets, but in Lithuania cold beet root soup represents summer, because mostly people eats that on summer time And can’t think of any sweets that could be especially for one of the seasons.

スイーツのことはよく分からないけど、夏を表す「冷たいビートのスープ」ならリトアニアにあって、多くの人が夏にこれを飲む。
でも、季節を表すスイーツというのはやっぱり思い浮かばない。

食べ物に四季を反映させるという発想は、日本の食文化の大きな特徴といえそうだ。

 

右側の赤いのがビートのスープ

 

「火焔菜」とも呼ばれるビート(テーブルビート)は、日本には江戸時代に伝わったといわれる。
これを食べると、健康には問題ないけど、う〇ちがピンク色になることもあるそうだ。

 

 

 

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2 件のコメント

  • 「日本の風光は美しい。日本の自然を洗っている光はことのほか美しい」
    アインシュタインが日本の自然を表現するのに「光」にこだわったのは、おそらく、特殊相対性理論など自分の成した学問上の業績との関係からでしょうね。
    「光の速度は、光の進む方向に対して、地球が追いかけている時に測定しても、地球がバックしている時に測定しても、どのような状態で測っても必ず一定値を示す」マイケルソン&モーリーの実験結果、1907年に米国初のノーベル物理学賞を受賞しました。この実験結果を、それまでの物理学の法則と矛盾することなく説明するのに成功したのが、アインシュタインの特殊相対性理論です(アルバート・アインシュタイン:運動している物体の電磁気力学について、ドイツ語、1905年)。
    なお、アインシュタイン自身は相対性理論の業績でノーベル賞を受賞していません。それに同等以上のもう一つの偉大な業績「光の量子仮説に基づく光電効果の理論的解明」、大雑把に言うと、「光は波の一種であるとしてその多くの特徴が説明できる。しかしながら、真空管、日焼け、太陽電池など、光を粒子の一種と考えることで初めて説明できる現象もある」によって、1921年、ノーベル物理学賞を受賞したのです。こちらの業績もやはり「光」についてのものですね。

  • う~ん、深い考察ですね。
    アインシュタインの発想は特別ですから人とは違って見えたのかもしれません。

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