コカ・コーラ誕生の歴史/外国人が驚く日本の「魔改造コーラ」

 

日台関係と書いて「そうしそうあい」(相思相愛)と読む。
いまの日本と台湾はそう表現してもおかしくないほど仲がよく、それには八田与一とテレサ・テンの影響がとても大きい。
先日5月8日はそんな恩人2人の命日だったから、こんな記事を書きました。

「感謝しきれない!」日本人の八田与一が台湾で愛される理由

 

じつはこの日はコカ・コーラの誕生日でもある。
「Coca-Cola」と書いて「スカッとさわやか」、または「いつでもどこでも」と読む(たしか)、いまの日本では国民飲料になっているコーラは5月8日に生まれたのだ。
ということで今回は日本とコカ・コーラの歴史、それと外国人から見たアンビリバボーな日本の「魔改造コーラ」を紹介しようと思う。

 

漢字の国・中国ではコカ・コーラをこう書く。

 

まずはコーラ生誕について。

話は1886年(明治19年)、日本ではノルマントン号事件が起きて、海外では自由の女神像が完成した年にさかのぼる。
*歴史好きと静岡県民なら静岡事件も覚えておこう。

この年、薬剤師のジョン・ペンバートン博士が「コーラの実」から独特の甘い香りのするコーラ・エキスを作り出して、友人のロビンソンがそれに「コカ・コーラ」という名前を付けた。

人類が未知の飲み物を開発したこの日は5月8日だったから、この日がコーラ爆誕の日となる。

植物のコーラについてはここをクリックだ。

嗜好品の多くが禁じられているイスラム文化においては、コーラ・ナッツは唯一許された興奮剤であった。

コーラ (植物)

1890年代のアメリカでは5セントで販売されていた。

 

明治時代に誕生したコーラは大正時代には日本へ伝わった。
1914年(大正3年)に高村光太郎が発表した詩集『道程』には「コカコオラ」という言葉がでてくるし、大正14年に芥川龍之介が書いた手紙にも「コカコラ」という文字がある。
まだまだ全国的ではなかったけれど、こうした文豪をはじめ都会にいるハイカラな人たちの間でコカ・コーラは愛飲されていたのだ。

コカ・コーラがいまのような庶民の飲み物になったのは戦後で、国内で生産されたコーラが日本にいた連合国軍の関係者に飲まれていたことから、しだいに世間へ広がっていく。

偶然にも1957年5月8日、コーラが誕生した日に日本でもコカ・コーラの製造販売が始まった。
くわしいことはコカ・コーラのホームページをどうぞ。

1957年(昭和32年)5月8日に、20ケースの「コカ・コーラ」を納品しました。この日は、日本の「コカ・コーラ」事業にとって記念すべき1日となりました。

日本におけるコカ・コーラビジネスの歴史 第2回 日本の消費者と「コカ・コーラ」の出会い

中国には「ホットコーラ」があってビビった。
炭酸はほとんど消えていて、ただの甘い汁になっていたけど。

 

さて、ちょっと考えてみましょー。
日本文化の特徴ってなんだろう?

伝統的にいえば「中国文化の魔改造」で、日本人は中国から伝わった文物を自分たちの好みや価値観に合わせて別物に変えてしまう。
着物や扇子などがその代表例で、中国の物に新しい表現を加えて日本独自の物にした。
その意味では、独創性よりクリエイティビティが日本文化の特徴と言える。
くわしいことはこの記事をどうぞ。

日本文化は独創性より創造性。中国の団扇から扇子をつくる。

 

古代中国から文化的な影響を受けたのは朝鮮半島も同じで、韓国出身の評論家で日本研究者の呉善花さんが日本文化をこう表現する。

日本の生け花、お茶、庭、盆栽などについて、そのベースが中国にあったにせよ(中略)それらの文化は、日本の土壌のなかで高度につきつめられ、もはやコピーを脱した独自の輝きをもって自立していることを、誰もが認めるしかないからである。

「ワサビの日本人と唐辛子の韓国人 (祥伝社) 呉善花」

 

「独自の輝き」というと面映ゆいけど、日本人はコーラも外国人が驚くほどに変えてしまう。

愛知のソウルフードといえば味噌で、聖地の岡崎市を訪れた知人の台湾人はこれにびっくらたまげた。

 

「味噌可樂ʕ•͡ᴥ•ʔ」というコメントに対して、友人が「看起來就很可怕」と書き込んでいる。
機械翻訳を参考にすると「見た目がとても恐ろしいです」という意味らしい。
「但喝起來不錯耶(でも、飲むにはいいです)」という。

 

アメリカ人(イギリス人かも)に「日本、マジか?」と思わせたのはこれ。

 

日本で見つけた「オレンジコーラ」をSNSに投稿すると、友人が「Wait wut?」と書き込む。
「wut」は「what」のことで、「ちょっと待て。なにそれ?」といった感じだ。
オレンジとコーラの組み合わせはあり得ないらしくて、別の友人は「No. Just no」とコメントする。

 

「うなぎコーラ」を飲んだアメリカ人は、

 

 

その感想をSNSにこう書いた。

「Eel-flavored cola! It tasted more like cola than eel, unfortunately」(うなぎコーラ!残念なことに、うなぎよりコーラの味のほうが強かった)

おどろけ世界、これがジャパニーズコーラだ。

 

 

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2 件のコメント

  • みそコーラは味噌の味するんですか? ウナギコーラはウナギが苦手な私には手が出せないコーラです。
    ええ? オレンジとコーラの組み合わせダメなんですか? 今はイチゴです。 少し前は桃だったような。
    「スカッとさわやか」はよーく覚えているのですが「いつでもどこでも」は忘れかけておりました(>_<)
    私はどっちかというとコカ・コーラよりペプシ派です(*^^*)
    豊臣秀吉が朝鮮出兵しなければ唐辛子文化もなかったろうにと思うんですけどね~。

  • 味噌コーラとうなぎコーラは飲んだことないんです。
    両方とも味が強そうな気がしてどうなるんだ?という気はしますけど。
    イチゴとかオレンジとか日本人はいろんなものをくっつけますね。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。