【五感で拒否】日本の納豆で、アメリカ人が感じたこと

 

きのう7月10日は「潤滑油の日」だった。

710を反対にするとOILになるというウルトラ発想から、全国石油工業協同組合がこの日を「潤滑油の日」とし、日本記念日協会に申請して認められた。
同じ理由で「植物油の日」でもある。
*でもあとで「テンプラ油」の「テン」から毎月10日に変更された。

 

でも、日本でよく知られた7月10日の記念日は、やっぱり「納豆の日」でしょ。
これは「な・とう」だから、「OIL」のような無理やり感はない。

平安時代に登場したこの食べ物は、お坊さんが食べる精進料理として禅寺の納所(なっしょ、寺の倉庫)で作られたことから、「納豆」と呼ばれるようになったという説がある。
語源的にはきっと、物を納(おさ)める建物・納屋の「納」と同じ。

関西の人たちにもっともっと納豆を食べてもらおうと、関西納豆工業協同組合が7月10日を「納豆の日」にして、1992年に全国納豆工業協同組合連合会によって全国的な「納豆の日」となった。

納豆は全国的に有名な食べ物だけど、その支持率は地域によって大きく違っていて、東日本では人気が高い一方、西ではイマイチだ。

特に北関東から南東北にかけて消費量が多い。生産量日本一は茨城県、消費量日本一は福島県である。逆に消費量が少ないのは西日本で、最下位は和歌山県である。

納豆・日本

消費拡大のための「納豆デー」が関西で生まれた背景にはこれがある。

地域差はあっても、納豆を「日本の国民食」と呼んでも間違いではない。
この独特の臭いや味、食感は日本人には言わず最上もがだけど、外国人はどう思うのか?
ここではアメリカ人の反応を紹介しよう。

 

まずは知人から。
日本の中学校で英語を教えていたニューヨーク出身のアメリカ人は、学校給食で初めてこれと出会った時、「いつかは超えないきゃいけない日本の壁」と思い、挑戦することにした。
「なにこの臭い!」と思いながら納豆を箸でかき混ぜて、口に入れて何とか飲み込んでみたものの、二度目は無理。
生徒の食べ残しには厳しい担任も、「アメリカ人になら仕方ない」と大目に見てくれたらしい。

「NYには世界中の食べ物があって、ひどい見た目や臭いの食べ物は知っているけど、『見た目・におい・かき混ぜるときの音・味・食感』の五感すべてがダメなの食べ物は納豆が初めて。本当はすぐに吐き出したかったけど、みんなが私を見ているからそれだけはできなかった。」とそのときの惨劇を振り返る。

そう言えば「臭い足のにおい」と表現したアメリカ人もいたな。

英語版ウィキペディアにも似たような説明がある。

It is often served as a breakfast food.It is served with karashi mustard, soy sauce, and sometimes Japanese bunching onion. Nattō is often considered an acquired taste because of its powerful smell, strong flavor, and sticky, slimy texture.

Nattō

 

日本人は朝ご飯としてよく食べる。
からしマスタードや醤油、たまねぎが添えられている場合もある。
納豆にはパワフルなにおいや強い味、そしてネバネバした食感があるため、好きになる(慣れる)までには時間がかかるとよく言われる。

でもアメリカで納豆はヘルシーフードとして知られていて、先ほどのアメリカ人の話では、スーパーで「NATTO」が売られているのは珍しくない。

 

では、他のアメリカ人はどうか?
日本に住んでいたり興味のあるアメリカ人が集まるSNSグループに、「あなたは納豆をどう思いますか?」と聞いてみたから、これからその反応を紹介しよう。
だからこれは無作為に抽出したアメリカ人ではないし、やや不自然な日本語文もあるのでその点はご承知あれ。

それと最近では、外国人用に臭いや粘り気をおさえた、水戸市民だったら「笑止!」と言いそうなマイルドな納豆もあるから、以下のアメリカ人がどんな納豆を食べたのかは分からない。
それと日本語はざっくりとした意訳っす。

・I LOVE NATTO!
大好き!

・I don’t like odor.
臭いが好きじゃない。

・I love natto, with some caveat, I don’t froth them, I love the mustard or vinegar packets some come with and on warm rice.
納豆が大好き。でも、ちょっと注意があって、納豆は泡立たせない(かき混ぜない)。
温かいご飯にかけるマスタードや酢のパックも好き。

・I grew up eating it so I like it a lot. Been eating it a lot lately. Yum.
わたしは納豆を食べて育ったからとても好き。最近はよく食べる。うまし。
*この人は日本人の母親をもち、アメリカで生まれ育った。

・Natto 😵 I’m told it’s popular among females who want to lose weight.
体重を減らしたい女性に人気と聞いた。

・納豆はとてもおいしいですよ!!!

・Ive never understood it and never will.
これまで理解不能で、これからも謎の食べ物。

・Is this bean cheese?
これは豆のチーズ?

We ate egg n rice everyday w/ natto
まいにち卵とご飯と納豆を食べていた。

・面白いですよね。納豆を始めてみた時はちょっと不味かったですけど、今美味しいと思います。😊

・Sure it looks unappetizing. However its not that bad plus it gives good benefits for your body of Vitamin K12.
確かに食欲をそそるようには見えない。でもそんなにマズくないし、ビタミンK12があって健康に良い。

・I’m curious about it. I would like the opportunity to try it but never seen it anywhere. Not a lot of demand for such daring foods in lower Alabama.
納豆には興味があって食べてみたいけど、どこにも見当たらない。アラバマ州南部ではあまり需要がない。

・I would try it, but I could not promise to like it, I like other fermented foods.
食べてみようと思うけど、好きになるかどうかは約束できない。わたしは他の発酵食品が好き。

 

では最後に“現代の太平洋戦争”、アメリカ人と納豆の激戦をどうぞ。

 

 

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1 個のコメント

  • 基本的に、米国における「豆食」というのは「貧乏人の食べるもの」というイメージが強いし、それがさらに納豆ともなれば、見方によっては「貧乏人の食い物である豆が、半分腐ったような匂いを放つ食い物」であるからして、米国人にとっては抵抗が強いでしょうね。

    豆食に対するそのような「偏見」は、以前、タイガー・ウッズが全米チャンピオンになった時に皮肉を込めた白人選手からの祝辞によって、世界中に知られることとなりました。
    豆とか米とか、欧米白人たちが普段あまり口にしない(トウモロコシ以外の)穀類・豆類に対する偏見の根強さは、特に米国ではメキシコ国境に近い南部で暮らしてみるとよく分かりますよ。でも、これが、ほとんどの米国の食い物よりは旨いのですけどね。少なくとも私はそう感じました。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。