2年前の2018年、日本ではこんな名前が人気だった。
男の子なら大和(やまと)、健人(けんと)、絢斗(あやと)
女の子なら丈乃(たけの)、六花(りっか)、蕗(ふき)
このときの親は子どもに古風な名前を付けることが多かったから、「伝統回帰か?」という指摘もあった。
くわしいことはこの記事を。
2018年、子供の命名に見るいまの日本人。より伝統的・和風に?
でもその一方で、名簿をわたされると「え~っと?」と悩んでしまうような、いわゆるキラキラネームを付ける親も多い。
例えば次の名前を読めるだろうか。
永久恋愛、四駄霊、爆走蛇亜、姫心愛、正義、凱宙
(えくれあ)(よだれ)(ばくそうじゃあ)(ぴゅあ)(じゃすてぃす)(がいちゅう)と読むのらしいのだけど、誰がわかるかと。
さて2020年のいま、子育て情報サイト「ママスタ」の掲示板に投稿された微妙なキラキラネームが話題になっている。
ある母親が「空のように大きな夢を持ってほしい」という願いを込めて子どもに「夢空(ゆあ)」と名付けたところ、従姉妹から、
「なんでまたそんな名前にしたん?読めんやろ?漢字の持つ意味とかも考慮したほうが良くない?夢が空っぽって意味になるよ?」
と批判され、従兄弟からも「教師泣かせの名前だよ」と言われた。
それでこの母親は「子どもの名前をいとこに馬鹿にされた」とお怒りらしい。
夢空を「ゆあ」と読むのはむずかしいけど、これは四駄霊、爆走蛇亜、凱宙とは別カテゴリーに入れるべき。
だから母親の不満も理解できる。
まあ最終的に判断するのは本人だ。
2019年には「王子様」という名前を付けられた男性が、家庭裁判所の許可を得て改名したことをツイッターで報告して話題になった。
名前を何度も聞き返されたり、「本当に本名ですか?」と確認されたりするのが本当にわずらしかったとか。
さてこの“キラキラネーム”にネットの反応は?
・普通にむくうとかゆめそらでいいやんけ。
・まぁ他人の名前なんてどうでも良いけどな
・「むっく」とは、誰からも好かれそうな素晴らしい名前……ですぞ!
・戒名みたいだな
・今の子はアニメみたいな名前いっぱいおるぞ
・なんで付ける前に周りに聞かないかな
・ギリギリセーフのような気もするがこういう時は親を見て判断する
人間は成長するけど、名前は基本的には一生もの。
50代の部長になってから部下やまわりから「夢空」(ゆあ)と呼ばれるのは、個人的にはかなり辛いけど、70代のおじいさんになったら案外しっくりくるかも。
日本にいる外国人のなかには漢字や日本文化に興味のある人がいて、「日本人の名前は本当に美しい」という話を聞くこともある。
abcといったアルファベットには音しかないけど、「愛・夢・空」といった漢字にはそれぞれ意味があるから、日本ではこの母親のように子どもの名前に願いを込めることは一般的だ。
それで「新しい日本人と出会うと、名前の意味を聞くのが楽しみ」というタイ人もいた。
これかの日本が国際化するのは間違いないから、外国人に自信をもって説明できる名前がいい。この点、「夢空(ゆあ)」は大丈夫。
美しい名前はやっぱり伝統的な名前に多いとおもう。
2018年には女の子の名前で、陽葵(ひまり)や琥珀(こはく)も人気だった。
こちらの記事もどうですか?
”ゴクウ”というペルー人!欧米(キリスト教圏)の名前のつけ方。
>abcといったアルファベットには音しかないけど、「愛・夢・空」といった漢字にはそれぞれ意味がある
漢字には意味だけではなく、音もありますよ。音読み、訓読み、それもしばしば複数の。
そのことを意図的に記述しませんでしたか? それとも忘れていただけかな?
>これからの日本が国際化するのは間違いないから、外国人に自信をもって説明できる名前がいい。
だったら、自信をもって「漢字の読み」を説明できるような名前の方がいいと思いますがね。
ということで、
>この点、「夢空(ゆあ)」は大丈夫。
ではないと思います。ぜんぜん。ブログ主さんの述べた理屈はめちゃくちゃだ。
ただし、子供に好きな名前を付けることは親の権利の一つだと思いますので、「その名前を変えるべき」とまでは考えません。とても大丈夫だとは思わないが、やりたかったらやればいい。
将来的にその名をつけた子供からどう思われるかは、その親当人が負うべき責任ですし。
もし気に入らない名前だったら、裁判所へ訴えるとかして変えることもできるし。
以前、林修さんがおもしろい見解をしていました。
まず、キラキラネームは学力にある程度相関があるようです。名前の読める、読めないでテストの点数に関わってくるそうなんですね。
まぁこれは…(ここは私的な見解ですが)そーゆう名前をつける親がどんな親かってところに影響があるのかと。
それと、固有名詞はそれ自体は意味を持たなくて、あるひとつのものを特定して指示する機能なんだから、ぱっと見た時に誰と特定できないような名前は固有名詞本来のあり方をなしてないと言っていました。
名前に個性を持たす必要もない。
名前にインパクトがあると名前負けしたり弊害もありうる。
シンプルな名前であったとしても、その人が何を成したかでその名前の価値は変わる。
その最たる例が鈴木一郎だ…と。
なるほど、とても腑に落ちました。
発音のない文字はないでしょうね。
「ゆあ」という読み方は説明できますし、「空のように大きな夢を持ってほしい」という母親の願いはいいものだと思います。
なるほど。
さすが林修さんですね。背景を深く考察されている。
>の人が何を成したかでその名前の価値は変わる。
ある意味「トランプ」もそうですね。成功をおさめたビジネスマンかイスラーム教に厳しい大統領かで、名前の持つ意味や周囲の見方が変わりましたから。