世界四大文明といえばメソポタミア、エジプト、インダスそして中国文明の四つ。
この中で現在までつづいているのは中国文明だけで、あとの3つは歴史の中に消えてしまいましたとさ。
それを象徴するのが文字で、漢字は現在でも使われているけど、あとの楔形文字やらヒエログリフなんかはレリーフに刻まれたものを博物館や遺跡で見ることができるぐらい。
そんな数千年の歴史がある漢字は、日本語を学ぶ外国人にとっては高い高いハードルで、人によっては天空にまで聳(そび)えるけわしい山としてその前に立ちふさがる。
日本に3年間住んでいてその山を登っていたアメリカ人は結局、日本語の習得をあきらめた。
少し前に、いまは韓国にいるその人から「kanji is what made me stop learning Japanese」と、漢字のせいで日本語を学ぶ気が失せたというメールをもらった。
韓国語のハングル文字はすぐに覚えられるから楽でいいらしい。
「abc」などのローマ字や「훈민정음」といったハングル文字とは違って、漢字には一文字一文字に意味があるから複雑で習得にはどうしても時間がかかる。
でも、中には漢字が表意文字だからこそ独特の面白さを感じる外国人もいて、例えばあるアメリカ人はSNSにこんな文章を載せていた。
If you take apart the kanji for tea 茶, you get 8 八 10 十 8 八. Lined up and read as is gives you 八十八 [hachi jū hachi], or 88.
「茶」の漢字を解体すれば「八・十・八」になって、それらを並べると八十八(88)と読める。
ここからその人は新茶と八十八夜にかかわる日本文化を展開していた。
そのへんのことはアサヒ飲料のホームページで確認されたし。
日本語を勉強していて、「漢字には意味があって奥深いから好きです」と言う知人のドイツ人とスカイプで話をしていたとき、彼に好きな漢字を聞いたら「鳥と島です」と言う。
この二つの漢字は見た目がほとんど同じだけど、意味はbirdとislandでまったく違うから不思議に思ったという。
それで、「この両者には何か関係があるに違いない」と思って成り立ちを調べてみたら見事にビンゴ。
「島」を分けると山と鳥になり、渡り鳥が海中で山のように突き出たところで休むことから、そこが「島」になった。
いってみれば島は鳥の休憩所。
謎を感じて、調べてみるとそういう意味が分かったから、そのドイツ人はこの2つの漢字が好きになったと言う。
これと反対で、「この漢字は大嫌い。本当に最低最悪」とイギリス人女性に嫌悪させた漢字がある。
そのイギリス人は日本の中学校で英語を教えていて、社会での男女平等を理想ではなく当然と考えていた。
だから「OL」(オフィスレディ)という言葉を男も女も平気で使う、日本の男尊女卑の風潮にショックを受ける。
そんなイギリス人が、これほどひどい漢字はないと吐き捨てたのが「嬲」。
2人の男に女がはさまれているこの漢字は「嬲(なぶ)る」と読む。
もてあそんぶ、ばかにする、いじりまわすといったネガティブな意味だから、この言葉をビジュアルで想像すると、そのイギリス人女性にとっては許しがたい映像が浮かんでしまうらしい。
ひょっとしたら、性的なものを想像したかもしれない。
そう言われてみれば日本人のボクから見ても、男2人と女性1人で「なぶる」というのはひどいとは思ったけど、そんな漢字は日常生活ではまず使わないし、どこでそんなレアな漢字を見つけたか聞いたら、海外メディアの記事で見たという。
でも後から知ったことだけど、この漢字には「嫐」という逆バージョンもあった。
これも「嫐る」で「なぶる」と読み、意味も嬲ると同じ。
だからじつは男女平等だったりする。
でも「なぶる」で漢字変換しても、「嬲る」か「弄る」しか出てこないからやっぱり男尊女卑か。
それにしても、外国人の目から見た漢字の世界は面白い。
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>そんなイギリス人が、これほどひどい漢字はないと吐き捨てたのが「嬲」。
>2人の男に女がはさまれているこの漢字は「嬲(なぶ)る」と読む。
これは、性的犯罪者の行為などを表す漢字ですよね。日本人だって、こんな漢字が好きな人はそういないですよ。両側にいるのが男だろうが、女だろうが、不快な意味であることには変わりありません。同じ意味の英単語だって不愉快でしょ?
>そのイギリス人は日本の中学校で英語を教えていて、社会での男女平等を理想ではなく当然と考えていた。
>だから「OL」(オフィスレディ)という言葉を男も女も平気で使う、日本の男尊女卑の風潮にショックを受ける。
「OL」という言葉のどこが男尊女卑なんですかね? 米国のように secretary と呼べとでも? なお先に言っときますが、OLという単語が登場する前に日本でも使われていた business girl や business woman という単語は、それこそ不適切な意味がありますからね。それを避けるために office lady という和製英語が作り出されたのです。意味としては、単に officer や business man を女性名詞化しただけのことですよ。考えすぎだ。
そのイギリス人女性がどれほど英語の権威者であるのか知りませんが、かなりの偏見の持ち主であると思いますね。ま、白人女性によくあるタイプ。
日本人の英語に文句をつけてる暇があったら、heとsheの使い分け、mr.とmrs.とmissとmisの使い分け、性的マイノリティの代名詞は?といった、英語に特有の欠陥を自分達でまずなんとかしなさいな。
漢字は表意文字でローマ字とは根本的に違いますから。
「OL」については日本人と外国人では感覚や見方が違うでしょうね。